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2012年2月

2012年2月29日 (水)

金環食とインターバル撮影 2/アクセサリー

さて、初めてのインターバル撮影という事で、とりあえず何か必要なのかをじぶんなりに調べてみた。

【カメラ】

とにかく最重要なのはカメラだ。
自分の現在所持しているカメラマウントは、以下の3通りある。
この中から選ばねばならない。

マイクロフォーサーズマウント
*Panasonic DMC-GH2
*Panasonic DMC-GX1

キヤノンEFマウント

*EOS7D
*EOS5DmarkII

ライカSマウント
*Leica S2

GH2はすでに望遠レンズに使用するため除外する。
ここで大切なことが、インターバル撮影に対応しているかという事だ。
場合によってはトリミングも考慮するため、極力画素数は大きい方が良い。

20120229a_4

できればライカS2を選びたかったのであるが、インターバルモードが本体にもリモートレリーズにも存在しないため選択から外れた。残念である。

20120229b_2

マイクロフォーサーズ機種には、サードパーティーからインターバル撮影可能なリモートケーブルが発売されている。
だが、有効画素数が1600万ほどのマイクロより、より高画素のEOS5D2を選んだ方が現実的であろう。

20120229c_2

EOSシリーズならば、インターバル撮影可能なリモートケーブルがちょうどある。
これでカメラは決定した。
有効画素数2100万以上あるEOS5DmarkIIである。

【レンズ】

20120229d

次にレンズだ。
カメラがキヤノンに決まったので、レンズは必然的にEFレンズとなる。
画角は後日決めるとしても、あまり広角を選ぶと太陽が点にしか写らないのでそこそこのレンズを選ぶ必要があるだろう。

トリミング前提で考えたい。
隅角部に収差が目立つようであれば、場合によってはキヤノンの純正編集ソフトDPPをつかうこともあり得る。
上手い具合に所持するのは高品位なLレンズばかりである。

【三脚と雲台】

20120229e

定点撮影するため、コレは絶対的に必要だ。
ただ、GH2のように800mm越えの超望遠撮影をするわけではないので、それなりのレベルで大丈夫だと思う。
ただ、それなりのといっても、GH2で一台使っているので残りは一つしかない。

GITZOのGT1541TトラベラーとRRSのBH-40である。
まあ、その辺も十分実用可能か、これから検証していくつもりだ。

【NDフィルター】

20120229f

今回は日食撮影なので、望遠同様NDフィルターが必要になる。
だが、最新のND100000は望遠レンズに使用しているので、今回のインターバル撮影には過去の皆既日食に使用したND10000のモノを用意した。

【動画編集ソフト】

20120229g

要は上記カメラで撮影したデータを動画にまとめ上げるソフトだ。
メジャーどころだと、AdobeのAfter Effectsなどがあるようだが、値段を調べて瞬間的に却下した。

動画はあくまで天体撮影の一環であるから、コレがメインになるわけではない。
なので、お安いところのPremiere Elementsにした。
本当はフリーソフトでも良かったくらいであるが。

さて、とりあえずはこんなところだろうか。
他にも必要なモノが出てきたらその時に調達しよう。

まったく何も分からない手探りの状態から始まるインターバル撮影であるが、ちゃんと最終回が迎えられるか猛烈に心配になってきた。
なにしろ、ココログへの動画のアップの仕方さえ分からないのだから。

さて、どうなることやら。



1.プロローグ
2.アクセサリー
3.レンズはどれだ?
4.シャッター速度

2012年2月28日 (火)

スマートフォン

実は昨年の秋からずっと手元に携帯がない。
昨年の早慶戦に行ってから、携帯電話が見つからないのだ。
絶対に自宅にある筈なのは分かっているのだが・・・・。

20120228c

友人とのやりとりはPCメールでなんとか凌いでいたが、今度のスキーに行くに当たって携帯がないと、もし何かあったときにどうにもならなくなるので新調することに決めた。
家族からもいい加減に携帯をなんとかしてくれとクレームがつき始めていたのだ。

私は携帯には全く無頓着なので、電話機能だけでも十分だと思っている。
付加価値で必要なのは防水機能だけである。
なので相談に乗ってもらった知人にスマートフォンを勧められても、外に出てまでもネットを使おうとは思わんよと答えていたのだ。

だが、友人の一言でその考え方をひっくり返された。

「ソフトバンクならSTAR 7という惑星カラーの防水スマホがあるよ」

それは本当かね?
自称プチ天文ファンである私としては確認せずにはいられない。
早速、手元のノートPCでソフトバンクのサイトを開いた。

20120228b

本当だ。
ホワイトお父さんがロケットに乗って無重力を楽しんでいるCMがあったが、この機種もそれの一環らしい。

惑星カラーに微妙さはあるモノの、せっかくこのちぇり小屋ブログも天文系の記事が増えているため、このスマートフォンにその場で決定する。
驚く友人を引き連れて、近所のソフトバンクショップへと赴いた。

色はその場で見て決めようと勇んで出かけてきたが、今在庫である色は土星のサタンブラックのみだという。
残念である。が、コレも何かの縁とサタンブラックで即決した。
横で目を丸くしている友人だって、パナソニックのDMC-G3を一瞬で決めたのだ。
お互い様である。

20120228a

というわけで初めてのスマートフォンだ。
妙に箱が小さいと思ったら、マニュアルは携帯を通じてネットで読めと言う事らしい。
今時の携帯である。

20120228d

はあ、良くできている。
実用的なレスポンスで、ストレスも殆どかからない。
スマートフォンがよく売れるわけだ。

20120228e

サタンブラックだったので裏面は真っ黒だ。
カメラも付いているが、500万画素程度なので非常用かなと思ったが、考えてみればOlympusのE-1と同じ画素数なので、とりあえず一目置いておこう。

20120228f

あまりにもカラーが無機質すぎるので、ショップでガワも購入した。
前の携帯カラーが気に入っていたので、少しでも近いようにと赤を選んでみた。

20120228g1 20120228g2

どうであろう。
自分的には結構気に入った感じだ。
何より、表面のスベスベとは違うシルキーな感じの(ラバーコーティングと言うらしい)肌触りがよろしい。

20120228h

何処まで使いこなせるか分からないが、しばらくはスマホを使ってみよう。
スマホのカラーは、ムーンホワイトが個人的には気になっていたのであるが。

20120228i

ところで、このスマートフォンを購入したらおまけが付いてきた。
ホワイトお父さんのストラップである。

20120228j

一応、雰囲気出して撮影してみた。

20120228k

このお父さん、船外服に肉球が付いている。

2012年2月27日 (月)

金環日食な日々 /エピローグ

いよいよ、金環日食を望遠レンズで撮るこのシリーズも最終回となった。
今回は、このシリーズの総括と、追加事項を述べることにしよう。

20120227a

金環日食を撮るための望遠レンズに付けるボディは、EOS7DでなくGH2になった。
OVFだと紫外線を直視というリスクもあるが、やはり換算670mmより、840mmの方が迫力があるからだ。
もちろん、MFになってしまうため、マメなフォーカシングが必要になるだろう。
5月ともなれば気温もそれなりに上昇するため、レンズボディが温まりフォーカシングがずれる可能性が出てくるためだ。

20120227b

そこで懸案だったフォーカシング精度を高めるこのアイテムの出番となる。
液晶を覗き込むためのルーペだ。
UNのモニタリングPRO、UNX-8506。3倍の倍率を持つ。

20120227c

周囲をゴムで覆われているために遮光性は抜群で、GH2背面液晶のサイズにもぴったりに使用できる。
本体に首からぶら下げる穴が開いているために、そこにゴムを通して液晶に引っかけることで固定される。
だが、単純に輪ゴムで通しただけでは、傾斜角の強い本体の壁面を輪ゴムが常にずり落ちて使い勝手がよろしくない。

20120227d

そこで、何か利用できるモノはないかと周りを探してみると、女性が髪を束ねるために使うヘアゴムを見つけた。
太さ・強度ともに十分だ。
コレを使って利用しよう。

20120227e1 20120227e2 20120227e3

まず本体の首紐を通す穴に、廃棄処分のリード線を使ってリングを作る。
そこに先ほどのヘアゴムを通したあと、半田ごてで素早く固定する。
これで、そこそこな強度は保てるであろう。

20120227i

これが取り付けた写真である。
だが、これで背面液晶に取り付けても不安定さが残る。
傾斜角のある壁面を、ゴムがずれて移動し外れやすくなるためだ。

20120227f1 20120227f2

そこで、先ほどのリード線を使って壁面にガイドを作った。
少し余裕を持って、ヘアゴムがスムースに動きやすくするのがコツだ。
裏面はリード線の先端を曲げて外れにくくし、例の如く半田固定する。

20120227g1 20120227g2

かなり強引なやり方だが、これで固定は万全だ。
少し叩いたくらいではびくともしない。
このやり方がベストな方法とは言えないが、手軽に固定しやすい方法の一つとしてあげておきたい。

20120227j

半田固定するときは、紐も本体もゴムなので、手早い作業が必要になる。
おちおちしてると、ゴムが溶けてしまうので注意が必要である。

20120227k1

ちなみに、このルーペを取り付けて撮った黒点である。
15カット写して、ジャスピンが9枚。ピントずれが2枚。まあ使えるが4枚だ。

20120227l4

ちなみに全て開放で写してある。
いつものF11まで絞ったら、さらに使えるピントは増えるであろう。
GH2との使いやすさも相まって、日食撮影には手放せないアイテムになってしまった。
本当にいいですね、コレは。

20120227h1

他にも、座りながらの撮影が可能という長所もある。
まさにバリアングルならではのものだ。
コンパクトでありながら、強靱なブレ抑制機能を誇る日食撮影システム。
赤道儀がないので、マニュアルで太陽を追いかけねばならないのが唯一の欠点か。



もう一つ改良された箇所がある。

20120227m

RRSのカメラサポートバーの3支点目のY字型ホルダーの全景だ。
これを端で支えているカメラバーの長さは調節出来ない。
このままY字型ホルダーを上に固定して支えようにも、レンズの長さが僅かに足りなかった。

フードを伸ばせば支えることができるのだが、そうするとフィルターネジが引っ込んでしまうため、フィルターホルダーが取り付けられなくなる。
また、無理にフィルターホルダーを取り付けると、今度はY字型ホルダーが干渉してしまい、クランプ固定できなくなる。
非常に厄介なカメラバーの長さだったのだ。

