ライカS2のAF精度とファームアップ
ライカS2のAFは一眼型デジタルカメラでは初となる自社開発のものが搭載されている。
しかも測離点は中央一点のみで、一般的な一眼デジカメに搭載されている多点型とは一線を画する設計だ。
これは合焦精度を高めるためと言われているが、実際に計測してみようというわけだ。
測定器は以前購入したスパイダーレンズキャルを使用した。
計測方法にはレンズの焦点距離云々とあるようだが、ド素人のブログなのでその辺りはアバウトに計測した。
S2にSummarit S70mm/2.5ASPH.を取り付けて、約1mのところにレンズキャルを設置し、一回のシャッターごとにピントリングを無限遠に戻してから再びシャッターを切るようにする。
シャッターは全押し状態でピントが合い次第切れる状態にしておき、トータルで10回シャッターを押した。
細かい数値は後述するとして、平均値として-0.25となった。
僅かに後ピンである。
ライカS2にはレンズ微調整機能はついていないため、調整は必要な場合は代理店に送りつけねばならない。
しかし、僅か-0.25程度ならば私の使用範疇であれば全く問題ないレベルであろうと考えられる。
凄まじいのが各測定値の数値である。
殆ど-0.2と-0.3で行き来している状態である。
バラツキが極めて少ないのだ。
因みにSD1では1.0単位の目盛りを前後するほどAF精度は低かった。
微調整されるのであれば、ライカS2のAF性能はプロの使用にとっても全く問題ないレベルであると考えられる。
さて、このライカS2とSummarit S70mm/2.5ASPH.は最新のファームアップが施されている。
先日にボディとレンズをアップデートしたばかりなのだ。
その後にAFチェックをしている。
購入時間もない頃に、実はファームアップしてない状態でのAFチェックをしてあったのだ。
ここにそのデータを出して比較してみる。
分かりにくいとは思うが、後ピンや前ピンとかなりのバラツキが見られる。
平均値は-0.37とファームアップ後より僅かに悪い程度だ。
しかしこの数値と、ボディ・レンズをファームアップした数値をグラフ化して下に表してみた。
どうであろう。
ここまではっきりとファームアップ後との比較が出るとは思わなかった。
これは冗談ではなく、実際の計測値を正直に取ったものである。
まあ、各々僅か10回程度の計測でしかないので、信憑性が高いかと言われれば微妙かもしれない。
だが、SD1の時のようにハッキリと結果が出ないファームアップよりは素晴らしい。
Leica S2+Leica Summarit S70mm/2.5ASPH.
スパイダーレンズキャルを用いた比較がSD1しかないのが残念であるが、それを踏まえても位相差AFでこれだけの誤差にまとめ上げたライカのAF性能は極めて優秀であると考えられる。
ライカS2を持っている人ならば、最新のファームアップはおすすめであろう。
ただ、ファームアップ以前に普段使いとして使用していたS2の写真は、敢えてピントが弱いと感じた事は一つもなかった。
Leica S2+Leica Summarit S70mm/2.5ASPH.
ライカS2中央一点のAFポイント。
これだけ正確なのであれば、シャッター半押し+フレーミングで殆どのシチュエーションは対応できるであろう。
このレンズでcos誤差が気になった事はまだない。
次回は動きものについて書いてみたいと思う。
一点もののAFポイントでどこまで動体について行けるのか。
ライカS2の限界に挑戦してみたい。
« M.ZD14-42mm/F3.5-5.6IIR(実写と感想) | トップページ | M.ZD45mm/1.8(テスト撮影) »
コメント
« M.ZD14-42mm/F3.5-5.6IIR(実写と感想) | トップページ | M.ZD45mm/1.8(テスト撮影) »
さすがライカのAF制度はよくできていますね!!
森の写真ですが、影の部分がきちんと描写されていて、普通のカメラとは違うなあと思います。
素晴らしいと思います。
投稿: 林 孝信 | 2011年9月27日 (火) 10時10分
中央一点だからこその成せる技なのかも知れません。
ズマリットというF2.5のレンズもその要因の一つでしょう。
慣れれば半押しフレーミングも楽でいいですよ。
最近ではマイクロフォーサーズでも、ついそればっかりやってしまいがちです。
投稿: ちぇりた | 2011年9月27日 (火) 21時10分