02.M型ライカのお部屋
私のM型ライカの歴史は短い。初めて買ったレンジファインダーがLeicaM8.2であった。つまりデジタルから入門したのだ。
実はマイクロフォーサーズのG1でマウントアダプター遊びをしていたのだが、そこでMマウントのレンズを初めて購入した。私が初めて買ったレンズは VM ColorScopar21mm/4.0であった。レンズのサイズに驚き、フランジバックの短さに焦り、そこでM型ライカのボディーに初めて興味を持った。
買うときにはR型ライカのデジタル苦労があったので、M型は最初からデジタルをねらっていたのだ。エプソンボディーか純正ライカボディーかでしばらく悩んでいた。
2008年年末に行きつけのカメラ屋さんでLeicaM8.2のBlackとSilverが新古品として格安で売りに出ていた。当時でも50万オーバーであったが、これも何かの縁と言うことで清水舞台の気分で勢い任せに一気にBlackを購入した。
さっそくライカの純正レンズを購入する。まずはお試しにとお安いSummaritM35mm6bitを中古で購入する...。ほほう、安くてもこれはなかなかと。
M8.2で使用するレンズは6bitコードが付いているものが画像管理には便利だ。またUV/IRフィルターなるものをレンズに取り付けないと画像に色かぶりを生じるらしい。何かとコストのかかるM型ライカであるが、徐々にその魅力にとりつかれていった。
レンズシステムはライカ純正だけでなく、他メーカーのものもいくつか取り入れていった。何しろライカレンズがべらぼうに高いのだ。
M型ライカを始めて、私の撮影スタイルがかなり変わった。一眼の頃はボディーに標準ズーム、広角ズームにマクロレンズ、ハイスピードレンズとかなりの重装備で出かけていたが、M型を使うようになって 35mm1本、多くても21mmを加えて2本ほどだ。これが元で私のカメラシステムが大幅に変更された。
しかし万能と思われたM8.2にも欠点はある。やはり35mm換算で×1.3倍が必要なことだ。そのために広角側はどうしても弱くなる。そしてレンズ毎に取り付けるUV/IRフィルターであるが、このコストが結構バカにならない。
特に広角側はかなり困っていた。解決にはフルサイズを使うしかないのであるが、当時まだライカにはフルサイズのデジタルカメラがなかったために、フィルムカメラを購入することになった。自分はM8.2に慣れていたためにフルマニュアルではないものを選んだ。
M7である。このカメラによってM8.2の欠点から解放され、また且つデジタルの恩恵に目が覚めさせられた。M7はかなり持ち出すケースが多かった。
M型ライカで大変なのがフィルムの換装だ。R型やフィルムEOS等では裏蓋を開けたらちょちょいと終わってしまうのだが、ライカは底蓋を開けたあとフィルムを少し出したパトローネを.....とちょっと時間がかかる。自意識過剰と言われてしまうかも知れないが、人混みの中ではこの儀式のような行為をするのはちょっと恥ずかしい。ライカファンからは使う資格無しとお叱りを受けてしまうかも知れないが。
さて、M8.2の写真がないのには理由がある。去年の9月についにライカからフルサイズ素子を搭載したM9が発表されたのだ。つまりM8.2はM9のために里子に出されてしまったのだ。
愛着を持っていたM8.2であったが数ヶ月の辛抱と泣く泣く手放したのだが、これが失敗した。全然M9が手に入らないのだ。
私は発表日にいつもの行きつけのお店で予約したのだが、このブログを書いている1月半ばでも全く音沙汰がない。ブラックはいくつか入ってきているようだが、スチールグレーを選んだせいかなしのつぶてである。
M9のためにいくつかアクセサリーを購入したので、早く来て欲しいです。
ですから、今は若干のフラストレーションをためながらM7を使用し続ける毎日です。家族の撮影にM7を使うとR7と同様「見えないカメラ」として不評なので、ライカさんには是が非でも頑張っていただいて早く届けていただきたいですね。
(2010/01/17)
と、話しているうちにM9が届けられた。
半年程待たされて平成22年の春にようやく届いたのだ。
これでようやくライカのデジタルライフが始まると意気揚々としていた。
選んだ機種はM9のスチールグレイ。
コダック社製のフルサイズセンサーを搭載しているために35mmは35mmとして、28mmは28mmとして当たり前に撮影できるのだ。
そしてM8.2の欠点の一つであったUV/IRフィルターからの開放は結果的にお財布に優しいライカであろうとこの頃までは信じていた。
ところがライカM9にも問題が発生した。
オッドカラーシフトの問題だ。
これは28mm以上の広角レンズを使うと画像の対角辺縁にシアンとマゼンタのシフトした着色が見られる現象である。
M9+Carl zeiss C Biogon21mm/4.5
写真を見て分かるように画面右側が変色している。
特に純正以外の超広角レンズではこの現象が著しい。
フリーソフトで多少改善してくれるものもあるのだが、私がやると空の青いグラデーションなどは無惨な結果になってしまう。
多少マシになるが、純正の6bitコードの付いた広角レンズを新規に購入せねばならなくなった。
M8.2よりもコストがかかるようになったのだ。
また特定の条件を満たしたSDカードはM9のフリーズも引き起こした。
(他では報告を聞かないので、これは自機の問題かも知れない。)
フルサイズセンサーを搭載したわずか500gのボディと軽量なM型レンズ。
このM9による組合せは私のカメラライフを幸せにしてくれると信じていたのだが、いくつかの問題点が明らかになってきた。
・オッドカラーシフトの問題
・上記問題を改善するための新規純正レンズ購入のコスト問題
・RFのため近接撮影は極めて苦手。
・上記の撮影ではRFのためパララックスの問題が生じる。
・視力の低下
・その他云々....
いつしかライカの稼働率も下がり、初冬には殆ど出番のないままM9を半年程で手放してしまった。
あれだけ入れ込んだにもかかわらず冷める時には早かった。
自分としてはM8.2の方が肌に合っていたようだ。
一眼レフの簡便さに慣れ親しんだ自分の体には、M型ライカで写す写真の喜びを理解するまでには至らなかったようだ。
今は防湿庫にM型レンズを始めMボディも全てない。
カメラ好きなら必ず気になるM型ライカ。
自分としては片鱗とはいえ一瞬でも楽しめたことに後悔はない。
正直、フィルム時代に会っていたかったM型だ。
そうしたら、きっと今の自分のカメラシステムは違うものになっていたのでは....と思うのであった。
(2010/12/27)
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