20120227m1 20120227m2_2

今まで3番目の支点に関しては、単純にフードを支える状態で使用していた。
太陽を撮影するときはフィルターホルダーを装着せねばならないため、やむを得ず干渉するY字型ホルダーの前後をひっくり返し、辛うじてフード外縁を支えながらの撮影をしていたのだ。

だが、フードは基部のみをテープで固定されているため、支えている先端外縁部に関しては中空になっていることから、安定性が非常にイマイチであったのだ。

そこで、ステップアップリングを少し応用して、ダイレクトに固定させることに決めた。

20120227n

これは幅20mmのメタルフードだ。
このメタルフードはΦ77mmのフィルター枠に取り付けられ、フード先端には82mmのネジの切り込みが入っている。
つまり幅が20mmの77-82mmメタルフード兼ステップアップリングとなる。

20120227o1 20120227o2

ここにY字型ホルダーを支えるようにセットすれば、フードはレンズ本体に直結されているため、がっしりと固定できるというわけだ。
長さも申し分ない状態である。

20120227p

こんな感じで来たる5月21日の金環日食に対処するわけだ。

最後にRRSカメラサポートバーを使うに当たってのコツがある。
全体を固定させるために締め上げるのはおそらく全然問題ない。
締め付け圧のかかる順番さえ間違えなければ、アバウトにできる。

20120227q

問題は一番最初の三脚座やカメラ本体に「プレート」を取り付けるときだ。
歪めて取り付けてしまったら全てが歪む。
僅かな誤差であれば問題はないと思うが、ここに関しては神経を使ってガッチリとプレートを中心線に固定していただきたい。

さあ、あとは本番を待つのみだ。
ひょっとしたらカメラがGH2からOM-Dに変わってしまうかも知れないが・・・・。

1.プロローグ
2.アクセサリー
3.DSLRの震動
4.ミラーレス
5.三脚と雲台
6.とりあえず月を撮ってみよう
7.秘密兵器
8.秘密兵器の効果
9.太陽撮影の準備
10.太陽撮影とシャッター速度
11.解像度をもう少し
12.エピローグ
13.番外編

2012年2月26日 (日)

EF 100mm/2.8L Macro IS USM(テスト撮影)

とある計画の候補3レンズのうち、最後のレンズである。

20120225b

EF100mm/2.8L Macro IS USM。
キヤノンシステムに戻ってきた理由に、このレンズがある事だった。
(それに50mm/1.2Lも理由の一つであるが)

このレンズは角度ブレだけでなく、シフトブレにも対応している新世代のImage Stabilizerが搭載されていることだ。
このハイブリッドISとも言われている手振れ補正は、まさにマクロ撮影時に無類の強さを発揮するという。

625gとサイズの割に思ったより軽く感じる。
フィルターサイズも67mmと比較的小さいので、私の持っている5本のEFレンズの中では最もスリムなレンズである。
そのためか、ホールド感はよろしい。マクロ使用では圧倒的な使いやすさを誇る。

Pon3

それではイヌの置物であるポンちゃんをテスト撮影する。
被写体までは2mに固定。
カメラボディはEOS5D2、ISOは100、WBはAUTOに設定し、各絞り値で撮影を行った。

【テスト撮影】

F2.8 2m
20120225a1

F5.6 2m
20120225a2

F11 2m
20120225a3

開放からコントラスト・解像度ともに問題なく使えるレンズだ。
さすが、最新世代のマクロだけある。

ボケも僅かに硬さが見られる感じもするが、比較的綺麗で気になるレベルではない。
この軽さにハイブリッドISの付いたマクロ機能があれば文句はありません。

【周辺画像:トリミング】

中望遠レンズなので、テスト撮影写真からいい周辺部を見つけることは困難なので、遠景を撮影しておいた。

20120225c1

F2.8 トリミング
20120225c2

F11 トリミング
20120225c3_2

さすが中望遠レンズと言ったところか。
開放でも収差は殆ど見られない。

F11では低速シャッターのためか被写体が風でぶれてしまっている。
仕方のないことであろう。

このレンズならば例の計画にも問題なさそうだ。

【最短距離撮影】

これは等倍マクロなので、ポンちゃんを写す意味があまりないため、後日の「実写と感想」にて、写真と意見を書いておきたい。

やはり睨んだとおりこのレンズは優秀だ。
ここ数日EOSをガンガン使っていたら、マイクロフォーサーズより撮影が面白く感じてしまった。
やはりDSLRはミラーがあるから「撮った」という実感がわくようだ。

しかし、もう少しキヤノンのシャッター音がどうにかならないモノだろうか。
もちろん上位機種になればシャッター音も満足行くものになる。
だが、Nikonに比べて中堅機種の音があまりにも・・・・。
なぜかKissの方がいいと思えるから不思議だ。
考えてみれば、以前Nikonシステムに変えた理由の一つがシャッター音だったことを思い出した。

いい加減にしておかないと輪廻のごとく繰り返されそうな予感がする。
程々な妥協が必要なのだ。

EF 100mm/2.8L Macro IS USM

スペック(APS-C機使用)
テスト撮影
実写と感想

2012年2月25日 (土)

金環食とインターバル撮影 1/プロローグ

題名からしてそのままであるが、金環日食をインターバル撮影してみようということだ。

インターバル撮影とはカメラを定点に固定し、決められた間隔で繰り返し撮影する方法を言う。
その間隔は被写体や目的に応じて様々だ。
1秒間隔であったり、5分間隔であったり、1時間間隔であったり。

20120226a
Canon EOS5DmarkII+EF Macro100mm/2.8L IS USM

今回の金環食で行うインターバル撮影の目的は、一つは太陽の軌跡をレイヤーで重ね合わせた写真を作ること。
そして、もう一つは動画を作ることだ。
要はペラペラ漫画と同じ原理で作成できる。

そのためにはインターバル撮影のコツを早く知っておく必要がある。
とりあえずは必要な道具を揃えよう。
それから試行錯誤して撮影のノウハウを得ていくのだ。

20120226b
Canon EOS5DmarkII+EF Macro100mm/2.8L IS USM

DSLRを使うインターバル撮影の猛者達からすれば、「はあ?何当たり前のことを書いてあるの?」となるであろうが、そこは生温かい目で見守っていただければと思う。

なにしろ全くの白紙である全くのド素人が、日食のインターバル撮影をぶっつけ本番でやるわけであるからして、トンチンカンな方向に進む可能性も十分にありえる。
時折、我に返って軌道修正することもあるだろう。

金環食まであと3ヶ月弱。
何処まで出来るかは分からないが、とりあえずはマッタリやっていきましょうか。

1.プロローグ
2.アクセサリー
3.レンズはどれだ?
4.シャッター速度

2012年2月24日 (金)

EF35mm/1.4L USM(テスト撮影)

昨日に続いて今日は35mm/1.4Lだ。
もちろん、コンセプトは先日と同じである。
このレンズも重要な候補に挙がっているのだ。

20120224d

APS-C機では56mmと標準単焦点の代わりに大活躍してもらったレンズだ。
30cmまで近寄れる事に加え、綺麗なボケと文句ない性能を誇っていた。
未だに愛すべきキヤノン単焦点レンズである。

Pon2

それでは早速ぽん様にご登場願おう。
ボディはフルサイズセンサーを搭載してあるEOS5D2。
被写体までの距離は2mに固定。
ISOは100、WBはAUTO、開放からF11まで各絞り値にて撮影を行った。

【テスト撮影】

F1.4 2m
20120224a1

F2.8 2m
20120224a2

F5.6 2m
20120224a3

F11 2m
20120224a4

やはりクセのない良いレンズだ。
開放からややソフトに、絞り込むと解像度・コントラストともに上昇する。
なんと言ってもバランスが良い。

フルサイズで使うと画角が異なるが、あの雰囲気を引き継いでくれている至高の一品だ。

【周辺画像:トリミング】

F1.4 トリミング
20120224c1

F11 トリミング
20120224c2

50mm/1.2Lと同様、今回の目的の一つが周辺画像にある。
これまた同様にいいポジションが見つからなかったので、適当な隅角部からサンプルをチョイスした。(ピントは度外視である)

こちらはF4.0辺りまで収差が目立つが、F5.6辺りになるとあまり気にならなくなる。
しかしF11になっても僅かではあるがそれなりに収差が確認できるため、まあ製造年相応の性能というところだろうか。

まあ、味わいとして捉えればそれはそれでアリだろう。

【最短距離撮影】

F1.4 30cm
20120224b1

F11 30cm
20120224b2

最短30cmまで寄る事が出来る。
APS-C機では56mm相当のレンズで30cmまで寄れたために無類の強さを発揮したが、今回はフルサイズセンサーなので、まあ相応かなといった感じだ。

ただし、ボケの美しさは相変わらずだ。
本当にこのレンズは素晴らしい。
このレンズのII型が出たら、是非ともこのボケの美しさだけは残して欲しいモノだ。

やはり製造年度の影響なのか、周辺画像の収差が著しい。
だが、キヤノンのRAW現像ソフトであるDPP(Digital Photo Professional)を使うと収差は取れるようだ。
だが、これ以上自分の現像ソフトを増やしても混乱するだけなので困ったモノだ。

しかし、トータル的な性能を見ればこのレンズは素晴らしいできだと思う。
NikonのAF-S NIKKOR35mm/1.4Gとで比較すると、収差や解像度は後発の分、Nikonの方が有利であろう。
だが、このEF35mm/1.4L USMはアナクロ臭い良さがあるのだ。
まあ、これは完全に嗜好の問題だと思うが。

EF35mm/1.4L USM

スペック(APS-C機使用)
テスト撮影
実写と感想

2012年2月23日 (木)

EF50mm/1.2L USM (テスト撮影)

突然であるが、キヤノンのEF50mm/1.2L USMの性能を急遽再チェックする必要が出てきた。

20120223d1

なので、いつもの「スペック」「テスト撮影」「実写と感想」のシリーズを再開するのだが、すでに50mm/1.2LはAPS-Cカメラでスペックに関してを記事にしているため、それに関しては省こうと思う。

