Carl Zeiss C Sonnar50mm/F1.5を使ってみる
先日のコシナ50mmつながりで、今日はCarl Zeiss C Sonnar50mm/1.5について取り上げてみる。
私の持っていたMマウントレンズで結構お気に入りだった前玉の美しい50mmレンズ。
本来はライカ純正のSummilux50mm Asph.を狙っていたのだが、M9の発売の影響を受けて品薄状態になり、手に入れることは叶わなかった。
そのためSonnar50mm/1.5はM8.2の頃からずっと愛用していた50mmのお気に入りの一本なのだ。
重量は250g、サイズはMマウントレンズらしく37.0x55.0mmのコンパクトな大きさだ。
最短撮影距離は90cmとやや長い。
フィルター径は46mmである。
それでは、いつもの如くポンちゃんに被写体になってもらう。
被写体までの距離は1m。
ボディはM9、ISOは160に固定、WBは太陽光に設定した。
【テスト撮影】
写りは自然であるが、開放は若干ハロっぽくなりやすい。
50mmという画角から風景にはあまり使用することは少なかったが、ボケが独特でふんわりとしたボケ方が好みだったため人物撮影に愛用していた。
もちろん絞り込むと解像度がグンと上がってくる。
【最短距離撮影】
1mと0.9mの差しかないので、上の写真と殆ど変化はないが、一応は出しておく。
ハロが出ても、比較的コントラストは残しているようなので好みの絵を出してくれた。
【実写と感想】
このレンズはM8.2を購入したときに、いつものカメラ屋さんで中古で手に入れた。
シルバーのキレイな美品であったが、とりあえず50mmをと購入したのだ。
M8.2で使用すると65mm/1.5レンズになるので、ちょっと微妙な画角ではある。
購入した当日に写したのが、このチェリーの写真だ。
M8.2+Carl Zeiss C Sonnar50mm/1.5
この僅かにハロっぽくなる写真を見て、このレンズのぼけ方に惚れ込んだ。
よく見ると分かると思うが、チェリーにピントが合っていない。
実はこのレンズはピントがずれていた外れ玉だったのだ。
好みの絵を出してくれるレンズなのでいきなり修理に出さずに、しばらくは根性で距離によりピントを微妙にずらすクセを付けてひたすら撮影していた。
だが、補償期間が切れる前にとうとう音を上げて修理に出した。
M8.2+Carl Zeiss C Sonnar50mm/1.5
見違えるほどのレンズになって帰ってきてからは、さらに持ち出す頻度が増した。
普通に使えるレンズはありがたいと感じつつ様々なシチュエーションに使ってみたが、このレンズは風景や静物より、ポートレイトや生き物を写すと面白いと感じるようになっていったのだ。
M8.2+Carl Zeiss C Sonnar50mm/1.5
因みに、これは夜景を開放で写したものだが、強い点光源が入ると対照角部位にゴーストが現れやすい。
M8.2+Carl Zeiss C Sonnar50mm/1.5
ボディがM9に代替わりしても、このレンズの使用頻度は高かった。
子供を撮るときには必ず持ち出していたレンズだ。
このレンズで撮影した写真は数知れない。
M8.2+Carl Zeiss C Sonnar50mm/1.5
そして昨年の秋にM型ライカをやめるとき、手元に残すか少し悩んだ。
しかし未練を持ってこのレンズを残すと、再び撮りたい衝動に駈られてM型ライカを購入しそうな感じもあったので早々に諦めがついて手放した。
M8.2+Carl Zeiss C Sonnar50mm/1.5
当時は最短撮影距離が90cmというのが微妙だったと思っていたが、パララックスの問題から意外とソレで良かったのではないかと今から考えると、そう感じる。
ハロが出るようなレンズに惚れ込むなんて考えられなかったが、ある種の価値観を自分に教えてくれた愛しいレンズ。
これは危険な香りのするレンズだ。
別れたけれど好きだった。そんな自分だけの大切な思い出に残るような気持ちにさせてくれる。
そしてもう忘れるべきなのだ。そうしないと....。
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