OLYMPUS XZ-1を使ってみる
よさげなカメラだな~と思っていたらいつの間にか購入してしまっていた恐ろしいコンパクトデジタルカメラXZ-1。
このカメラの売りは、なんと言ってもF1.8からの明るさを持つレンズだ。
換算でみると28-112mm/F1.8-2.5を誇っている。
まあ詳しい性能は先日のブログにあるので、今回は写りに対して書いてみたい。
F1.8と聞くと何を思い浮かべるか。
一つはハイスピードシャッターが切れると言うこと。
つまり暗いシチュエーションでもブレの心配が減ることだ。
そしてもう一つはボケである。
ボケはシャッター速度とは異なり、センサーサイズによりその様相は大きく変わる。
フルサイズセンサーが搭載されているデジタルカメラならば、F1.8もあれば相当なボケを生み出せるだろう。
だが今回は1/1.63型のCCDが搭載されているコンデジが相手だ。
センサーはLeicaのD-Lux5と同じサイズのCCDである。コンデジとしては比較的大きい部類に入る。
XZ-1の28-112mm/F1.8-2.5ズームレンズでどうのように写るのか、ちょっと検証してみた。
いつもの如くポンちゃんにお出まし頂く。
被写体(ポンちゃん)までの距離は2m。
ボディはXZ-1、ISOは100に固定、WBは太陽光に設定した。
写真はJPEG撮って出し。
クリックで画像が拡大されるが、ついシャープネスを+2まで上げたままにしてしまったので、やや固い画像に感じるかも知れない。
【テスト撮影】
さすがコンデジらしく被写界深度が極めて深い。
換算28mmではF1.8とはいえボケ具合を吟味するにはかなりきつい。
換算112mm域ではバックはそれなりにボケてはくれるが、やや二線ボケの傾向があるか?
ただ写りは開放からかなり良く、ズイコーデジタルの性能はきちんと引き継がれているようだ。
次に換算28mm域での右上隅角部の拡大を見ている。
【隅角部トリミング】
開放では僅かに色収差が見られるが、絞り込むほどにかなり改善される。
F8.0では消えているようにも見られる。
だた、この雰囲気からするとJPEG画像を作るときにソフト的に消している可能性があるかも知れない。
それでもたいしたものだ。
【最短距離撮影】
XZ-1には最短距離で撮影する場合、通常AF撮影・マクロ撮影・スーパーマクロ撮影の3つのモードがある。
そのため順に一つずつ検証してみる。
各モードの最大焦点距離に対して最短撮影距離から開放で撮影した。
1.通常AF撮影(60cm)
換算112mm 左からF2.5/F4.0/F8.0
2.マクロ撮影(30cm)
換算112mm 左からF2.5/F4.0/F8.0
3.スーパーマクロ撮影(1cm)
換算28mm固定 左からF1.8/F4.0/F8.0
結構思ったよりボケたので驚いている。
一眼レフに比べるときれいなボケという訳ではないが、コンデジでこれだけぼかせれば十分だろう。
光源は開放で円形だが、絞ると6角形になる。
まあ、コンデジでボケ云々にあまり文句を言ったら罰が当たってしまうかも知れない。
3.のスーパーマクロ撮影は換算28mm固定でしか撮影できない。
また最短が極端な1cmしかないので、この撮影時のみポンちゃんの目ではなく鼻にピントを合わせて撮影した。
このモードだと最短撮影でディストーションがかなり目立つ。
スーパーマクロは若干開放でコントラストが落ちるようだが、自分ではこのモードは頻用する事はないと思うので通常使用には問題はないはずだ。
だが春になって花の撮影が増えてくるとスーパーマクロによる花の接写が増えるので、わずか1cmというレンズ面への接触に気をつけなくてはならないだろう。
【実写と感想】
XZ-1のメニューには特徴がある。
ハイエンドコンデジに見られるような深い階層を持ったメニューと違い、非常にシンプルで浅いのだ。
最低限のモノしか入れていないのではないだろうか。
だいたいの設定はメニューを開くことなく、液晶に表示されているインフォメーションから変更できる。
十字キーを動かすだけで素早く変更や設定ができるのだ。
慣れないうちは、ついメニュー画面を開いてどこだ何処だと探してしまう。
ところが慣れてくると非常に使いやすい。
AEロックも見つからないので、シャッター半押しで対処せよと言うことなのか。
液晶に表示されるヒストグラムを見ながら白飛び黒つぶれしないよう露出を決めて、ピントを合わせシャッターを切る。
単純ではあるが、昔懐かしい撮り方をしているようで非常に楽しい。
XZ-1は自分にとって回顧なカメラであるようだ。
XZ-1は街撮りカメラ、散歩カメラとして使っていこう。
街中で自分の子供や風景を写すのに最適ではないだろうか。
大きく目立つ一眼では、「自然の多いところや観光地」以外で振り回しているとあまりいい顔をされないと感じることがある。
いつの頃からだろう。
一眼レフを都会の中で、いや人前で出すのに躊躇するようになったのは。
自意識過剰だと言われればそれまでかもしないが、以前に比べて明らかに一眼レフを出しにくい世の中になっている気がする。
そんな時代に、街中でも様々な撮影ができるアートフィルターが搭載された便利なコンパクトなデジタルカメラ。
これはボケを最優先するカメラではないだろう。
高感度な苦手なコンデジセンサーを生かす方法として明るいレンズが付けられているように感じる。
これなら裏路地でもぶれずに撮影できそうだ。
人目を気にせず、久しぶりに街中に持ち出したくなるカメラ。
それがXZ-1のような気がするのだ。
失敗しても気にしない。
自分にとって、XZ-1はJPEGのみで撮ってみたいと思わせる回顧なカメラなのだ。
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