20120223d2

私の所持しているEFレンズは、現在単焦点レンズしかない。
ズーム系はすでに処分してしまった。
理由はメインシステムがマイクロフォーサーズなので、EOSシステムはフルサイズセンサーの長所を生かしやすい大口径単焦点レンズのみに限定させたためだ。

以前の私のEOSシステムは、トータルの重量を抑えるためにEF-Sレンズを含む軽量なレンズを選定し、EOS7Dを中心としたものを作ろうとしていた。
そのため、レンズの記事は単焦点を含め全てAPS-C前提で書かれていたのだ。

だが、今後はフルサイズセンサーを搭載するEOS5D2が中心になるため、レンズ記事を書き加えることにしたい。
まあ、前置きが長くなったが、要は書き足しと言う事である。

Pon5

それでは、いつものイヌの置物であるポンちゃんにご登場願う。
被写体までの距離は2mに設定。
カメラボディはEOS5D2、ISOは100、WBはAUTOである。
各絞り値でF11まで撮影を行った。

【テスト撮影】

F1.2 2m
20120223a1

F2.8 2m
20120223a2

F5.6 2m
20120223a3

F11 2m
20120223a4

開放では若干の甘さが残るが、絞れば解像度はぐんと上がる。
さすがに開放ではビネッティングや色収差がかなり目立つ。
だが絞り込むとともに目立たなくなり始め、F2.8辺りまでは僅かに残っているのが確認できる。(周辺減光補正OFF)
色収差は細かく見れば、F4.0辺りまで被写体因っては残っているのが辛うじて分かるレベルだ。

F5.6以上では文句ないレベルに仕上がっていると思う。
いいレンズだ。

【周辺トリミング】

F1.2 トリミング
20120223c1

F11 トリミング
20120223c2

今回の記事はここを確認したかったのだ。
本来は隅角部で確認したかったのであるが、良い部分が見つからなかったので、辛うじて使える部分を周辺から持ってきた。

開放は仕方がないが、F5.6までは僅かに収差が確認できる。
F8.0では問題ないようだ。F11まで絞れば完璧であろう。

【最短距離撮影】

F1.2 45cm
20120223b1

F11 45cm
20120223b2

いや、本当に良くぼける。開放F1.2はダテでない。
開放ではコントラスト、解像感ともに若干落ちるとは言え、ある意味雰囲気を持ったレンズになっている。
絞り込めば素晴らしいレンズとなる。

子供や女性などのポートレイトレンズとして十分な性能を保持している。
こうなると、EF85mm/1.2L II USMも欲しくなるから恐ろしい。

さて、今回の記事は絞り込むことを前提としたある計画の候補レンズに上がっているための検証なのだ。
他にもいくつかの候補が挙がっているレンズがあるので、順次テスト撮影にてチェックしてみたい。
カンのいい方はもう分かってしまったかも知れないが。

EF50mm/1.2L USM

スペック(APS-C機記事)
テスト撮影
実写と感想

2012年2月22日 (水)

金環日食な日々 10/解像度をもう少し

三脚、雲台はしっかりしたモノをチョイスした。
振動防止対策もそれなりにやったつもりだ。
しかし、先日の黒点のトリミング画像からすると、今イチ解像度が微妙な感じである。

20120222b 先日のF11
Panasonic DMC-GH2+EF300mm/4.0L IS USM+Extender 1.4xIII+ND100000

これがGH2の限界なのだろうか。
それともピント合わせがまだまだなのだろうか。
はたまた、別に原因があるのだろうか。

一つ考えられる原因に小絞りボケ(回折現象)がある。
詳しい蘊蓄は省くが、要はレンズの絞りを絞るほどに、画像の繊細さが失われる現象を言う。

現在、フォーサーズサイズのセンサーが搭載されたGH2で絞りはF11を使っている。
センサーサイズからみると、かなり絞り気味にしているのは確かなようだ。
実際に小絞りボケのwikiには、某フォトグラファーはフォーサーズにおいてはF5.6がベストの絞りであると挙げている。

20120222c

となれば、実際に検証してみるのが一番である。

使用望遠レンズはEF300mm/4.0L IS USMを使っている。
レンズ自体の開放値はF4.0で、コレにExtender 1.4xIIIを装着してあるため、実際の開放値はF5.6程度となる。

では、もう一度太陽を撮影する。
F値はF11をコントロールとし、F8.0とF5.6で比較してみた。
(F値の変更方法は以前に述べた通り)
ISOは160、WBは太陽にそれぞれ固定してある。

分かりやすく太陽の黒点をトリミングした。

F11 1/200sec.
20120222d1

F8.0 1/400
sec.
20120222d2

F5.6 1/800sec.
20120222d3

・・・・。ひょっとしてF11の黒点が一番きれいなのではないだろうか。
となると、冒頭で見せた黒点写真は、小絞りボケなどの現象ではなく、ただのピンボケ写真と言う事になる。
F8.0もF5.6もシャキッとしないのはピンぼけなのだ。
対比写真を載せてみた。クリックにて拡大になる。

20120222f3

つまり、私の腕の問題だったわけだ。
言い訳にしか聞こえないかも知れないが、やはり晴れた屋外での背面液晶によるピント合わせは見づらさも相成るので、何かしらの解決法を見いださないと厳しいだろう。

まあ、開放撮影に近いと被写界深度の問題からフォーカス精度も難しくなるので、ある意味F11の撮影が一番やりやすいかも知れない。
F11の画像で、これだけ写っていれば回折現象はスルーしたい。

あとはフォーカシングの練習あるのみであろう。
ただ、NDフィルターは紫外線に弱いため、あまり太陽の露光時間を蓄積させない方が良さそうなので、太陽を被写体とした撮影よりは、暫くは遠景の被写体で練習するとしよう。

さて、背面液晶の対処法は見つかってから報告するとして、今回で望遠レンズによる金環食撮影の日々は終了となる。

だが先日、赤道儀の使用をコメントで聞かれた。
外に持ち出しての撮影になるために、赤道儀はコンパクトサイズに限定されるが、今回の使用機材ではコンパクト赤道儀に対してオーバースペックなってしまうため購入は見送ってある。

しかし、そのコメントがヒントになって別の撮影を併用して行おうと考えてみた。
定点によるインターバル撮影だ。
カメラを固定し、シャッターを切り続けながら太陽の動きを記録していく。
動画なども作成可能となる。

ただ、動画作成を前提としたインターバル撮影は初めての経験なので、これまた試行錯誤でやっていくことになるだろう。

というわけで、金環日食な日々は次回を持って最終回となる。
そして新規に金環食に絡んだインターバル撮影中心のシリーズを始める予定である。

1.プロローグ
2.アクセサリー
3.DSLRの震動
4.ミラーレス
5.三脚と雲台
6.とりあえず月を撮ってみよう
7.秘密兵器
8.秘密兵器の効果
9.太陽撮影の準備
10.太陽撮影とシャッター速度
11.解像度をもう少し
12.エピローグ
13.番外編

2012年2月21日 (火)

誘惑

急遽、3月になったら、スキーに一泊出かけることに決めた。
買ったばかりのスキー板の誘惑に負けてしまったのだ。
もちろん一人である。

20120221a
Panasonic DMC-FT2

ようやくFT3が活躍するときが来そうだ。
今回は一人で行くので、スノーメイトのご厄介にはならずに単独で安全な練習に勤しむつもりである。

20120221b
Panasonic DMC-FT2

決めたら早いのが私の長所でもあり、短所でもあるのだ。
ああ、その頃はOM-D発売直前なのに散在してしまうとは。
困ったものである。

2012年2月20日 (月)

マイスキー板

今日、自分のスキー板を神保町に買いに行ってきた。
2年ぶりに板を履くことになる。
スポーツ用品店のお姉さんに自分は超初心者であるコトを伝え、言われるがままに買いそろえた。

20120220a
Leica S2+Leica Summarit S70mm/2.5ASPH.

数年前から久方ぶりにスキーを再び始めたのだ。
初めてのスキーは大学在住の20数年前。
当時も下手くそであったが、20年ぶりのスキーは初心者同様のレベルになっていたため、嫁さんと一緒に入門者の教室でたたき直した。

だが昨年の大震災の影響でスキーは一時中止し、タフネスコンデジのFT3も日の目を見ることなく、その役割を終えようとしている。

20120220d
Leica S2+Leica Summarit S70mm/2.5ASPH.

せっかく初級者コースを転ばずに滑れるようになったので、このまま有耶無耶になるのは惜しく感じ、思い切って自分のマイスキー板を購入しようというわけだ。

いつも行くたびに、板に、ブーツに、ウェアまでレンタルだったので、一通り揃えることにした。
家族全員でレンタルすると結構バカにならない金額なのだ。

20120220c
Leica S2+Leica Summarit S70mm/2.5ASPH.

嫁さんの分も揃えてあげるよと言ったが、本人はあまり乗り気ではないようだ。
一人で自分の分を買ってきた。
この調子だと、スキーは私一人で行くことになるのだろうか。

それ以前に、買ったことが無駄にならない事を祈りたい。

2012年2月19日 (日)

金環日食な日々 9/太陽撮影とシャッター速度

昨日も太陽撮影に挑んだ。ピント操作の確認をもう一度したかったのだ。
今度はシートを広げてピクニック気分でテスト撮影を行ってみる。
ミラーレスを望遠レンズに取り付けて太陽撮影した時に気づいた問題点は二つある。

1.EF300mm/4.0L IS USMのフォーカスリングの精度が出しにくいと言う事
2.太陽の射している下での液晶確認が極めて分かりにくいと言う事

20120219c
Leica S2+Leica Summarit S70mm/2.5ASPH.

1.に関しては、MFアシストを起動させ時間をかければなんとかなることが分かった。
フォーカスの確認には太陽黒点を使うといい。
ただし、MFアシストを起動した状態で、しかも換算840mmであるとかなりの速度で太陽が移動するので素早いフォーカシングの決定が必要となる。

ピント位置が決まったら極力レンズ鏡胴には触れないことだ。
フォーカスリングに触れてピントのやり直しをする羽目になると悲惨だ。
微調整にはシュマイザーを構えるようにサポートバーを握ると照準を付けやすかった。
ねじるように握るのがコツである。

20120219d
Leica S2+Leica Summarit S70mm/2.5ASPH.

