元鞘(MOTOSAYA)
要は「元の鞘に戻る」ということだ。
カメラ趣味が高じて、色々なメーカーを渡り歩いてきた。
キヤノンから始まってライカ、ニコン、オリンパス、パナソニック、ペンタックス。
まだ首をつっこんでいないのはソニーくらいだろうか。
キヤノンがフィルム時代を含めて一番長かった。
長年付き合ったEOS-55からフラッグシップのEOS-1Vへ買い換えたとき、あの海坊主とも言われた撫で肩デザインに心底惚れた。
横目で強敵だった無骨なニコンF5を見つつ、1V(1VHSではない)は連写は負けるけどコンパクトさで有利だと思っていた。
私は軽さこそ機動力こそ武器と考えていた。
しかしF5のシャッター音を聞いたときに、いつかはニコンのカメラを使ってみたいとも感じていたのだ。
当時私にとってのキヤノンのアドバンテージはイメージスタビライザーを搭載してある他社には見られないレンズ群だったのだ。
デジタル化が始まっても、しばらくはひたすらフィルムに固執していた。
しかし、キヤノンの廉価な一眼デジカメEOS10Dが発売になったとき、フィルムを捨ててデジタルに飛びついたのだ。
10Dは焦点距離1.6倍換算しなくてはならないAPS-Cセンサーを搭載していた。
そのアドバンスドフォトシステム(APS)ライクなカメラに多少とまどいつつも、鮮やかな色調のデジタルフォトにのめり込み、直にレンズ換算も慣れていきAPS-H機、フルサイズ機とEOSシステムは大型化、高画素化していった。
そんな折、ニコンから廉価な超高感度撮影可能なフルサイズD3が発売されるという。
この頃にはニコンにもVRという手振れ補正を搭載したレンズが存在し、手振れ補正レンズはすでにキヤノンの独擅場ではなくなっていた。
この時に自分は使い慣れていたキヤノンを捨てて、以前から気になっていたニコンシステムをD3を中心に組み上げたのだ。
ニッコールレンズの評価は高い。
ピントの合った所は好みのカリカリに表現され、ピントズレの不具合で悩まされ続けたキヤノンレンズからの脱却は成功だったと思っていた。
ニコンシステムも徐々に重量級と化し、AF-S200mmVR/2.0Gなどレンズだけで3kgを超えるモノまで組み入れた。
この頃から重いレンズに対してはかなり否定的になっていく。
そしてD700というニコン版EOS5Dが発売になり、そのコンパクトさと軽量さからレンズ自体も軽量化しようと考えた。
だがボディ本体で1kg近くあり、フルサイズセンサーを最大限に生かす高性能FXレンズ群は巨大であり重量もあった。
ここで自分は小型軽量をうたうフォーサーズへと移行していくのだ。
実際はフォーサーズレンズも松レンズを購入して重量化してしまったが。
さて、前置きが非常に長くなってしまったがフォーサーズ自体の存続が危ぶまれることになった以上、新しいDSLRを考えなくてはならない。
自分が色々なメーカーを使ってきた中で何が一番ストレスを感じたかというとAF性能だ。
AF性能が低いとシャッターチャンスを逃す確率はかなり高い。
使用してきたカメラメーカーの中で、自分なりの使い方でAF性能の信頼の高いメーカーはキヤノンだった。
ニコン機でAFが迷ったとき、オリンパス機でAFが迷ったとき、いつもキヤノンだったらと一瞬感じていたのだ。
だからもう一度キヤノンに戻ろうと思う。
しかし重いフルサイズには戻らない。
レンズの軽いAPS-C機だ。
DSLRのターゲットはEOS7Dに定めようと思う。
重量はAPS-Cなのに820gと笑っちゃう程重いが、この820gの中に最新AF性能のキモが入っているのならば受け入れよう。
そしてその分、レンズで軽さを稼ぐのだ。
フォーサーズは2本のレンズだけは残しておこう。
使っていて気持ちのいいレンズがある。
そのレンズを今度出る最後の新型フォーサーズ機に使ってみようと考えている。
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