ZD ED14-35mm/F2.0SWDの魔力
フォーサーズは背景があまりボケない。
これだけははっきりしている。
自分はあまりボケの重要性は高くないので、フォーサーズを使用している。
もしデジタル一眼の購入目的が「背景のボケ」ならば、素直に(高いけど)フルサイズに行くべきである。
ただフォーサーズであっても「それなり」にぼかす方法がある。
一つは被写体にできるだけ近づいて背景との距離を開けるマクロ的なやり方と、もう一つはF値の小さい明るいレンズを使うことだ。
前者のやり方はあらゆる状況に使える方法ではないため被写体を選ぶきらいがある。
後者はそのレンズを手に入れられれば、それ相応に対処できる。
今回はこの後者の代表である大口径標準ズームレンズに脚光をあててみたいと思う。
ZuikoDigital ED14-35mm/F2.0SWDだ。
このレンズの最大のポイントは開放F値が2.0通しであると言うことだ。
フォーサーズにおいてこのレンズの長所は以下の三点が考えられる。
1.フォーサーズなのにシャッター速度が稼げる
2.フォーサーズなのに僅かでもボカす事が出来る
3.写りもよい
そして短所も以下の三点が考えられる。
1.フォーサーズなのにでかい
2.フォーサーズなのに重い(900g)
3.高い
まあ、両方の 3.に関しては長所=短所なので仕方がない。
要は、1.2.の長所と短所を比べたときに長所>短所になるならば、このレンズを持つ意味がある。
よくフォーサーズはフルサイズに比べるとセンサーの大きさゆえ、ボケが二段分F値で損するという。
本当なのか検証してみた。
レンズの戸棚からフォーサーズ(E-30)とフルサイズ(M9)のおなじ画角の画像を選んだ。
フォーサーズはZD14-35mm/2.0から35mmのデータ。
フルサイズはSummicronM35mm/2.0ASPH.のデータ。
まずは互いの開放値の比較
次に4/3はF2.0、フルサイズはF4.0
見たところボケが二段分ロスの話は本当だと思う。
このZD14-35mm/2.0は通常の大口径F2.8ズームに比べ一段分明るいF値を持っており、その分シャッター速度を稼ぐことができる。
センサーサイズが小さく高感度耐性に弱いフォーサーズにとっては、強力で頼もしいレンズである。
ただ、その代償として大きく、重く、開放値のみでしかその僅かな恩恵を得ることはできない。
私はこのレンズが非常に大好きだ。
F2.0通しのズームレンズは現時点でオリンパスしか出していないと思う。
明るさを一つの武器にしようとしたオリンパスには頭が下がる思いだ。
自分の感想を正直に書いておきたい。
実際にその利点は僅かでしかなく、普通に使うにはあまりにも重すぎ大きすぎる。
小型軽量を進めている自分にとっては稼働頻度は少ない。
それでもこのレンズの写りと質感は、持っているものを満足させるには十分すぎる程の魔力のようなものを持っている。
私はこのレンズとZD7-14mm/4.0、ZD150mm/2.0があるからまだフォーサーズを続けている。
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