Lumix G 14mm/F2.5 Asph. を使ってみる
2010年に発売になったパナソニックのパンケーキレンズシリーズ第2弾、Lumix G14mm/F2.5Asph.である。
G20mm/1.7よりも厚みが少なく軽い。
購入時に箱を渡されたときなど、中身が入っていないのではと不安にさせるほどの軽さであった。
重量はGレンズシリーズ最軽量の55g。(3Dレンズを除く)
大きさは55.5x20.5mmの超コンパクトサイズ。握れば拳に隠れてしまうほどのサイズなのはマイクロフォーサーズならではであろう。
最短撮影距離は18cm、最大撮影倍率は0.1倍である。
前玉はさほど大きくはない。
だが後玉を見ると、ビネッティングの対処なのか前玉に比べて少し大きい。
上手くまとめ上げたコンパクトレンズなのが分かる。
このレンズに手振れ補正は付いていない。
まあ、換算28mmに手振れ補正は必要ないし、重量も増えるので現実的ではないだろう。
フィルター径は46mm。お財布に優しいサイズで好感が持てる。
レンズを手に持った感じはプラスチッキーであるが、マウント部は金属製でピントリングを含めた全体的な質感は高い。
では、ポンちゃんに登場いただきテスト撮影をしてみる。
被写体までの距離は2mとする。
ボディはGH2で、ISOは160に固定、WBは太陽光とした。
(先日の件で、今日慌てて撮影してきた。)
【テスト撮影】
このレンズサイズからこれだけの解像度を出すことに驚かされる。
マイクロフォーサーズであり、換算28mmという画角からパンフォーカスになりがちである。
ぼかすには少し苦労するが、F値を2.5まで押さえたことでこのサイズが実現できたのであれば、それもまたありだろう。
次に中央部と隅角部の開放のトリミングを見る。
中央部はしっかりと解像されているが、周辺部では隅角部に収差が見られる。
まあ中央と同じレベルではないが、このレンズサイズでこれだけの画質を維持しているのであるから、パナソニックも相当頑張ったと思われる。
当然ながら絞り込めばかなり改善する。F8ではほぼ解消されている。
【最短距離撮影】
次にボケ具合を確認する。
最短撮影距離である18cmで開放撮影した。
さすがフォーサーズサイズのセンサーで28mmにもなるとボケは少ない。
だが、少ないなりにキレイなボケではある。
【実写と感想】
おそらくパナソニックは高画質と軽量化の両方を重視して開発したのであろうと分かるレンズだ。
F2.5という明るさは周辺部の解像度を考慮したギリギリの選択であったろう。
もっと明るくすることもできたでのだろうが、そうすると周辺域の画質低下や重量・サイズに難が出てくる。
このレンズを見えると、パナソニックのマイクロに対する現在の考え方が分かってくる。
ただ、今後はよりハイエンドユーザーを対象にしたハイスピードレンズ群を揃えてくる可能性が高い。
このレンズの写りは現代的で美しい。
開放からコントラストがしっかりしており、解像感も十分だ。
18cmまで寄れることから、接写によりある程度のボケを楽しむことも可能である。
実際、レンズサイズから考えて、ボケもかなりキレイにまとめ上げている。
このレンズは風景レンズだ。
海に山に行楽地に何でもこなせる万能広角レンズだ。
換算24mmの方が....、と考えたこともあったが、パースのつきやすい超広角は扱いが難しい。
慣れた人ならば問題は少ないであろうが、マイクロから一眼に初めて入った人ならば、パースのつく超広角レンズでの撮影は違和感を感じるかも知れない。
単焦点のコンパクトなG14mm/2.5。
使いやすい広角域で万人に受ける楽しいレンズ。
広角の面白さにはまって、より超広角域なG7-14mm/4.0に行くのも良い。
また、単焦点レンズの面白さにはまり、よりボケの楽しめるG20mm/1.7に行くのも良い。
デジタル一眼を使っている人で、とりあえずマイクロフォーサーズを買ってみようかという人は、このG14mm/2.5とG20mm/1.7(或いは後々発売になるであろうG25mm/1.4)の2本を手に入れてみることを薦めたい。
長所短所を含めて、最も手っ取り早くマイクロの肝がわかりやすいレンズシステムだと思う。
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