Voightlander APO-LANTHAR90mm/3.5SL2を(E-5で)使ってみる
フォーサーズには優れたレンズが多い。
望遠域で有名処だとコンパクトなZD ED50-200mm/2.8-3.5SWDというのがある。
しかしコンパクトとはいえ1kg近い重量にテレ端ズーミング時に伸びる鏡胴、若干クセのあるボケなど自分的なこだわりに対していくつかの不満があるレンズなのだ。
そこで、さらに軽量コンパクトな単焦点であるアポランター90mmにその代替がつとまるかどうか試してみようと思う。
メインマウントであるキヤノンの望遠域が充実しているために、フォーサーズは換算180mm域まででも大丈夫かなと考えてのことである。
APO-LANTHAR90mm/F3.5SL2(Ai-Sタイプ)。
重量320g、サイズは63x48.2mmと換算180mmレンズとして考えれば軽量コンパクト。
近接撮影に優れ、最短撮影距離は50cm、最大撮影倍率は0.28倍である。
フィルター径はコンパクトな52mm。
当然ながらAFは効かずにMFとなる。
レンズはニコンマウントなので、ボディのE-5に取り付けるためにはフォーサーズアダプターをかます必要がある。
以前マクロプラナーを付けるために使用していたニコン・フォーサーズマウントアダプターを探し出してくっつけた。
このレンズもZD ED50-200mm/2.8-3.5SWDと同様に鏡胴が伸びる。
ただし、単焦点なのでフォーカシング時に伸びるのだ。
無限遠時にはレンズ全長が最短になり、近接撮影時に最大となる。
ま、これだけコンパクトなのでこの程度の伸びならば仕方のないことであろう。
それではぽん太郎君にご登場願う。
被写体までの距離は2mに設定。
ボディはE-5、ISOは200、WBはAUTOであった。
【テスト撮影】
換算すると180mmの望遠域になるので、開放からF22まで撮影して背景の変化を見てみた。
フォクトレンダーらしく開放ではコントラストが落ち、解像度も若干低いようだ。
しかし少し絞ればコントラストと解像度は改善してくる。
F22まで絞ると派手な色調になってちょっと焦る。
【最短距離撮影】
近接撮影はキレイにぼけている。
素晴らしいボケというわけではないが、換算180mmという望遠域と近接50cmという条件が上手にボケを生み出している感じだ。
50cm域でも解像度は十分であろう。
【実写と感想】
このレンズとZD ED50-200mm/2.8-3.5SWDを比較する事が間違っていた。
開発コンセプトが根本的に異なっていたのだ。
Olympus E-5+Voightlander APO-LANTHAR90mm/3.5SL2
アポラン90は接写やポートレイトなど、気軽にボケを楽しむために作られたレンズであろう。
風景撮影などで景色のあの部分を切り取って....、とZDレンズの感覚で考えて開放撮影するとコントラストの問題でイメージした写真が撮りにくいかも知れない。
Olympus E-5+Voightlander APO-LANTHAR90mm/3.5SL2
もちろん三脚に据えて十分に絞り込めば、濃厚な色合いの風景撮影も可能である。
回折現象を気にせずにF22まで絞り込むと派手な写真が撮れて面白い。
しかしフォーサーズの利便性は開放から使えるZDレンズ群にあり、手軽に手持ち撮影ができることにあるだろう。
Olympus E-5+Voightlander APO-LANTHAR90mm/3.5SL2
これはアポラン90が使えないレンズというわけではない。
ボケを生かせる被写体を選ぶことができれば素晴らしいレンズである。
ただ、SHGやHGクラスのレンズの解像感を等倍でじっくり鑑賞される方は、このレンズはお勧めでない。
なんと言っても実売3万円台のレンズなのだ。
Olympus E-5+Voightlander APO-LANTHAR90mm/3.5SL2
ボケにくいフォーサーズでMFを楽しみながら気軽にボケを楽しみたい人にはうってつけのレンズだと思う。(要マウントアダプター)
高価なZD150mm/2.0など狙わずに、寄れて面白いほどにぼかすことができる。
Olympus E-5+Voightlander APO-LANTHAR90mm/3.5SL2
自分としては、代替レンズとしてしばらく使ってみようと思う。
私は風景写真で切り取って云々という使い方はあまりしない。
どちらかというと望遠レンズはぼかすために使うことが多いからだ。
もう少しZD ED50-200mm/2.8SWDは手放さないで所持しておこう。
少し様子を見ていこうと考えている。
でもこのレンズ、ニコンで使ってみたくなってきた。
今度D700でもチェックしてみよう。
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