ドブ川
私が幼稚園の頃に実家の近くにドブ川があった。
もちろん魚なんかは住めないくらい汚い川で、夏の晴れた暑い日が続くとそばを歩くとほのかにドブの香りが漂ってくるようなそんな所だ。
当時はドブの上に蓋などはなく、幅と深さは1.5m弱程の溝状になっていた。
ドブを流れる水は雨後でなければ、軽く弧を描いた底の中心をチョロチョロと流れる程度の水量だった。
小学生の低学年の頃になると、そんな場所は格好の遊び場所になる。
友達らと探検だと称してドブの中を歩くのだ。
当時はこれが面白くて仕方がなかった。少し鼻につくドブの匂いを嗅ぎながら、下流へと歩いていくのだ。ある程度進むと上に蓋がしてあり、そこから先は洞窟のように真っ暗だ。
漆黒の闇を目の当たりにして友人らと、今度懐中電灯を持ってきて更なる探検をしようと盛り上がる。
ところがこの蓋の先にはどうしても行けなかった。
蓋の手前にある家のオヤジがいつも見張っているのだ。いないことはない。腰を屈めて見えないようにドブ中を進んでいても、どうしても見つかってしまう。
見つかると烈火のごとくオヤジに怒鳴られるのだ。
なんでいつもあのオヤジはあそこに立っているのか?他にやることはないのかと、一緒に逃げた友人らと悪態をついていたものだった。
結局はドブの蓋の中は未知のまま時は流れ、気がついたときには全てのドブに蓋がなされ、今ではそこは歩道となっている。
今でこそ、そのような下水溝の中は酸欠の危険があることを知っており、むやみに入ろうなどという気持ちは全くない。
結果論ではあるが、あのオヤジは正しいことをしていたのだ。
今もその歩道を歩くたびにいつもドブ川を思い出す。そしてあのオヤジも思い出す。
« Leica M9デビュー | トップページ | ZD ED14-35mm/F2.0SWDの魔力 »
ありましたありました、そういうドブ川
私の実家は田舎だからなのか、なぜか近所のドブ川に野菜が流れてましたよ。大根とかジャガイモとか・・・。弟は同級生がカルガモの子供を保護したとかで、学校で飼ってました。
今はほとんど塞がれてしまいましたけどね
投稿: コニー | 2010年3月 1日 (月) 01時06分
コニーさん、いつもコメントをありがとうございます。
その流れてくる野菜は包丁などで切られている野菜なのでしょうか?それともまんまで流れているのでしょうか?
ちょっと気になりますね。
実はコニーさんに謝らねばならないことがあります。
私は今までの返信で「コニーさん」のことを「コミーさん」と書いてしまってました。本当にすみません
投稿: ちぇりた | 2010年3月 1日 (月) 01時35分