2.は何かしらフードのようなもので覆わないと確認しづらい。
ただでさえ全高が低いので、妙な姿勢でファインダーを覗き込むのはスマートでない。

問題なのは1.のフォーカシングに対して、屋外であると液晶の輝度の弱さからピントの確認がよく見えないことだ。
これには根本的な対処法を考えねばならないであろう。

さて、GH2で撮影した光球の明るさをシャッター速度別で確認してみたい。

F値は11、ISOは160、WBはまさに「太陽」。
NDフィルターは100000、SSは1/15秒から1/2000秒までを比較した。

SS1/15
20120219a15

SS1/30
20120219a30

SS1/60
20120219a60

SS1/125
20120219a125

SS1/250
20120219a250

SS1/500
20120219a500

SS1/1000
20120219a1000

SS1/2000
20120219a2000

さて、どの辺りがシャッター速度のベストであろうか。
以前購入したフィルターのあんちょこからは、食分0%でF11では1/1000と記載されていた。(ISO100の場合)

20120219a1000_2 SS1/1000
Panasonic DMC-GH2+EF300mm/4.0L IS USM+Extender1.4xIII+ND100000

実際に1/1000秒はかなり暗いと思う。
GH2はISO160で撮影してあるために、もう少しシャッター速度は早くなるのでさらに暗くなるはずだ。

20120219a250_2 SS1/250
Panasonic DMC-GH2+EF300mm/4.0L IS USM+Extender1.4xIII+ND100000

1/60~250秒あたりが実用的ではないだろうか。
まあ、季節や湿度によっても微妙に異なるかも知れないので、一応目安にしておきましょうか。

20120219b SS1/320
Panasonic DMC-GH2+EF300mm/4.0L IS USM+Extender 1.4xIII+ND100000

しかし、注意深くフォーカシングをしても黒点はこのような感じだ。
このへんが限界なのであろうか。

1.プロローグ
2.アクセサリー
3.DSLRの震動
4.ミラーレス
5.三脚と雲台
6.とりあえず月を撮ってみよう
7.秘密兵器
8.秘密兵器の効果
9.太陽撮影の準備
10.太陽撮影とシャッター速度
11.解像度をもう少し
12.エピローグ
13.番外編

2012年2月18日 (土)

金環日食な日々 8/太陽撮影の準備

昨日のお昼休みはまだ太陽が出ていたので、コレはチャンスと太陽撮影を決行した。
いよいよNDフィルターの装着である。

20120218f_2 20120218a

NDナンバーは100000の新製品を使う。
普通の円形のタイプでない10cm四方の正方形のものだ。
このタイプのフィルターはサンドイッチするアダプターを使って使用する。

20120218b 20120218c

アダプターを開いてから、間にフィルターを挟んで閉じればOKだ。
上のつまみがロックになっているので簡単である。

20120218d

アダプターのフィルター口径は82mmなので、EF300mm/4.0L IS USMの77mmと合わすためには77-82mmのステップアップリングを介させる。

20120218e

これで準備完了である。
先日のカメラサポートバーにEOS7DとGH2を取り付けていよいよ撮影だ。

20120218g

使用三脚はRRSのTP-243、雲台はBH-55を選択した。

とりあえず実写のEOS7DとGH2比較写真を載せておく。
ノートリミングである。(GH2の写真はアスペクト比だけ変えてある)

20120218h
Canon EOS7D+EF300mm/4.0L IS USM+Extender1.4xIII+ND100000

20120218i
Panasonic DMC-GH2+EF300mm/4.0L IS USM+Extender1.4xIII+ND100000

残り少ない昼休みの時間を使ってあたふた慌てて撮影したものだが、それなりに写っていて安心した。

20120218j
Panasonic DMC-GH2+EF300mm/4.0L IS USM+Extender1.4xIII+ND100000

トリミングでは黒点も写っているのが分かる。
ところが、実写にていくつかの問題点が浮上してきた。

1.プロローグ
2.アクセサリー
3.DSLRの震動
4.ミラーレス
5.三脚と雲台
6.とりあえず月を撮ってみよう
7.秘密兵器
8.秘密兵器の効果
9.太陽撮影の準備
10.太陽撮影とシャッター速度
11.解像度をもう少し
12.エピローグ
13.番外編

2012年2月17日 (金)

リークなOM-Dサンプル画像

いつものデジカメinfoさんにサンプル画像があるというので早速覗いてみた。

オリンパスOM-D E-M5のサンプルが多数掲載
デジカメinfo

まだβ機とのことらしいが、結構写りがいいので驚いている。
大半のサンプルは新型の12-50mm/3.5-6.3を使っているようだ。
そこのサンプルをちょっと見てみる。

20120217a_2
Olympus E-M5+M.ZD12-50mm/3.5-6.3EZ (43mm Macro F6.0 ISO5000)

何処のメーカーが作っているセンサーかはまだ不明であるが、今までのオリンパスのものとは明らかに違うことが窺える。
しかし、書き込みからは画質に手厳しい意見が相次いでいる。

20120217b_2
Olympus E-M5+M.ZD12-50mm/3.5-6.3EZ (12mm F5.6 ISO200)

皆さん閾値が高いですね。
私など、これだけ写れば御の字なので、そのまま製品にされてしまってもいいくらいだと思っている。

20120217c_2
Olympus E-M5+M.ZD45mm/1.8 (45mm F1.8 ISO400)

あ、でもやっぱり最終的な調整はして下さいね。オリンパスさん。
本気にしないで下さい。

20120217d1_2
Olympus E-M5+M.ZD12-50mm/3.5-6.3EZ (12mm F3.5 ISO1600)

これはいいな、と感じたのは高感度撮影だ。
トリミングして各ISO値を比較してみた。
以下の感想は主観的なモノである。

20120217d2_2 トリミング
Olympus E-M5+M.ZD12-50mm/3.5-6.3EZ (12mm F3.5 ISO1600)

20120217d3_3 トリミング
Olympus E-M5+M.ZD12-50mm/3.5-6.3EZ (12mm F3.5 ISO3200)

ISO3200までは全然OK。

20120217d4_2 トリミング
Olympus E-M5+M.ZD12-50mm/3.5-6.3EZ (12mm F3.5 ISO6400)

ISO6400は行っちゃいますかという感じ。

20120217d5_2 トリミング
Olympus E-M5+M.ZD12-50mm/3.5-6.3EZ (12mm F3.5 ISO12800)

ISO12800は非常用ですね。

20120217d6_2 トリミング
Olympus E-M5+M.ZD12-50mm/3.5-6.3EZ (12mm F3.5 ISO25600)

ISO25600に関しては、薄暗いところで素早いUMAに出会ったらといったところか。

20120217e_2
Olympus E-M5+M.ZD75-300mm/4.8-6.3 (300mm F6.7 ISO2500)

以前のマイクロからは考えられないほど感度耐性の上がったOM-D。
総合的に考えると、かなり完成度の高いカメラになっていそうである。

発売日は3月下旬とあるが、恐らくは23日か30日と予想したい。

どちらであろう。
ファミリー的な春休みに合わせてくれば23日、桜に合わせてくれば30日かな。
個人的には23日が嬉しい。

2012年2月16日 (木)

金環日食な日々 7/秘密兵器の効果

ブレに対して三脚座だけの1支点から複数の支点に増やし、なおかつカメラとレンズをガッチリ固定する秘密兵器カメラサポートバーを購入したが、これがどの程度までの効果を誇るのかを検証してみる。

20120216a

このカメラサポートバーは、カメラとレンズの支柱となり共振や歪みを抑えてくれる要素を持つ。
全重量は約1kg弱ほどあり、レンズの安定を増やしてくれる以外に、被写体への照準も非常に狙いやすくなるためその恩恵は計り知れない。

20120216b2 20120216b1

支点は2点と3点で、効果のほどを比較してみたい。
メインは三脚座とカメラとの2点を強固に固定するシステムであるが、レンズ先端を支えるプラスα的な3点目の支点がある。
つっかえ棒の様な微妙なモノであるが効果のほどは如何に?

20120216c1 20120216c2 20120216c3

まずはEOS7Dでテストしてみる。
三脚はいつもの全高が高く使いやすいが華奢なGITZO三脚(GT1541T)に中型雲台、
全高は低く使いにくいが頑丈なRRS三脚(TP243)&大型雲台を使って比べてみた。

月の写真はいつものようにトリミングしてブレを確認しやすくしてある。
左の写真が2点、右の写真が3点の支点である。

【GITZO三脚】

・指押し撮影
20120216d1 20120216d2

・レリーズ撮影
20120216e1 20120216e2

・ミラーアップ撮影
20120216f1 20120216f2

分かりやすくまとめて表示してみる。(クリックで拡大)

20120216g5

さすがに耐荷重8kgの三脚と雲台に、半分近い加重をかけているせいか安定は良くない。
特に2点の支えではミラーアップ撮影でさえブレが認められる。
カメラとレンズとガッチリ固定したとは言え、サポートバーと雲台を固定している箇所は1点のために華奢な三脚では共振を拾ってしまうのであろう。

だが、3点固定だと多少のブレはあるもののかなり改善されている。
指押し撮影とレリーズ撮影でもブレが僅かだが抑えられているのだ。
あんなモノでも効果があることに驚かされる。

【RRS三脚】

・指押し撮影

20120216h1 20120216h2

・レリーズ撮影

20120216i1 20120216e2_2

・ミラーアップ撮影
20120216j1 20120216j2

分かりやすくまとめて表示してみる。(クリックで拡大)

20120216k5

驚かされたのが、この結果だ。
前述のGITZO三脚に比べて雲泥の差がある。
ハッキリ言ってDSLRなのに指押しでも使えるレベルなのだ。
2支点より3支点の方がより安定感が高いが、2支点でも自分的には全然OKだ。

つまり、重くてがっしりとした丈夫な三脚と、安定感のある大型雲台を使えばファインダー越しに普通の撮影スタイル同様に超望遠レンズが使えると言う事だ。
670mm領域の指押しがこのレベルなので、ミラーレスの840mm領域ではどうなっているかは下の方を見て下さいね。

20120216l1 20120216c2_2 20120216c3_2

次にミラーレスカメラであるGH2でテストしてみた。
GH2にはミラーがないため、ミラーアップ撮影は行っていない。
左の写真が2点、右の写真が3点の支点である。

【GITZO三脚】

・指押し撮影
20120216m1 20120216m2

・レリーズ撮影
20120216n1 20120216n2

分かりやすくまとめて表示してみる。(クリックで拡大)

