ZD ED 8mm/F3.5 Fisheyeを使ってみる
このレンズは2009年7月にあった皆既日食に備えて慌てて購入した。
話によるとフォーサーズでありながら、他のどのマウントよりも大きくて重い魚眼だという。
35mm換算すると焦点距離16mmの対角魚眼。
重量は455g、全長は78x79mm。最短撮影距離は0.135m。
手に取るとコンパクトでありながらズシリと重い。
作りは非常に丁寧で、オリンパスの気合いの入れ方がよく分かる。
巨大な前玉は内反射を防ぐためか、のぞき込むと漆黒でレンズの奥底ははっきりしない。
魚眼という特性上、レンズ保護目的のフィルターは取り付けることはできない。
レンズキャップは作りの良い金属製で、はめ込むときは音もなくスッと取り付けることができる。もちろん簡単に落ちる様な精度ではない。
気合いの入った作りである。
それではポンちゃんに登場願おう。
被写体までの距離は2mに設定。
ボディはE-30、ISOは200、WBは太陽光に固定。
1~2段ずつ絞って撮影した。
【テスト撮影】
写りはかなりいい。
若干色収差も出るが気になるほどではない。
周辺減光はこの写真からは殆ど分からない。
【実写と感想】
このサイズと重さだ。
フォーサーズでありながらこの巨大な対角魚眼は、持ち出すモチベーションを大いに下げさせられた。
日食撮影を終えてからは殆ど持ち出すことはなくなってしまった。
せっかくの日食が前線のせいで....
E-620+ZD ED8mm/3.5Fisheye
だが写りは周辺から隅角まで十分すぎるほどの光学性能を誇る。
逆光にも強く、防塵防滴設計は安心感を与えてくれる。
驚くべきはその質感である。
上記のレンズキャップの件もあるが、他にもピントリングの作り込みなど全体的にスバラシイ。
2010年の6月にパナソニックからマイクロフォーサーズの8mm魚眼が発売された。
基本スペックはほぼ同じであるが、こちらは重量が165g、サイズが60.7x51.7mmと信じられないほどのコンパクトさを持っていた。
このレンズの購入とともに、フォーサーズの魚眼レンズの存在意義はなくなってしまい、結局は手放してしまった。
実際に小型軽量の方が持ち出す頻度は高くなった。
お手玉の様なサイズのパナ製魚眼に比べると、ZD ED8mm/3.5Fisheyeはオリンパスが本気でフォーサーズブランドのレンズシステムを作り上げようとしていた事の片鱗を味わうことができるレンズだ。
別にパナ製が悪いというわけではない。
パナソニックは強度を考慮しつつ軽量化という前提からあのサイズ・重さになったのであろう。
フォーサーズとマイクロでは基本概念が違うのだ。
奥に見えるのは桜島
E-620+ZD ED8mm/3.5Fisheye
この魚眼はオリンパスが説いたフォーサーズの一つの答えであろう。
気合いの入った高品質のニッチな魚眼レンズ....。そんなオリンパスの考え方は私は好きだ。
オリンパスがフォーサーズの開発速度さえ緩めなければ、今でも大切に所持していたかったレンズだ。
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