夜の公園
昨日の夜に前職場の懇親会に出かけてきた。
当時の顔見知りはもう僅かしかおらず、大半が新しい顔ぶればかりである。
数少ない顔見知りの方々と懇談し、当時の懐かしい話に花が咲いた。
私の部署の後任はすでに4代目で、時間の流れを切実に感じる瞬間でもあった。
酔いも少し回ったところで、仲の良かった同僚とその場を中座した。
近くの飯屋で簡単に食事を取って、その足で近隣の公園に出向いてみた。
夜の公園は静かだ。
広い敷地内を僅かに散歩に歩く人が来るぐらいであろうか。
人気のない街灯下のベンチに腰掛けてしばし歓談した。
懐かしい話が次々と出てくる。
部下が7万円入りの黄色いお財布をここで落として紛失してしまったこと。
私がこの公園横に車を路駐して違反切符を切られたこと。
平日の午前中に中学生らがこの公園でバスケットをしているのは何故かと言う話で盛り上がったこと。
どれも他愛のない話ばかりだが、当時の同僚らと楽しく仕事をしていた事を思い出した。
何故か夜の公園はちょっとセンチになる。
会話が落ち着いたあたりで私に同僚が呟いた。
「もう戻りましょうか」
手足を蚊に喰われた同僚がボリボリ掻きながら腰を上げる。
私も無惨に喰われている。
二人でボリボリ掻きながら公園を後にした。
センチな気分はそう痒感で吹っ飛んだ。
夜の公園は春か秋に限る。
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