Lumix G 14-140mm/F4.0-5.8 Asph. OIS.を使ってみる
2009年に発売になったマイクロフォーサーズ初の高倍率ズーム。
35mm換算で28~280mmまでをカバーする10倍のズーム率を誇る。
リニアモーターを搭載しフォーカスの速度と静音化に優れている。
駆動モーターの静かさは特筆もので動画撮影に威力を発揮するが、当然ながら写真撮影にも高い効果を出している。
重量は460g。マイクロフォーサーズレンズの中では重い部類にはいるだろう。
サイズはΦ70x84mm、フィルターサイズは62mmである。
最短撮影距離は50cmまで寄ることができる。
それでは例の如くポンちゃんにお出まし頂こう。
被写体までの距離は2m。
テスト撮影のボディはG2、ISOは200に固定、WBは太陽光に設定した。
【テスト撮影】
14mm(換算28mm) 左からF4.0/F5.6/F8.0
17mm(換算35mm) 左からF4.3/F5.6/F8.0
25mm(換算50mm) 左からF4.7/F5.6/F8.0
35mm(換算70mm) 左からF5.0/F5.6/F8.0
広角から望遠まで結構いい感じで解像していると思う。
下に14mm(換算28mm)域の隅角部のトリミングを載せておく。
【隅角部トリミング】
開放から全然使えるレベル。
高倍率ズームなのに、ちょっとすごい。
【最短距離撮影】
ボケの具合も見るために140mm(換算280mm)域で最短距離50cm・開放F5.8にて撮影する。
かなりの拡大撮影が可能である。
F5.8とはいえ50cm近接撮影ができればこれだけぼかせる。
だが高倍率ズームなので美しいボケに過剰な期待はしない方がいい。
【実写と感想】
これまでマイクロで使っていた標準ズームはLumix G14-45mm/3.5-5.6OIS.であった。
これに望遠ズームのG45-200mm/4.0-5.6OIS.を組み合わせていたのだが、一本にまとめられる便利さは極めて大きい。
つまりダブルズームを合わせた体積・重量を考えても14-140mm/4.0-5.8一本の存在価値は非常に高いのだ。
写りは自然で開放からコントラストが高い。
解像感も極めてよく動画・静止画に十分使える。
歪曲やビネッティングはデジタル制御により補正されてEVFや液晶に表示される。
このレンズはHDの表示があるように本来は動画に特化したものと感じるかも知れないが、殆ど静止画中心にしか使わない私でも全く問題なく使えている。
使っているうちにこのレンズのクセが少し分かってきた。
AFは静かで高速であるがズームリングがやや重く、指先で回すにはちょっとだけ力を入れる必要がある。
また解像に関しては広角側は全く問題ないが、テレ端は若干落ちる気がする。
逆光も強い
DMC-GH1+G14-140mm/4.0-5.8OIS.
前者の方は重力で鏡胴が伸びることを予防しているのだろうが、後者の問題は高倍率ズームの宿命であろう。
仕方のないことだと諦めている。
だがこのようなデメリットを踏まえても、G14-140mm/4.0-5.8ズームレンズから受ける恩恵というものは非常に大きい。
一本で換算28~280mmまでカバーしてしまうのだから。
最近のマイクロの組合せはこうだ。
まずメインとなるG14-140mm/4.0-5.8を中心に広角はG7-14mm/4.0、そしてハイスピードレンズとマクロレンズはNokton25mm/0.95一本で済ませる。
計3本で換算14-280mmをカバーし、いざとなれば開放F0.95のノクトンでぼかし且つ接写する。
接写担当のNoktonは1/4マクロ程度にしかならないが、50mmで17cmまで寄れるのだ。
十分であろう。
....実は最強のNokton25mmにも欠点はあるのだがそれはまた別の機会に。
このように今の私にとってG14-140mm/4.0-5.8は外すことのできない重要なレンズになっている。
コンパクトで、開放から使えて、換算28-280mmまでカバーして、テレ端はやや解像が落ちるけれども十分すぎるほどのレベルは維持している。
こんなに美味しいレンズがあったろうか。
え?開放値が暗い?
現時点では高感度の強いGH2を使えばその問題は解決すると思う。
え?ボケない?
そのためのNoktonじゃないですか。
え?このレンズやGH2が高い?
....。いや、このあたりは上手に工面してですね....。
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