マイクロ最強の標準ズーム
実用性があるかどうかは別にして、純正マウントにこだわらず現時点で最強の標準ズームと言ったらコレしかないと思う。
今が熱いオリンパス社謹製のSHG標準ズーム、ZD ED14-35mm/2.0SWDだ。
開放F値2.0を誇る唯一無二の標準ズームで、35mm換算では28-70mm、最短撮影距離35cmと申し分ない性能を有する。重量900gは別にして。
オリジナルがフォーサーズマウントなために純正とはいかないが、マウントアダプターを取り付ける事でマイクロボディにてAFを作動させる事が出来るのだ。
フォーサーズボディならばSWDの高速AFを堪能できるが、マウントアダプターを介してマイクロボディに取り付けるとSWDとは名ばかりの普通なAFレンズに成り下がる。
しかも無限遠から最短距離までの合焦まで数秒を要する。
それにスムースなAF移動でなく、ココココ....と微調整しながら合焦するのだ。
やや苛つくかも知れない。
マイクロボディの中でもやや大柄なGH2ですらこのサイズだ。
ソニー製ミラーレスに見られるような、ボディの高さよりレンズ幅の方が大きいアンバランスなデザインとなる。
しかし、現時点でF2.0通しという信じられないような明るいズームをマイクロで楽しむにはこのレンズしかない。
惜しむらくはEVFを介するために、フォーサーズの光学ファインダー越しに見せつけられた驚愕の「ズームのくせに明るい像」の感動を得られない事か。
巨大で重いズームレンズなために、ボディだけ片手で持ってウロウロするのは危険だ。
しっかりと両手でホールドするのが吉であろう。
負荷がかかっているマウントにあまりいいことない感じがする。
ではGH2に取り付けたこのZD ED14-35mm/2.0SWDの実写をいくつか。
Panasonic DMC-GH2+Olympus ZD ED14-35mm/2.0SWD
ゆったりとしたフォーカシングがなされるので撮影ペースもそれなりになっていく。
当然走り回る子供達などは非常にキビシイ。
だが、それはフォーサーズボディでも同じ事が言えてしまうだろう。
C-AFを使いこなすならばキヤノンかNikonが無難だ。
Panasonic DMC-GH2+Olympus ZD ED14-35mm/2.0SWD
ただ静物や歩行する程度の人物ならばこのレンズでも問題ない。
開放から使えるF2.0を生かして、このズームレンズでも十分ぼかす事は可能だ。
ただ、たまにフォーカスを外したまま合焦LEDが点灯するのがよろしくない。
Panasonic DMC-GH2+Olympus ZD ED14-35mm/2.0SWD
GH2という手ぶれの付いていないパナソニックボディでも、F2.0のシャッター速度を利用して手ぶれを極力防ぐ事も出来る。
もちろん、オリンパスボディを使えば手ぶれ補正の恩恵を得る事は出来るだろう。
Panasonic DMC-GH2+Olympus ZD ED14-35mm/2.0SWD
だが、このズームレンズを使うにはカメラのボディサイズが問題だ。
小さすぎるオリンパスのボディでは、ズームリングをうまく回す事が出来ない。
レンズをホールドし、ボディを回した方が手っ取り早く感じるほどだ。
ZD ED14-35mm/2.0SWDをマイクロボディで実用的に使うには、GH1やGH2といったグリップがしっかりしたホールディングの良いボディを選び、しっかりとグリップを握りながらズームリングを回す必要がある。
結論から言えば来年登場するパナソニック製の大口径標準/望遠ズームのF値がいくつになるかでこのレンズの価値が決まる。
標準ズームとしては極めて完成度の高かったZD ED14-35mm/2.0SWD。
本来ならばフォーサーズで楽しみたかったレンズであるが、オリンパスが新規レンズを開発しないのであればフォーサーズは死んだも同じである。
しかもあのオリンパス事件により、カメラメーカーとしても今後かなりのダメージを受けるであろう。
私がこのレンズをいつまで所持しているかは分からないが、オリンパスが本気で作り上げたこのゴージャスな標準ズームは驚くべき性能を秘めている。
おまけにGH2で撮影したこのレンズの最短距離撮影の画像を付けておく。
いいレンズだったなあ。
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