20120216o5

2支点の手押しのみ若干のブレが確認できるが、他は軒並みOKであろう。
しかし、指押しで840mmが可能とはサポートバーとは何者か。

このカメラサポートバーを導入しての一番の利点は、照準が付けやすくなったことだ。
ミラーレスカメラはアダプターを介する数が多いため、カメラボディを持って照準を付けようとすると接合部に相当な負荷がかかってしまうのだ。
照準には背面液晶を見ながら、カメラボディ下部に伸びるバーを掴んで銃把の様に握ると狙いを付けやすい。

【RRS三脚】

・指押し撮影
20120216p1 20120216p2

・レリーズ撮影
20120216q1 20120216q2

分かりやすくまとめて表示してみる。(クリックで拡大)

20120216r5

さて、一番気になるRRS三脚のミラーレス撮影であるが、2点・3点の支点でも指押し撮影から可能になっていることだ。
焦点距離は換算で840mmである。かなり驚かされた状態だ。

厳密に言うと2点より3点の方が僅かではあるが、解像感はより高くなっている。
しかし、ここまで来たらもう十分のような気がするのだ。
まあ、拘る人は拘るのかも知れないが。

このカメラサポートバーはかなり使える。
おそらくこのままはまり続け、さらなる超望遠レンズを追い続ければ、三脚などはザハトラーに行き着くのかも知れないが、自分としては300mm/4.0以上の重い望遠には手を出さないと思うのでこのシステムで十分だろう。
ここで収束してしまうと思う。

自分としては、金環食にはミラーレスを使おうかと考えている。
やはり670mmより、840mmの迫力には代え難いモノがある。

それになんと言っても照準の付けやすさが、このサポートバーを取り付けたことにより一気に改善したことだ。
サポートバーを付ける前は微調整に戸惑って、絶対EOSにしようなんて考えていたときもあった。

さて、ミラーレスを使うのであれば、三脚はどちらを使っても問題ないと思われるので、5月まで時間はあるしじっくり思案するつもりだ。

次回から、金環日食な日々は実際の太陽撮影へと舞台が変わる。
もちろん、EOSも比較撮影としてまだまだ登場していただきます。



1.プロローグ
2.アクセサリー
3.DSLRの震動
4.ミラーレス
5.三脚と雲台
6.とりあえず月を撮ってみよう
7.秘密兵器
8.秘密兵器の効果
9.太陽撮影の準備
10.太陽撮影とシャッター速度
11.解像度をもう少し
12.エピローグ
13.番外編

2012年2月15日 (水)

バレンタイン2012

さすがに既婚者で、この年になるとたくさんはもらえないが義理チョコレートをスタッフの方達から頂いた。
自宅にて、一昨年のリラックマグラスで乾杯だ。

20120215a
Panasonic DMC-GX1+Lumix G20mm/1.7ASPH.

私自身チョコレートはあまり食べないのだが、チョコは何が好きですかと聞かれたときに素直に「カプリコ」と答えたら本当にカプリコがたくさんやってきた。(笑)
今回は高級チョコでなく駄菓子系が多い。

20120215b_2
Panasonic DMC-GX1+Lumix G20mm/1.7ASPH.

そんなお菓子系のなかにムーミンキャラのラムネが入っていた。
最初はなんでエビオスが入っているんだ?とスタッフの気遣いのしすぎに困惑したが、自分の思い違いだと反省した。

教えた記憶はないのであるが、私の好きなキャラをよく知っている。
女性陣達の観察力のすごさには恐れ入る次第である。

2012年2月14日 (火)

Canon EF24mm/F1.4L II USM(実写と感想)

キヤノンのEF24mm/1.4L II USM。
このレンズを購入したのが昨年の暮れで、最後の記事を書いたのが1月上旬であるから、値段の割りにかなりの期間放置プレイされてしまった不遇のレンズだ。
悪いことをしてしまった。これからたくさん使うので故障しないでいただきたいものである。

20120214h

まあ、レビューも他のサイトでかなりの数が上がっていると思われるので、感じた部分だけを簡潔に書いていこう。
先月の積雪後の晴れた日に、このレンズの試験的実写撮影に出かけた。

20120214a
Canon EOS5D mark2+EF24mm/1.4L II USM

とにかくこのレンズを使って最初に驚くべき事はディストーションの少なさだ。
直線の多い構造物を被写体に入れても歪みに気づくことはまずないであろう。
このときはさすがにフードを付けていなかったので、側面からの強い光に対して若干のゴーストが発生してしまった。

20120214b
Canon EOS5D mark2+EF24mm/1.4L II USM

周辺の流れも殆ど見られず、色収差も目立つことなく解像度も申し分ない。
これはかなり完成度の高いレンズである。
撮影を続けながらどんどんとテンションが上がっていく。

20120214c
Canon EOS5D mark2+EF24mm/1.4L II USM

ボケの具合もきれいで不自然さがない。
ところが、この写真も側面からの光線でゴーストが発生している。
SWCの効果はナノクリに比べて弱いのだろうか。
フードを付けろと言われるかも知れないが、Nikonのナノクリレンズを使っていたときにもフードは付けていなかったが問題なかったのだ。

20120214e
Canon EOS5D mark2+EF24mm/1.4L II USM

ちょっと話が脱線するが、SWCの効果に疑問を感じたのがTS-E 24mm/F3.5LIIを使用したときだ。
逆光に於いてシャワー状のゴーストが現れることが多く、同じスペックであるNikonのPC-E NIKKOR 24mm/F3.5D EDには逆光に気を使うことなど微塵も感じなかったので完成度の高さに舌を巻いたほどだった。

20120214f
Canon EOS5D mark2+EF24mm/1.4L II USM

要は広角レンズなのでフードを付けてくれと言う事なのだろうが、考えてみれば当たり前である。
でももう少しSWCの効果を実感させて欲しかった。Nikonより後に発表したのだから、もう少し効果が高くてもいいような気がしなくもないような・・・・。
まあ、このレンズの純正フード(EW-83K)は、レンズ本体に取り付けたデザインもいいので抵抗なく付けられそうなので良しとしましょうか。

20120214d
Canon EOS5D mark2+EF24mm/1.4L II USM

しかし、本当にいいレンズだ。
初回の試験を兼ねた撮影で、これだけ良さが分かるレンズというのも珍しい。
ちょっとレパートリーから外せない広角レンズになってしまった。

キヤノンユーザーに戻る前のユーザだったときに、広角レンズに関しては良いイメージを持っていなかったが、2年近く前にEF-S10-22mm/3.5-4.5 USMを購入してからその考え方が変わった。軽くて廉価なレンズなのに、光学性能が素晴らしかったのだ。

20120214g
Canon EOS5D mark2+EF24mm/1.4L II USM

このEF24mm/1.4L II USMはさらに完成度が高い。(SWCは微妙だが)
F1.4という驚異の明るさを持つ24mmの広角レンズ。
開放値がF1.4でありながらフィルター口径を77mmと控えめにしてあるためかビネッティングが目立つという欠点はあるものの、ディストーションの少なさや解像度、コントラスト、色収差などはハイアベレージを維持している至高の24mmだ。

Nikonマウントを手放す前であれば、一度Nikonの24mm/1.4と比べてみたかった。
あまりやり過ぎるとどちらのマウントも止められなくなるので、ある意味片方マウントを減らしたのはいいタイミングだったのかも知れない。

EF24mm/1.4L II USM

スペック
テスト撮影
実写と感想

2012年2月13日 (月)

金環日食な日々 6/秘密兵器

前回の月撮影の結果から、三脚と雲台はしっかりしたモノを使わねばブレを抑制することは出来ないことが分かっている。

しかし、今更重量級の三脚を購入しても、日食などの特殊用途にしか使うことは殆どないため、結果押し入れの中に直行することは目に見えている。

そこで今ある三脚機材の中で、何処まで限界に近づけるかの検証をこれからやってみたいと思う。

20120213a

前にも話したとおり問題は雲台周辺だ。
私の使っているクランプはReally Right Stuff(RRS)という米国メーカーのカメラアクセサリーを使っている。
お高いところだとアルカスイスなどがあるが、三脚撮影を主体にやっているわけではないので新規に購入するより、すでにプレートを持っているRRSが実用的だろう。

さて、一点でなく複数の支点で抑えればいいのではないかと前回話したが、三脚や二脚を複数用意するにはコストがかかりすぎるし、かさばるし、重すぎる。
せっかくRRSを使っているので、そちらのアクセサリーからチョイスした。

20120213b

要はレンズとカメラを固定してしまおうというわけだ。
一本の丈夫なカメラバーを主柱にして、レンズとカメラをクランプを用いて固定するのだ。
三脚座とカメラの固定なら2点、それにレンズ先端を支えるY字型器具を取り付ければ3点固定と言うわけだ。

本来はヨンニッパやゴーヨン以上などのレンズに使う器具であるが、貧弱な300mm/4.0と貧弱な三脚でも効果がありそうなのでコンパクトな機材のみをチョイスして購入した。
とりあえず早速組み立ててみましょうか。

20120213c

この組み立て作業がとっても楽しい。
昔プラモデルを作るのが好きな人であれば、たまらない質感による工作を楽しむことが出来る。

20120213d

できあがりである。
コンパクトではあるが、ゴツイく、ぐらつきなど皆無な精度の高い剛性感あふれるサポートバーである。
両端を取り外せば小さく仕舞うことも出来る。
では早速カメラとレンズを取り付けてみましょうか。

20120213d1 20120213d2

持った瞬間に「あ、ガチガチだ」と分かるほどに剛性が高い。
Really Right Stuffの名前はダテでない。
小さいカメラバーだからこそ、より剛性感高く感じるのだろう。
左が2点固定、右が3点固定である。

20120213f

ところで、このサポートバーは一つ気をつけねばならない事がある。
カメラに固定するときの締め付け方だ。

20120213g

他もシステムもそうかも知れないが、RRSのシステムの基本はプレートをクランプで固定する。
ネジなどでクランプを移動させ、両側で挟み込む形で固定されるのだ。
実は、この締め付けはクランプの片方だけを移動させることで行われる。
これがどのような事を起こすのかというと・・・・

