AT-X165PRO DX16-50mm/F2.8を(EOS 7Dで)使ってみる
トキナーのレンズのことを書くとアクセス数がガクンと落ちるのが面白い。
余程人気がないのか。
しかし、それでも書いてしまうのは隠れトキナーファンの性とでも言うのであろうか。
いや、ホント良いレンズが揃ってますよ。
さて、トキナーズームの中で大口径標準ズームに値するのがこのレンズだ。
換算26-80mm/F2.8相当になり、ボケ具合はF4.0相当となる。
トキナーで残念なのが(他社サードパーティーもそうであるが)、キヤノンとズームリングの方向が逆になることだ。
ニコンやpana製レンズを使っている時は気にならないが、やはりキヤノンやオリンパスレンズ群にトキナーやタムロン、シグマが入るとちょっと混乱する。
このレンズが発表されたとき、実はちょっと注目していた。
トキナーは以前インナーズームであるAT-X280AF PROというレンズを発売していた。
そのF2.8通しインナーズームの血筋を受け継いでいるのではないかと期待していたのだ。
結果はご覧のように鏡胴が伸びるタイプである。
残念といえば残念であるが、鏡胴に段が付いているので自分的には納得できそうである。
余談だが、現時点で販売されている標準インナーズームはシグマの18-50mm/2.8-4.5DC OS HSMしか存在しない。
さて、このレンズの性能である。
重量は610g、サイズは84x97.4mmと結構大柄でズシリと来る。
標準ズームでF2.8通しなのだ、仕方のないところだろう。
最短撮影距離は標準的に30cm、最大撮影倍率は0.20倍である。
フィルター径は77mmとF2.8らしい。
いつものようにイヌの置物、ポンちゃんに被写体になってもらう。
被写体までの距離は2m。
ボディはEOS 7D、ISOは100に固定、WBは太陽光に設定した。
【テスト撮影】
さほど気になるレベルではないが、開放の広角域では周辺に色収差がいくつか見られる。ワイド端では若干のディストーションが見られるが、
【最短距離撮影】
ボケは僅かであるが固い感じがする。
だが30cmまで寄れるため、テレ端を使えば充分ぼかすこともできる。
最大撮影倍率が0.20倍しかないので、疑似マクロ撮影はちょっと厳しい。
しかし開放から充分使えるレベルではある。
【実写と感想】
使用頻度の高い標準ズームということなので、今は友人に返してしまって手元には存在しない。
レンズが610g、EOS7Dが820gなので合わせて1.5kg弱にもなる。
しかし写りは十分満足のいくレベルである。
Canon EOS7D+AT-X165PRO DX16-50mm/2.8
自分の持っているEF-S15-85mm/3.5-5.6IS USMと比べると、近接撮影とボケ具合は確かにトキナーの方に分がある。
しかし手振れ補正の有無や24-135mmまでという画角の広さ、そして色収差の少なさから考えると、実用面ではEF-S15-85mm/3.5-5.6の方が有利であろうか。
Canon EOS7D+AT-X165PRO DX16-50mm/2.8
敢えてこのズームを選択肢に入れて他レンズと比較せよとなると、対抗馬はキヤノンのEF-S17-55mm/2.8IS USMであろう。
EF-S17-55mm/2.8は重量645gで最短撮影距離が35cm、最大撮影倍率は0.17倍だ。
この辺りに関してはトキナーの方が良い。
だが、キャノンにはなんと言っても約3段分の手振れ補正が搭載されている。
写りに関しては、このレンズは所持したことがないのでコメントしづらい。
Canon EOS7D+AT-X165PRO DX16-50mm/2.8
値段は約半分で、キヤノンの同クラスより寄れて大きく撮影可能。
しかし手振れは付いていない。
この辺に価値を見いだせればこのレンズもありかも知れない。
Canon EOS7D+AT-X165PRO DX16-50mm/2.8
しかし、ここでダークホースを忘れてはいけない。
タムロンのSP AF17-50mm/2.8XR Di II VC LDだ。
こちらは重量が570gで最短撮影距離が29cm、しかも手振れ補正付きでフィルターがコンパクトな72mmである。
色収差がちょっと出やすいらしいが、トキナーの2/3程のコストで手に入る。
確かによく売れるはずであろう。
私が買おうと思っている大口径標準ズームは純正を考えていた。
だが16mm域までワイド端が拡張されているトキナーも良い。
コストに優れ、最短29cmまで寄れるタムロンも良い。
余計に悩んでしまう結果になってしまった。
まあ焦らずに、しばらく悩んでから結果を出しましょうか。
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