ZD 35mm/F3.5 Macroを使ってみる
フォーサーズ専用の換算70mmのマクロレンズである。
このレンズは中古で手に入れたが、あまりの軽さに本当に性能は大丈夫であろうかと不安にさせられたブツでもあった。
自分の経験上、マクロレンズは比較的重く感じることが多かったので、このレンズにはいい意味で期待を裏切られた。
いや、本当に値段・重さの割にかなりよく写る。
全体的にプラスチッキーで、品番もエンボスされたプレートなどと気の利いたものはなく、ただのシールで済まされている。
しかしマウント部は金属製で、拘るべき所はちゃんと手を入れてある。
ピントリングはキヤノンのコンパクトマクロを彷彿させるほどにスカスカで、使う人を選ぶ可能性があるが、自分的には好きなリング感覚である。
重量は165g。サイズは71x53mmであるから、サイズの割にかなり軽量であることが分かる。
最短撮影距離は14.6cm。最大撮影倍率は1倍、つまりは等倍マクロである。
それではいつものイヌの置物を使ってテスト撮影してみる。
被写体までの距離は2m。
ボディはE-30、ISOは160、WBは太陽光に設定した。
【テスト撮影】
フォーサーズでは35mmは換算70mmレンズとなってしまう。
しかもボケはF7.0相当だ。
しかし、これだけ軽量であっても開放から結構使える解像度を持つ。
安くて軽くて写りが良いという三拍子揃った某牛丼店のキャッチフレーズのようなレンズである。
最短距離撮影は等倍撮影になってしまうため、実写で確認していただきたい。
【実写と感想】
このレンズは今も職場でE-620に取り付けて時折仕事で使っている。
換算70mmマクロは応用が利いて守備範囲はかなり広い。
なんと言っても、E-620と組み合わせた軽量なシステムというのがスバラシイ。
だが欠点もある。
このレンズはAFを前提として作られているためか、マニュアルフォーカスでの撮影がやりにくい。
伸びる鏡胴に撮影倍率が印字してあるが、倍率を固定しておきたくてもちょっとしたことでAFが働いてずれてしまう。
完全にMFでやればいいのだろうが、AFも結構使うので切換がメンドウなのだ。
さらにファインダーも小さく、MFでピントを合わせるのは至難の業であった。
その点、キヤノンやニコンはMFの切換が簡単で、ファインダーによるピント合わせも実用的なレベルであった。
結果的に、このレンズはAF専用で撮影することが多くなった。
E-620のAF精度に多少は言いたいこともあるが、ニコン・キヤノンにはない手振れ補正の効いた標準~中望遠のマクロレンズ。
この使いやすい画角に手振れというアドバンテージを持ったE-620+ZD35mm/3.5は未だに他社に変わることなく仕事上でも現役である。
さて、写りであるがSTDレンズとはいえ非常に良く写る。
AFの遅さは愛嬌であろう。
接写であればボケもキレイで、開放から使えるZDレンズの質の高さを良好なコスパで十分に堪能できる。
このレンズの上にはZD ED50mm/F2.0Macroがあるという。
数あるサイトでも100mm換算のこのマクロレンズは絶賛の嵐だ。
フォーサーズレンズを新規購入することのない自分にとっては、今後出会うことのないレンズではあるが、一度はその高品質な画像を見てみたかった。
フォーサーズでオリンパスは本当に面白いレンズをいくつも作った。
現時点でのオリンパスマイクロに於いて、私が興味を引くM.ZDレンズはまだ少ないが、いつの日にかきっとオリンパスらしい素晴らしいレンズを発表してくれることを期待している。
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