20120213i

たとえばクランプの向きを統一せずにバラバラにしてしまうと、カメラとレンズをゆがめて固定してしまう可能性がある。
つまり光軸がぶれてしまう。

20120213j

また、締め付ける順序も大切だ。
三脚座のロックはもちろん、全てを緩めてから少しずつ、軽く徐々に締め付けていく。
時折、緩めるのも効果がある。
緩めて締めてを繰り返しながら、全体に無理な力がかからぬように締め上げるのだ。

慣れれば簡単になる。

20120213k

ミラーレスにも取り付けてみたが、ヤバイと思えるくらいにガチガチだ。
これなら間違いなく震動を極力抑えてくれるはずである。
さて、実験である月撮影が楽しみになってきましたよ。

1.プロローグ
2.アクセサリー
3.DSLRの震動
4.ミラーレス
5.三脚と雲台
6.とりあえず月を撮ってみよう
7.秘密兵器
8.秘密兵器の効果
9.太陽撮影の準備
10.太陽撮影とシャッター速度
11.解像度をもう少し
12.エピローグ
13.番外編

2012年2月12日 (日)

ときどき鳥撮り

せっかく日食のために望遠を用意してあるので鳥を撮影してみた。
何処を探しても様になる鳥がいないため、実家のモッコクを寝床にしている多数の雀さん達に被写体になってもらった。

20120212a
Canon EOS7D+EF300mm/4.0L IS USM+Extender1.4xIII

三脚を出すまでもないと思っていた。。
EOS7Dに300mm/4.0L IS USMとテレコン1.4xをくっつけただけの換算600mmオーバーのレンズである。
貧弱ではあるが手振れ補正が付いているのでなんとかなると思ったら甘かった。

20120212b
Canon EOS7D+EF300mm/4.0L IS USM+Extender1.4xIII

ほぼ見上げる状態で撮影するために腕が重くなる。
休み休み撮影していたが、完全に治癒していない四十肩痛がぶり返しそうだ。
とてもじゃないが10分ほどで引き上げた。

20120212c
Canon EOS7D+EF300mm/4.0L IS USM+Extender1.4xIII

テレコンを使うと思ったより画質は落ちるようだ。
夕方のせいもあるかも知れないが、300mm/4.0にあった抜けの良さが見られない。
それにテレコンをかましてあるのでAFも微妙に遅い。

20120212d 目つきが野生ですね
Canon EOS7D+EF300mm/4.0L IS USM+Extender1.4xIII

鳥は難しい。
基本連写で行かないとうまくいかないようだ。
自分の撮影スタイルとはかなり違う感じがする。
鳥にのめり込む前に退散した方が良さそうである。

2012年2月11日 (土)

あなたの後にSD1が・・・・

数日前から過去のSIGMA SD1の記事にアクセスが集中している。
例の発表のためだ。

20120211a_2

こんな事ならば、以前の記事に対してもっときちんと詳しく書いておけば良かったのだが、すでに過去のことなのでそれら記事に関しては手を入れずにこのままにしておこうと思う。

SIGMAによればオリジナルSD1とMerrillとは殆ど変わらないという。
だとすると欠点も引き継いでいるわけだ。

20120211b

先日、SD1をもう一度どうですかというコメントを頂いた。
一瞬だが、かなり心が揺らいだのは確かだ。

コンパクトなAPS-Cシステムでありながら、4600万画素相当の高精細な画像を生み出すSD1はある意味最強のDSLRではないかと思う。
重量の要であるレンズをAPS-Cサイズで揃えられるというアドバンテージは、フルサイズや中判デジタルでは得られない事だ。

20120211c

Nikonからも3600万画素相当を持つD800が発表された。
これも時代の流れなのだろう。
一度、超精細な画像に魅入られると後戻りできなくなる。
私もSD1に魅了され3000万画素オーバーのカメラを購入してしまった。

だが、超高精細な画像には弊害もある。
画像ファイルの肥大化によってPCにも強力なマシンスペックが必要になるのだ。
そして高額な高品位レンズ。
結局、私はかなりの額を周辺機器に投資する羽目になった。
得るモノがあれば失うモノもあるのだ。

20120211d
SIGMA SD1+28mm/1.8 EX DG ASPHERICAL MACRO

もし、件のコメントのようにSD1を「もう一度」購入したらどうなるだろう。
現時点でのレンズレパートリーからすれば、50mm/1.4と85mm/1.4の単焦点を購入し、再び使いやすかった広角ズームである10-20mm/3.5を手に入れたい。
この3本だけでまったりとしたFOVEONな日々を送る生活をするのだ。

しかし、現実には今の私のマウント状況からすると入り込む余地はないだろう。
せめて、他社製現像ソフトに対応してくれれば多少は食い込めるとは思うのだが、メインのマイクロフォーサーズと、サブシステムにEOSとライカSのいずれかをと決めあぐねている状態だ。
サブが三つどもえの状況になったらさらに混乱してしまう。

よく様々なレビューで当たれば凄い絵を出すと書かれていることがあるが、本当のことだと思う。
「当たれば」凄いのだ。

これほど人間くさいカメラがあったろうか。
APS-Cカメラでありながら、超高精細な画像を生み出すDSLR。
コンセプトに限れば極めて共感できる。

まだ、EOSやNikonの代わりとなるカメラではないだろう。
あくまでメインシステムを持った上でサブとして持つのが吉だと思う。
そうすれば比較的廉価で4600万画素相当の超高精細な画像が得られるのだ。
お一つどうですか?
はまると抜け出せなくなりますよ。

2012年2月10日 (金)

金環日食な日々 5/とりあえず月を撮ってみよう

新製品ラッシュがあったので、ちょっと間が出来てしまったが前回の続きである。

EFレンズにEOSを取り付けた普通に使える換算670mm望遠と、
EFレンズにミラーレスを取り付けた使い勝手のやや落ちる換算840mm望遠の、
三脚による月撮影の比較である。

三脚は2種類ある。
使い勝手の良いやや華奢なGITZO三脚」と「使い勝手の悪い剛健なRRS三脚」だ。

月撮影は昔からISO100、絞りはF11、シャッター速度は1/125と決めていた。
なのでこれを基準にして比較する。

20120210a1 20120210a2

ここで重要なのがEFレンズは、電気接点に通電がない状態では絞りは開放の状態のままである。
つまり接点のないマウントアダプターを介するマイクロ機の場合では、常に開放で撮影せねばならなくなる。
絞りリングがないのでそのような状況になってしまうのだ。
そのため、この絞りを変えた状態のまま維持しておく必要がある。

20120210b

EOSボディには絞り込みボタンがある。
本来はシャッターを押した瞬間だけ絞りが変化するのだが、ダイヤル操作のあと、この絞り込みボタンを押している間はレンズの絞り具合の変化を視認できるようになっている。
ファインダーで実際に暗さを確認できるようになるのだ。

20120210c

だが、絞り込みボタンから手を離したり、電源を切ったりすると絞りは再び開放のポジションに戻ってしまう。
そこで電源を入れた状態で、絞り込みボタンを押しながら、レンズロック解除ボタンでレンズを外すと、レンズの絞りはその状態で維持されたままになる。

20120210d2 20120210d1

まあレンズの絞りに負荷をかけているかも知れないので、長時間このままというのはよろしくないだろう。
撮影が終わったらもう一度EOSボディに付け直して電源をON/OFFして、レンズの絞りを戻せばよろしい。

20120210e

ミラーレスで撮影する場合は、上記の方法で絞りをF8.0に固定してテレコン1.4xを取り付けた。
これで約F11になるはずだ。

さて、話が少し脱線したが早速テスト撮影を行う。
固定は三脚座の一点固定。
ISO100、F11、1/125secで行う。
ただし、GH2はISOが160からスタートなので、ISO160、F11、1/160secとしておいた。

全体比較は前回の冒頭に出してあるので、今回はトリミングした拡大画像のみを出す。
まずはGITZO三脚から。
手押し撮影、レリーズ撮影、ミラーアップ撮影と行った。
左がEOS、右がGH2である。

GITZO三脚

手押し
Img_7151g1h P1040342g1h

レリーズ
Img_7150g1r P1040341g1r

ミラーアップ
Img_7152g1mu Back3x2

ここで分かりやすいようにまとめておいた。
クリックで拡大される。

GITZO三脚による震動の比較

20120210g1

ハッキリ言ってEOS7Dを使ったGITZO三脚はミラーアップを含めて全滅だ。
ただ、ミラーアップ撮影は、ミラーを跳ね上げてからすぐに撮影してしまったので共振が残っていた可能性があり、ミラーが落ち着けば安定した画像が得られたのではないかと思われる。
GH2は指によるシャッターでこそブレが認められるが、レリーズでは問題ない。

次にTP-243のRRS三脚。
同じように手押し撮影、レリーズ撮影、ミラーアップ撮影と行った。
左がEOS、右がGH2である。

RRS三脚(TP-243)

手押し
Img_7167r1h P1040331r1h

レリーズ
Img_7166r1r P1040341g1r_2

ミラーアップ
Img_7168r1mu

こちらも分かりやすいようにまとめておく。
クリックで拡大される。

RRS三脚による震動の比較

20120210g2

がっちりしているRRS三脚では、EOS7Dで指によるシャッターでこそ、僅かなブレが認められるが、意外にもレリーズでは目立ちにくい。等倍でこそブレが分かるが、ギリギリ許容範囲だ。
当然ミラーアップにブレはない。
GH2はレリーズ撮影に何故か若干のブレが見られるが、指では問題ない。
誤差であると考えられる。ひょっとしたら順序を間違えているだけかも知れない。

やはりRRSの方が安定性は極めて高い。
ただ、全高の低いRRS三脚の場合、EOS7Dでは這うようにしてファインダーを覗き込まねばならず、使い勝手は悪い。
GH2にはバリアングル液晶が付いているために、RRS三脚でも使い勝手に問題は少ない。
シートを敷けば楽な体勢で撮影を行うことが出来るのだ。

20120210h2

しかし、GH2を使用した場合は800mmをオーバーしており、ミラーレスとはいえ震動の対策にはかなりの神経を使う必要がある。
何よりレンズ・ボディの接合部が多いため、照準を合わせるのにレンズ本体を掴んで行わねばならない。
画角が狭い分、月(太陽)を探す上で慣れが必要そうだ。
それに相手が太陽となると照準を付けやすくするドットサイトなどは使えない。

