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2010年12月 7日 (火)

交差点

私は仕事柄、超常現象は信じていない。
だが、不思議な体験をしたことがある。

20101207a
D700+AF-S Micro NIKKOR60mm/2.8 ED

自宅の近くに小さな交差点がある。
今でこそそれなりの交通量があるが、私が園児の頃は殆ど車の通らない裏路地であった。
幼稚園だった頃、私の遊び道具は補助輪の付いた自転車だった。
この自転車を使って年中その交差点の近くの公園で遊んでいたものだ。

公園を出て坂道を下ると交差点に当たる。
自宅へ帰るにはその交差点を横切らねばならなかった。
私はいつもそこをノーブレーキで通り過ぎていたのだ(笑)。
いや、本当に車などは殆ど通らない路地だった。

ある晴れた日、いつものように公園で遊んだ後で自宅に帰るために自転車に飛び乗った。
当然いつものように坂道を滑るように下っていった。

だが、何かが違う。

ブレーキをかけろと何かが心の中で呟いている。
こんなことは初めてであった。
だが気のせいだと気を取り直して、いつものようにブレーキはかけずに一気に横切ろうとハンドルを力一杯握った。
みるみる交差点が近づいてくる。
交差点は目前だ。

再び「ブレーキをかけろ」と誰かが呟いた気がした。

私は思いきりブレーキをかけた。
自転車からギギギと悲鳴に近いブレーキ音を鳴らし交差点直前で止まったその瞬間、目の前を道幅一杯の青いダンプカーが爆音を立てて猛スピードで通り過ぎていった。

しばし放心状態だった私は、ふと我に返ってその場で太陽を見上げた。
すると見えた訳ではないのだが、仏間に飾ってある曽祖父の顔がふと思い出された。
当時は御先祖様を大切にという園の幼児教育のせいなのかも知れない。
しかし、この非常識とも言える現象は幼心ながら、それなりに興奮した。

震える手で自転車をこぎ始め、自宅に帰ってから母にこの話をしたところこっぴどく怒られた。
もちろん私の無謀運転についてだが。

私は今もあの時は曽祖父が守ってくれたのだと信じている。

あの交差点を通るたびに、いつもこのことを思い出す。
40年近く前のことであっても。

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