ライカS2の高感度
普段使いにこの一眼が使えるのか。
その肝となるのが高感度性能である。
以前、フィルムカメラを使っていた頃はそのフィルムを使い切るまでその感度に付き合わされた。
昼間に感度100のフィルムを半分以上残したまま夜半に撮影する状況に陥ると、ブレ写真を乱発する羽目になることが多々あった。
フィルム本数には限りがあるため、途中で交換すればそのフィルムはもう使えない。
もったいないという気持ちから、暗くなっても使い切ってない低感度フィルムをそのまま使用してブレ写真を量産するのは毎度のことだった。
あれからどれほどの歳月が流れたのか。
なんとISO値は1枚ごとに自動で設定され、機種によっては高感度撮影もISO6400程度ならばノイズはあまり目立たない。
すごい時代になったものだ。
有り難い事だと感じながらライカS2の高感度テストを施行してみた。
S2のISO値が1250までしかないことに若干の不安を感じながら。
被写体はいつもの猿の置物と時計である。
ところで先日に猿の置物の右腕がもげてしまった。
数年前にスタッフが落としたときに折れてしまい、その後に強力接着剤で固定させておいたのだが再び取れてしまったのだ。
もういいです。このままにします。
さて、デフォルトのISOは160であるのだが、320、640、1250、それに臨時用に80とが設定されてある。
F値は8.0に固定し、ISO値を各数値で撮影していった。
上が全体像、下がトリミング像である。
プロの目からすれば厳しいものになるかもしれないが、自分的にはISO1250でも全然問題ないレベルだ。
最初液晶で見たときには違いがよく分からないくらいだった。
黒い被写体になるとISO1250で若干カラーノイズが見られるが、この程度ならば普通にガシガシ使おう。
解像度の低下も殆ど分からない。
ここまで優秀ならISO2500まで行けたのではないかと思うが、きっとこれを超えると急激に画質が劣化するのかもしれない。
それともプロ機という事で、ノイズや解像度にはシビアに設定してあるのだろうか。
妥協する閾値が全然違うのには驚かされる。
【まとめ】
プロの必要としているレベルが分からないので主観的な事しか書けないが、S2は相当特殊なカメラと思われる。
高感度にまだ余裕があるのにISO1250で打ち止めである。
とりあえずや、臨時用に、といった補助的な高感度設定は無いのだ。
「ISO1250」、ここまでである。
その代わり画質には文句は無い。
ただ昼間はいいが、夕方以降になると手持ちが厳しくなってくる。
Leica S2+Leica Summarit S70mm/2.5ASPH.
3750万画素のセンサーを扱うには若干心許ないISO値ではあるが、これがプロ機というものなのだろうか。
私のようなド素人が覗き込んではいけない世界を僅かだが垣間見てしまった気がする。
だが、非常に使いやすいカメラなのだ。
ライカS2は恐ろしいカメラだ。でかいのに持ち出したくなる。
さて、次回はライカが初めて自社で作り上げた一眼搭載型位相差AFの性能についてを書いてみたい。
中央一点のみのAFポイント。
余計な球は一切使わないストレートのみの直球勝負。
この清々しいまでのAFはいったいどういうレベルなのか。
乞うご期待。
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コメント
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ライカの高感度性能楽しませていただきました。
たぶんもっと高感度に振ることもできなのでしょうけども、そこで止めておくというところに好感が持てます。
それで不足なら手持ちはするなということなのでしょうかね。
さすがです。
投稿: 林 孝信 | 2011年9月26日 (月) 12時11分
どうやらそのような感じですね。
そしてより低感度でのスタジオ作品を作るならば、CSレンズを用いて高速シンクロのストロボをたいて下さいということなのでしょう。
屋外を含めた一般使用という前提ならば、幅のある露出時間を設定できる廉価な(と言っても高価ですが)FPSレンズで充分なのでしょうね。
投稿: ちぇりた | 2011年9月26日 (月) 19時33分