だらだら書いても分かりにくいと思うのでそれぞれの長所短所を簡単に書いておく。

【EOS7D】
・使い勝手・照準の付けやすさはさすが純正である。
・600mmオーバーはミラーアップ撮影が必要。
・ミラーアップ直後に撮影すると共振が残っているためかブレを起こしやすい。
・DSLRにとって使い勝手の悪いRRS三脚の方が安定性は高い。

【DMC-GH2】
・ブレの少なさはさすがミラーレス。
・800mmオーバーとなるため、ミラーレスとはいえブレが起きやすい。
・アダプターを介した場合の絞りの変更が面倒、且つ強度的・精度的な不安がある。
・強度的な不安から、ホールド部位など細かい照準を合わせるのに苦労する。

このように帯に短したすきに長しといった感じで、どの三脚でどのカメラが良いかというのは選びがたい。
まあ、好みの問題もあるだろうが、現時点では決めかねている。
GH2からテレコン1.4xを外すという手もあるが、600mmの月は迫力にやや欠ける感じがしてしまう。
なにしろ比較が840mmなのだ。

ハッキリ言ってしまうと、今ある機材の中だけでチョイスすれば、ブレの観点や三脚の使いやすさだけから言えばミラーレス+廉価三脚がベストだろう。
だが、もう少しだけ突き詰めてみたい。

20120210f

今回のテストで最も問題があったと思われる箇所は、レンズ雲台の接合部だ。
GITZO三脚で顕著に見られたが、剛健なRRSの三脚でさえ僅かにある。
この部分をどうにかしないと、これ以上の改善の余地は見られないだろう。

ここが一点だから問題があるのではないだろうか。
レンズはシーソーや弥次郎兵衛と同じく支点で支えられている。
この支点の数を増やせば安定性が増すのではないかという事だ。

つまり接合部を2点、3点と増やせばいいのではないかと言う事である。
というわけで、次回は秘密兵器を持ち出して、より安定性が高くブレの少ない撮影が出来るのかをテストしてみようと思う。

1.プロローグ
2.アクセサリー
3.DSLRの震動
4.ミラーレス
5.三脚と雲台
6.とりあえず月を撮ってみよう
7.秘密兵器
8.秘密兵器の効果
9.太陽撮影の準備
10.太陽撮影とシャッター速度
11.解像度をもう少し
12.エピローグ
13.番外編

2012年2月 9日 (木)

Olympus OM-D発表

お昼前にいつものカメラ屋さんからFAXが届いた。
OM-Dが発表になったので注文しておきましたよという内容だ。

前回お店にお邪魔したときに、もし発表されたらOM-Dをよろしくと伝えておいたのだ。
一緒に保護フィルムも注文して下さったらしい。有り難いことである。
アクセサリもどうですかと書いてあったので、すぐさま電話していくつかのパーツもお願いした。
商売上手である。

20120209a_2

職場のPCで確認すると、確かにOM-Dが発表になっている。
すると先日のコシナ製Voigtländer Nokton17.5mm/0.95も発表されているではないか。
こちらも慌てて電話にて追加注文となった。

20120208b

他にも注文したいものがたくさんあるのだ。
しかし、キヤノンマウントは単焦点のみで使うとマイルールを決めたばかりなので、新製品のズームレンズはとりあえずスルーした。
今までの経験で、私はマウントが増えると収拾がつかなくなる事を身をもって知っているからだ。

今日は別の女性スタッフにOM-Dの写真を見せてみた。
新製品なんだけどどう?レトロ感あるいいカメラだと思いません?

「・・・・はい、普通のいいカメラだと思います」

はい、仰るとおりです。
ファンであれ、アンチであれ、基礎知識があって議論は成り立つのだ。
ああ、何処のカメラファンでもいいのでカメラに詳しいスタッフはいないものか。

2012年2月 8日 (水)

Voigtländer Nokton 17.5mm/0.95 aspherical

本来は日食記事を書こうと思っていたのであるが、これを発表されたらこちらを優先せざるを得ない製品が出てきた。
先日、海外で発表された。

20120208a

Voightlander Nokton17.5mm/0.95 ASPH.である。
まさかこのレンズが開発されるとは思っていなかった。

35mm換算にすると35mm/0.95になる驚異的なスペックを持つレンズだ。
マウントはマイクロフォーサーズマウント
開放F値は驚愕の0.95
絞りは16まで
レンズ構成:9群13枚
絞り羽根:10枚
最短撮影距離:15cm
最大撮影倍率:0.25倍
サイズ:63.4x80mm
重量:540g
フィルター径:58mm
云々・・・・

20120208b

Nokton25mm/0.95よりも一回り大きく重いレンズになる。
20mm/1.7より携帯性は失われるが、お店の中など暗いシチュエーションの中で使ってみたい。
描写は25mmと同じようなNoktonカラーになるだろう。
落ち着いた雰囲気の写真が撮れそうだ。

これはいいレンズだ。
早く国内でも発表されないだろうか。

今回はパナソニックから明るい標準/望遠ズーム、オリンパスからOM-D、そしてコシナからNokton17.5mm/0.95、他にも色々気になる製品が目白押しである。
また散在しそうなので、警戒心を非常に強めている最中だ。

2012年2月 7日 (火)

オリンパスOM-D(E-M5)について思うこと 3

このところ、OM-Dに関しての噂がラッシュで来ている。
8日に発表になるらしいのだが、駆け込みといったところだろうか。
なので、またまたOM-Dの記事だ。申し訳ない。

20120207a

これは凄い写真だ。
記事からは75mm/1.8と60mm/2.8マクロなど未発表のレンズの写真も見られるという。
噂の精度もFT5とほぼ間違いはなさそうだ。

思えば3年前にマイクロフォーサーズの規格を発表してから、よくぞここまでシステムを充実させたものだ。
まあ、暗い標準ズームの数が妙に多いのが気になるが。

そろそろ単焦点の充実(これはすでにオリンパスも考えているようだ)と高品位ズームの追加をお願いしたい。
特にパナソニックと差別化するためにも、自分的にはF値2.5以下の通しの明るいズームを期待している。

さて、このOM-Dは売れるでしょうか。
カメラ好きな人たちからすると興味を引かれるデザインかも知れないが、うちのコンデジしか持たぬ女性スタッフに写真を見せたときには全く興味を示さなかった。
普通の一眼レフデザインと変わらないというのだ。
まあ、E-520の事もあるから実際に実物を見せないと何とも言えないだろう。

20120207b 某掲示板より拝借

もちろん私は買いますよ。縦グリップ付きで。
スタッフにそう話したところ、あっそうですかと軽く受け流された。
ああ、スタッフにカメラの話が分かる人が欲しい・・・・。

cf.)
オリンパスE-M5と75mm F1.8 & 60mm F2.8マクロを含む交換レンズ・アクセサリーの画像が掲載
デジカメinfo

オリンパスE-M5のスペックやアクセサリーなどに関する追加情報が掲載
デジカメinfo

2012年2月 6日 (月)

金環日食な日々 4/三脚と雲台

さて、EF300mm/4.0L IS USMにテレコンの1.4xを取り付けた換算420mm望遠レンズに、APS-CのDSLRと、マイクロフォーサーズを取り付けるとどのくらい感じか異なるのか、月の撮影で確認してみたい。

20120206a1
Canon EOS7D+EF300mm/4.0L IS USM+Extender 1.4xIII

20120206a2_2
Panasonic DMC-GH2+EF300mm/4.0L IS USM+Extender 1.4xIII

上がEOS7D、つまり670mm相当。
そして下がGH2、つまり840mm相当のトリミングなしの月画像である。
これだけ異なるのだ。
ただ、GH2は4:3のアスペクト比のために、分かりやすく3:2の比率になるように
上下をカットしてある。
見た目の月のサイズは太陽とほぼ同じなので参考にしやすい。

今回のテストで使用した三脚は2種類、普段使い用のGITZO GT1541T(トラベラー)と、特殊用途用のRRS TP-243を使用した。
というか、現在本格三脚はこれしか持っていない。

この2台で三脚座に取り付けた望遠レンズのブレに対し、どれほどの差が出るのかテストしてみる。
まず、テストの前にこれら機材の簡単なスペック説明をする。

20120206b

普段の撮影に私は三脚は殆ど使わないが、長期の旅行やブツ撮り時に軽量なコンパクト三脚を持ち出すことがある。
強度がそれなりにあって、コンパクトで軽量な三脚を探してこれにたどり着いた。

20120206f

GITZO GT1541Tトラベラー。
スペックは以下の通り。

自重 0.97kg
耐荷重 8kg
脚段数 4
収納高 41.0cm
全伸高 140.0cm

収納高41cmと驚異的なコンパクトさを誇っているところが気に入っている三脚だ。
収納には特別な仕舞い方があるのだが、以前に述べているので今回は割愛する。

20120206d

使用雲台は、自分はカメラボディにRRSのプレートを付けているため、必然的にRRSの雲台を使っている。
選んだのはBH-40。ボールヘッドに使われているボールサイズが40mmの由来からである。
スペックは以下の通り。

自重 0.52kg
耐荷重 8kg
全高 7.6cm

レンズのサイズや三脚のサイズから雲台はこのBH-40が良かろうとチョイスした。
では、もう一つの特殊三脚にいきたい。

20120206c

次はRRS TP-243である。
これを購入したのは、当時バリアングル液晶を持つE-30を使っていたため、低いポジションからでもぶれない安定した日食撮影が出来ると践んで購入した三脚だ。

20120206g

名称はTP-243 Ground-Level Tripod 。
スペックは以下の通り。

自重 1.2kg
耐荷重 23kg
脚段数 2
収納高 31.5cm
全伸高 43cm

この三脚の特徴は自重が僅か1.2kgしかないにも関わらず、耐荷重が23kgもあると言う事だ。
通常の三脚でこの耐荷重を実現するには、本体重量を想像するだに恐ろしい。

