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2012年2月10日 (金)

金環日食な日々 5/とりあえず月を撮ってみよう

新製品ラッシュがあったので、ちょっと間が出来てしまったが前回の続きである。

EFレンズにEOSを取り付けた普通に使える換算670mm望遠と、
EFレンズにミラーレスを取り付けた使い勝手のやや落ちる換算840mm望遠の、
三脚による月撮影の比較である。

三脚は2種類ある。
使い勝手の良いやや華奢なGITZO三脚」と「使い勝手の悪い剛健なRRS三脚」だ。

月撮影は昔からISO100、絞りはF11、シャッター速度は1/125と決めていた。
なのでこれを基準にして比較する。

20120210a1 20120210a2

ここで重要なのがEFレンズは、電気接点に通電がない状態では絞りは開放の状態のままである。
つまり接点のないマウントアダプターを介するマイクロ機の場合では、常に開放で撮影せねばならなくなる。
絞りリングがないのでそのような状況になってしまうのだ。
そのため、この絞りを変えた状態のまま維持しておく必要がある。

20120210b

EOSボディには絞り込みボタンがある。
本来はシャッターを押した瞬間だけ絞りが変化するのだが、ダイヤル操作のあと、この絞り込みボタンを押している間はレンズの絞り具合の変化を視認できるようになっている。
ファインダーで実際に暗さを確認できるようになるのだ。

20120210c

だが、絞り込みボタンから手を離したり、電源を切ったりすると絞りは再び開放のポジションに戻ってしまう。
そこで電源を入れた状態で、絞り込みボタンを押しながら、レンズロック解除ボタンでレンズを外すと、レンズの絞りはその状態で維持されたままになる。

20120210d2 20120210d1

まあレンズの絞りに負荷をかけているかも知れないので、長時間このままというのはよろしくないだろう。
撮影が終わったらもう一度EOSボディに付け直して電源をON/OFFして、レンズの絞りを戻せばよろしい。

20120210e

ミラーレスで撮影する場合は、上記の方法で絞りをF8.0に固定してテレコン1.4xを取り付けた。
これで約F11になるはずだ。

さて、話が少し脱線したが早速テスト撮影を行う。
固定は三脚座の一点固定。
ISO100、F11、1/125secで行う。
ただし、GH2はISOが160からスタートなので、ISO160、F11、1/160secとしておいた。

全体比較は前回の冒頭に出してあるので、今回はトリミングした拡大画像のみを出す。
まずはGITZO三脚から。
手押し撮影、レリーズ撮影、ミラーアップ撮影と行った。
左がEOS、右がGH2である。

GITZO三脚

手押し
Img_7151g1h P1040342g1h

レリーズ
Img_7150g1r P1040341g1r

ミラーアップ
Img_7152g1mu Back3x2

ここで分かりやすいようにまとめておいた。
クリックで拡大される。

GITZO三脚による震動の比較

20120210g1

ハッキリ言ってEOS7Dを使ったGITZO三脚はミラーアップを含めて全滅だ。
ただ、ミラーアップ撮影は、ミラーを跳ね上げてからすぐに撮影してしまったので共振が残っていた可能性があり、ミラーが落ち着けば安定した画像が得られたのではないかと思われる。
GH2は指によるシャッターでこそブレが認められるが、レリーズでは問題ない。

次にTP-243のRRS三脚。
同じように手押し撮影、レリーズ撮影、ミラーアップ撮影と行った。
左がEOS、右がGH2である。

RRS三脚(TP-243)

手押し
Img_7167r1h P1040331r1h

レリーズ
Img_7166r1r P1040341g1r_2

ミラーアップ
Img_7168r1mu

こちらも分かりやすいようにまとめておく。
クリックで拡大される。

RRS三脚による震動の比較

20120210g2

がっちりしているRRS三脚では、EOS7Dで指によるシャッターでこそ、僅かなブレが認められるが、意外にもレリーズでは目立ちにくい。等倍でこそブレが分かるが、ギリギリ許容範囲だ。
当然ミラーアップにブレはない。
GH2はレリーズ撮影に何故か若干のブレが見られるが、指では問題ない。
誤差であると考えられる。ひょっとしたら順序を間違えているだけかも知れない。

やはりRRSの方が安定性は極めて高い。
ただ、全高の低いRRS三脚の場合、EOS7Dでは這うようにしてファインダーを覗き込まねばならず、使い勝手は悪い。
GH2にはバリアングル液晶が付いているために、RRS三脚でも使い勝手に問題は少ない。
シートを敷けば楽な体勢で撮影を行うことが出来るのだ。

20120210h2

しかし、GH2を使用した場合は800mmをオーバーしており、ミラーレスとはいえ震動の対策にはかなりの神経を使う必要がある。
何よりレンズ・ボディの接合部が多いため、照準を合わせるのにレンズ本体を掴んで行わねばならない。
画角が狭い分、月(太陽)を探す上で慣れが必要そうだ。
それに相手が太陽となると照準を付けやすくするドットサイトなどは使えない。

だらだら書いても分かりにくいと思うのでそれぞれの長所短所を簡単に書いておく。

【EOS7D】
・使い勝手・照準の付けやすさはさすが純正である。
・600mmオーバーはミラーアップ撮影が必要。
・ミラーアップ直後に撮影すると共振が残っているためかブレを起こしやすい。
・DSLRにとって使い勝手の悪いRRS三脚の方が安定性は高い。

【DMC-GH2】
・ブレの少なさはさすがミラーレス。
・800mmオーバーとなるため、ミラーレスとはいえブレが起きやすい。
・アダプターを介した場合の絞りの変更が面倒、且つ強度的・精度的な不安がある。
・強度的な不安から、ホールド部位など細かい照準を合わせるのに苦労する。

このように帯に短したすきに長しといった感じで、どの三脚でどのカメラが良いかというのは選びがたい。
まあ、好みの問題もあるだろうが、現時点では決めかねている。
GH2からテレコン1.4xを外すという手もあるが、600mmの月は迫力にやや欠ける感じがしてしまう。
なにしろ比較が840mmなのだ。

ハッキリ言ってしまうと、今ある機材の中だけでチョイスすれば、ブレの観点や三脚の使いやすさだけから言えばミラーレス+廉価三脚がベストだろう。
だが、もう少しだけ突き詰めてみたい。

20120210f

今回のテストで最も問題があったと思われる箇所は、レンズ雲台の接合部だ。
GITZO三脚で顕著に見られたが、剛健なRRSの三脚でさえ僅かにある。
この部分をどうにかしないと、これ以上の改善の余地は見られないだろう。

ここが一点だから問題があるのではないだろうか。
レンズはシーソーや弥次郎兵衛と同じく支点で支えられている。
この支点の数を増やせば安定性が増すのではないかという事だ。

つまり接合部を2点、3点と増やせばいいのではないかと言う事である。
というわけで、次回は秘密兵器を持ち出して、より安定性が高くブレの少ない撮影が出来るのかをテストしてみようと思う。

1.プロローグ
2.アクセサリー
3.DSLRの震動
4.ミラーレス
5.三脚と雲台
6.とりあえず月を撮ってみよう
7.秘密兵器
8.秘密兵器の効果
9.太陽撮影の準備
10.太陽撮影とシャッター速度
11.解像度をもう少し
12.エピローグ
13.番外編

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