地震の傷跡
実家より、先日の地震で庭にあった桜の木が倒れたという連絡が入ったので見に行ってきた。
築山の隣に生えていた相当太い幹を持つ桜の巨木だった。
物心ついた頃から見上げていた思い出のある大きな木であった。
その枝振りは実家の庭の半分ほどを覆い尽くすほどで、春になるとその枝からは見事なまでの桜を咲かせていた。
だが今は殆ど咲かせることはない。
10年程前に巨大になりすぎて途中から切ってしまったのだ。
桜の木は切ると途端にダメになることが多い。
桜切る◯◯、梅切らぬ◯◯。
この諺があったので本来は切ることを躊躇したのだが、庭全体がこの木で暗くなり、時折落ちてくる巨大な枝に怪我する危険があったのでやむを得ず切ることになった。
そして心配した通り桜の木は枯れていった。
僅か数振り程度にしか桜の花を咲かさなくなったこの巨木は、徐々に苔むし、いつしか忘れ去られた存在になっていた。
無惨に倒れたこの木を見て心が痛んだ。
子供の頃によくセミをつかまえた桜である。
初めてニイニイゼミをつかまえた木であることも覚えている。
毛虫が落ちてきて叫んだこともあった。
当時は巨大に感じた桜の木も、朽ちて倒れてる状態で見るとやけに小さく感じてしまう。
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