Lumix G 7-14mm/F4.0 Asph.を使ってみる
巨大なサイズではあるが、ディストーションやビネッティングの少なさからほぼ完成の域に達してしまったと思われていたZD ED7-14mm/4.0を、いとも簡単にその座から引きずり下ろした超コンパクトな刺客レンズ。
Lumix G 7-14mm/F4.0 Asph.である。
片手に収まるほどの小さいレンズであるが性能はZD ED7-14mm/4.0に匹敵している。
まあ厳密に言うとディストーションや周辺光量不足はカメラ内で補正をかけて修正しているだけなのではあるが。
重量はわずか300gと相当なコンパクトさで、前出のレンズに比べて僅か3/8程度。
サイズは70x83.1mm。最短撮影距離は25cmで最大撮影倍率は0.08(換算0.15)倍。
前玉が凸面構造をしているためフィルターは取り付けられない。
また、レンズキャップはパナの8mm魚眼と同様に泣かせるチープな被せ式プラスチック製である。
先にも述べたが、これだけの性能を持ちながら小型軽量化できたのは、補正可能なEVFを搭載したマイクロフォーサーズならばである。
光学ファインダーを介していたなら、これだけのサイズに収めることは不可能であったろう。
それではいつものようにポンちゃんに被写体になってテスト撮影してみる。
被写体までは2m、ボディはDMC-G2。
ISOは200に固定し、WBは太陽光とした。
【テスト撮影】
14mm(換算28mm) 左よりF4.0/F5.6/F8.0
ここでワイド端隅角のトリミングを見てみる。
【隅角トリミング】
焦点距離7mmの写真左下を拡大してみる。
開放は僅かに甘さは残るが、十分使えるレンズであることが分かる。
色収差はないわけではないが、かなり補正されているようで非常に目立ちにくい。
また解像度もこのレンズサイズを考えると相当なものだと思われる。
【最短距離撮影】
ボケ具合を見るためにテレ端で開放撮影を施行した。
広角レンズのボケ方としてはなかなかいい感じである。
広角ズームのテレ端でも十分な画像レベルを維持している。
【実写と感想】
ZD ED7-14mm/4.0は逆光が苦手であったが、このレンズはどうであろうか。
下の写真を見てもらいたい。
左上方辺縁に太陽を入れて撮影したが、フレア・ゴーストは殆ど分からない。
よく見るとやや中央よりに小さなゴーストが3つほど見える。
かなり逆光に強く、実用的な広角ズームではないだろうか。
つまりこのレンズはZD ED7-14mm/4.0の欠点を取り除き、且つ小型軽量化されたすごいレンズと捉えていただいていいと思う。
だが人によってはディストーションやビネッティングのあるオリジナル画像がEVFに補正画像として表示されることを忌み嫌うかも知れない。
じつは私も以前はそのような感覚を少しだけ持っていた。
だがマイクロフォーサーズの登場により信じられないほどの小型化されたレンズ群を見ていると、このようなデジタル化の恩恵を受け入れいるのも悪くないと思うようになった。
本来マイクロは、そのような前提でレンズ・ボディも作られているのだろうし、なによりレンズの小型化により受けられるメリットは計り知れないものがある。
最近では光学ファインダー機でもレンズ別によるディストーション補正画像のon/off機能がカメラ内にあればとも思うようになってしまった。
PC上、ソフト的にはよくやる作業なのだが非常に面倒くさい。
ズームになると画角によって補正レベルが変わることがメンドウだ。
カメラで自動補正してくれるとありがたいのだが。
と、このようにLumix G7-14mm/4.0Asph.はデジタル化の恩恵を肌で感じることのできるアバンギャルドなレンズなのだ。
見た目は小さくて可愛いレンズなのだが秘めている能力は極めて高く、マイクロフォーサーズボディと組み合わさることによってそのポテンシャルを一気に跳ね上げることができる。
マイクロボディとこのレンズは言ってみればドラゴンボールで言うポタラをつけた悟空とベジータみたいなもので、さしずめ合体によりパワーアップしたスーパーベジットといったところだろうか。
....こんな例えじゃ訳わかんないですよね。
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