Leica D VarioElmar14-150mm/F3.5-5.6 OIS Asph. を使ってみる
2007年にパナソニックから発売になったフォーサーズ用のちょっとすごい高画質な高倍率ズーム。
フォーサーズのトラベルセットと言ったら、これを中心にレンズを選んでいった。
非常に世話になったズームレンズである。
35mm換算にして28-300mm域をカバーする超便利なズーム。
重量は530g、サイズはΦ78.5x90mm。
最短撮影距離は50cm、フィルターサイズは72mmである。
冒頭に述べたが、高画質以外にこのズームの何がすごいのかというと
1.高倍率なのに信じられないような歪曲の少なさ
2.高倍率なのに信じられないような周辺部減光の少なさ
この2点である。
私にとって特に重要で気になるのは1.のディストーションの問題だ。
高倍率ズームを使うならば多少は自分的に歪曲には諦めモードが入るが、パナソニックはそこを諦めず徹底的に作り込んでくれた。
Leica D14-50mm/2.8-3.5でパナに結構やるじゃない感が生まれて、Leica D25mm/1.4とこのレンズを手にしてパナ製レンズは信用できる感が完成した。
ではいつものポンちゃんでテスト撮影を。
被写体までの距離は2m。
カメラはE-30、ISOは200に固定、WBは太陽光に設定した。
【テスト撮影】写真はクリックで拡大
14mm(換算28mm) 左からF3.5/F5.6/F8.0
17mm(換算35mm) 左からF3.7/F5.6/F8.0
25mm(換算50mm) 左からF4.0/F5.6/F8.0
35mm(換算70mm) 左からF4.4/F5.6/F8.0
50mm(換算100mm) 左からF4.8/F5.6/F8.0
100mm(換算200mm) 左からF5.4/F5.6/F8.0
フォーサーズ故にボケは大したことないが、開放からコントラストも十分で隅角部までしっかり解像している。
爆速ではないが、Extra Silent(XS)技術による超音波モーターは通常使用でも全く問題になることはない。
【最短距離撮影】写真はクリックで拡大
最短撮影距離の50cmで、最大焦点の150mm(換算300mm)域で撮影した。
かなりの倍率で撮影できる。
大きい花ならばマクロ的な撮影も可能であろう。
【実写と感想】
500g強で28-300mm域をカバーする高画質で歪曲の少ないスーパーレンズ。
疑似マクロもできるためフォーサーズではこれ一本でも十分なレンズだ。
一言で言えば万能レンズ。
値段的にはやや高額であるが、ライカブランド銘柄に恥じぬ高品質な高倍率ズームを堪能することができる。
E-30+D VarioElmar14-150mm/3.5-5.6OIS.
そのため旅行などに持ち出す際はこのレンズを中心に選択することになる。
広角域はZD ED7-14mm/4.0で決まりだろう。
標準から望遠域はこのレンズでカバーできる。
後はハイスピードレンズだ。Leica D25mm/1.4を選べば完璧だろう。
マクロはD14-150mm/3.5-5.6を疑似マクロ的に使えばよい。
遠距離旅行には上記セットにLeica MacroElmaritR60mm/2.8にマウントアダプターを付けて持ち出すことが多かった。
E-1との組合せは色が良かった
E-1+D VarioElmar14-150mm/3.5-5.6OIS.
思えばこの頃が一番カメラ撮影でも充実してきた気がする。
ボケが少ない分、斯様にボケをこのレンズで増やそうか考えたり、山に登れば被写界深度が多いのでフォーサーズの良さを再認識できたりと非常に楽しかったのだ。
ワイド端でも歪曲は目立たない
E-30+D VarioElmar14-150mm/3.5-5.6OIS.
逆光にも強く、滅多なことではフレアやゴーストも出にくい。
欠点と言えばAPS-C高倍率ズームほどに重く、下に向ければ自重で鏡胴が伸びてしまうくらいだろうか。
E-1には手振れ補正がないので助かる
E-1+D VarioElmar14-150mm/3.5-5.6OIS.
D14-50mm/2.8-3.5よりもボケを出すのは簡単で、いつの日か稼働率はそれよりも高くなっていたレンズである。
だが実はこのレンズはすでに手元にない。
フォーサーズを大リストラしたときに手放してしまったのだ。
これだけ絶賛しているレンズを何故に手放してしまったのか。
イルカ程度ならばAF速度は問題ない
E-30+D VarioElmar14-150mm/3.5-5.6OIS.
このレンズはフォーサーズをメインで使うならば汎用という意味では最強だと思う。
しかし、今やフォーサーズは私のマウント群の中ではマイノリティーな存在になってしまった。
サブとしてフォーサーズを使うには特色のある独自なレンズを数本持つか、この汎用レンズを一本持つかという選択になるであろう。
E-30+D VarioElmar14-150mm/3.5-5.6OIS.
私は前者を選んだ。
残したフォーサーズレンズは独自色の高い特徴のあるレンズのみを選択したのだ。
もし、フォーサーズが未だメインマウントならばこのレンズは決して手放さなかったであろう。
E-30+D VarioElmar14-150mm/3.5-5.6OIS.
デザインも美しく使い勝手にも文句はなかったフォーサーズの才色兼備なズームレンズ。
すでに時間の止まってしまったフォーサーズには、このレンズと新パートナーを組めるレンズが現れないことを残念に感じてしまうのだ。
【おまけ】クリックで拡大
E-30+D VarioElmar14-150mm/3.5-5.6OIS.
ちなみにこのレンズは連射にもいい。
E-30の5コマ/秒と組み合わせてよく使っていた。
本当に有能で万能なレンズであった。
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