20120206e

こちらに取り付ける雲台は、同じRRS社製のBH-55である。
スペックは以下の通り。

自重 0.73kg
耐荷重 23kg
全高 8.9cm

TP-243が小型とは言えかなりゴツイので、雲台は必然的にこれになった。
TP-243と一緒に購入した。

この2台の3脚を使って、月面撮影のブレ比較を書こうと思ったのであるが、予てからの睡眠不足が相まって今日はここまでにさせていただきたい。

結局、三脚のみのスペック発表会になってしまいました。m(_ _)m

もう駄目です、それではお休みなさい。

1.プロローグ
2.アクセサリー
3.DSLRの震動
4.ミラーレス
5.三脚と雲台
6.とりあえず月を撮ってみよう
7.秘密兵器
8.秘密兵器の効果
9.太陽撮影の準備
10.太陽撮影とシャッター速度
11.解像度をもう少し
12.エピローグ
13.番外編

2012年2月 5日 (日)

オリンパスOM-D(E-M5)について思うこと 2

とうとう全体像の写真がリークされた。
縦位置グリップ付きの写真である。

20120205a1_2

また、えらく懐古なデザインにしたものだ。
昔のモータードライブに似せた縦位置グリップや、極端に飛び出したペンタ部など非常にOMを意識していることが窺える。
嫌いではない。上手くOMをベースにまとめ上げた方だと思う。

20120205a2

背面はさらに直線的なデザインになっている。
最近の曲線と直線を組み合わせたデザインからすれば、かなりレトロチックではある。

写真から窺えるボディサイズは、レンズの比率から見て今までのE-P*シリーズからすれば僅かに大きくなったくらいだろうか。

20120205b_4

この感じだと、まだZDの松レンズにはボディが負けてしまうだろう。
いずれにしても大型のZDレンズを取り付けるとなると、マイクロマウントのサイズにアダプターを介する状況では強度的にやっぱり不安がありそうだ。
やはり松にはFTを使えと言う事ですかね。
でも竹クラスまでならいい感じにまとまるかも知れない。

20120205d_2

今までの欠点であったマイクロボディのグリップ感はこのOM-Dの出現により一気に解消されるだろう。
便利だったが、コンパクトすぎるGH2ではホールド感に若干の不満があったのだ。
多分、OM-Dは縦位置グリップを付けっぱなしになる可能性が極めて高い。

また、以前の噂になるがデジカメinfoさんに別のOM-Dの記事が載っていた。

オリンパスのOM-D(E-M5)の手ブレ補正はシフトブレと回転ブレも補正可能?
デジカメinfo

これはかなり凄いことだ。
マクロ撮影が多い私にとっては朗報である。
FT5ということから信憑性は高いだろう。

さて、今までの情報からするとこのOM-Dは非常に買いだ。
縦位置グリップ付きで購入することは間違いないであろう。

するとマイクロボディが再び3台になってしまう。
Olympus OM-D(予定)
・Panasonic GH2
・Panasonic GX1

20120205e

うーん、どれを手放すかとなるとGH2かな。
しかしGH2は金環食撮影時のマイクロ機の候補に挙がっているので外しにくいのだ。
GX1は高機能コンパクト機として外すわけにはいかない。

20120205a3

OM-Dを金環食の代用にすればいいと思うかも知れないが、実はOM-D本体の三脚穴は外付けのグリップ固定ダイヤル位置から光軸線上にない可能性がある。
金環食撮影に於いて、この光軸線上に三脚穴があると言うことが、実は戦略上重要なのではと考えているのだ。

20120205c

なのでGH2は光軸上に三脚穴が存在しているため現在は手放せない状態になっている。
ちなみにGX1の三脚穴は光軸上にあるものの、コンパクトが故にカメラプレートを取り付けた場合、バッテリーやメモリカードを交換する裏蓋が開かなくなるという致命的な問題がある。

ただ、OM-Dボディの三脚穴が光軸線上にあれば問題ない。
オリンパス製マイクロフォーサーズ機のフラッグシップなので、まず大丈夫とは睨んでいるのだが・・・・。

2012年2月 4日 (土)

金環日食な日々 3/ミラーレス

先日、予想通り望遠レンズによる通常撮影ではミラーショックによるブレというDSLRの構造上避けられない問題が出てきた。

20120204j

ミラーを上げた状態で震動を伴わぬミラーアップ撮影という方法もないわけではないが、ミラーを上げている間はファインダーが見えなくなるという欠点もあるのだ。
そこで登場してもらうのがミラー構造を持たないミラーレスカメラ、つまりマイクロフォーサーズやNEX、Nikon1といったカメラ達である。

20120204m

今回使用するのは私の愛用しているミラーレスカメラであるマイクロフォーサーズを使って、金環食に応用できないかという検証をしてみる。

マイクロは焦点距離を2倍換算できるので望遠撮影には非常に強い味方となる。
ミラーレスはパナソニックのGH2を選んだ。本当はより小型のGX1を使用したかったのであるが、諸事情によりGH2で代用する。

20120204l_2

主軸となるレンズはCanonのEF300mm/4.0L IS USMなので、マウントの形状が異なってレンズとボディを装着することが出来ない。
そこで登場していただくのが、アクセサリで述べたEF-M4/3マウントアダプターである。

20120204k

これをレンズとボディの間に介することで、EFレンズとマイクロフォーサーズカメラをつなぐことが可能となるのだ。
しかし、マウントが電子接点を持たないためにAFだけでなく、重要な絞りのコントロールが出来なくなってしまう。

この理由が、絞り環を持たないキヤノンEFレンズとマイクロフォーサーズの融合の敷居を上げてしまっていると考える。
開放の明るいレンズとしてしか使えないのだ。
しかし、それを回避する方法がないわけではないが、それはまた今度に機会に。

20120204i1 20120204i2

EF300mm/4.0L IS USMの絞りはF8に設定してテレコン1.4xを装着する。
これにマウントアダプターを介せば、300mmの望遠レンズが換算840mmの超望遠レンズに早変わりする。
恐ろしいことだ。

前置きが長くなったが、早速ミラーレスによるブレのテストしてみよう。

被写体はいつも高感度撮影に使っている置物の時計を使った。
細かい数字が書いてあるのでブレの確認にちょうど良いからだ。

20120204s

テスト方法は極力震動を控えさせるため、頑強なRRSの三脚TP-243に、同じくRRSの大型雲台BH-55を取り付け、そこにEF300mm/4.0L IS USMの三脚座をセットした。
この状態で、「通常の指押し撮影」と、「レリーズ撮影」を複数回行い、平均的なブレの写真を選択する。

またこの検証のコントロールとして、EOS7Dでも同様の条件で「通常撮影」と「レリーズ撮影」、そして「レリーズ+ミラーアップ撮影」を行った。
写真は分かりやすくするため全てトリミングしてある。

【Panasonic DMC-GH2+EF300mm/4.0L IS USM+Extender EF1.4xIII


通常撮影(指押し)

20120204a1

レリーズ撮影

20120204a3

GH2による撮影では、さすがに指押しでこそブレが確認できるが、レリース撮影ではブレは認められないようだ。
つまりこれはシャッターを押す力でカメラが動いていると言う事なのだろう。

レンズを棒として見立てれば、横にした棒を中央で固定して片方の端にショックを与えているようなモノなのだろうか。
その場合、中央部の三脚座が支点として反対側のレンズ先端にも影響が出ている可能性がある。

【Canon EOS7D+EF300mm/4.0L IS USM+Extender EF1.4xIII】

通常撮影(指押し) 
20120204b1

レリーズ撮影
20120204b2

レリーズ+ミラーアップ撮影

20120204b3

先ほどのミラーレス撮影では強固な三脚に脚座を取り付けても、普通にシャッターを切ればブレを生じていることが分かる。

一方、こちらのDSLRでも指押しでは前者と同じ原因と考えられるが、それに加えミラーショックが大きな要因と思われる。
実際に前回の検証で、レリーズだけでもブレが認められるからだ。
ミラーアップ撮影に関してはまったくブレは認められない。

20120204d

いずれも場合もレリーズは必須だ。
ちなみにカメラにレリーズのコードをそっとかけただけでも、液晶に映し出される被写体が震動で揺れているのが分かる。かなり敏感だ。

20120204c7

まあ、写真の比較が分かりにくいと思うのでトリミングだけを並べてみた。
クリックにて拡大される。

20120204e

先日にGITZOの軽量三脚トラベラーを使用したとき、EOSのレリーズだけの場合でもブレが僅かに確認できたが、このような頑強なTP-243三脚を使用した場合はレリーズのみでもブレは殆ど分からない。
ミラーショックがあっても結構押さえ込まれているらしい。

やはりこのクラスの焦点距離になってくると三脚・雲台でかなり変わってくるようだ。
使い勝手はDSLRの手押し撮影がレスポンスや絞りの臨機応変な変更などで使いやすいが、ブレの問題から現時点ではやや厳しい。
やはり三脚・雲台も兼ね併せて考えねばならないだろう。

頑丈だが低くて使いにくい三脚か、華奢だが全高があり使いやすい三脚か・・・・。

いずれかの選択が必要と思われるが、これは実戦で使って決めてみた方が良さそうだ。
ちなみにミラーレスでバリアングル液晶を持ったGH2は両方の三脚に適応できると思われる。

20120204g

ただ、今回ミラーレスを使って感じたことは、キヤノンのEFレンズでMFを行うことがかなり至難の業であることだ。
AF前提の設計のためか、とにかくピントがシビアなのだ。

GH2の背面液晶にMFアシストを起動させて、微妙な力で少しずつピントリングを回して行く。
上手い人は問題なかも知れないが、私は眼の悪さも相まってえらく苦労してしまった。

20120204h_3
Panasonic DMC-GH2+EF300mm/4.0L IS USM+Extender 1.4xIII

今回の検証からではDSLRともミラーレスとも決めかねない。
次回、実際にDSLRとミラーレスは、どちらの三脚が使いやすいか太陽とほぼ同じ大きさである月を撮影して考えてみたい。
月の表面にはクレーターがあるのでブレの確認も出来るから一石二鳥だ。

1.プロローグ
2.アクセサリー
3.DSLRの震動
4.ミラーレス
5.三脚と雲台
6.とりあえず月を撮ってみよう
7.秘密兵器
8.秘密兵器の効果
9.太陽撮影の準備
10.太陽撮影とシャッター速度
11.解像度をもう少し
12.エピローグ
13.番外編

2012年2月 3日 (金)

オリンパスOM-DはE-M5?

このしばらくの間に、OM-Dに関するいくつかの噂が上がってきた。
出所はいつものデジカメinfoさんであるが。

オリンパスOM-Dの連写速度は9コマ/秒?

オリンパスOM-D(E-M5?)はパナソニックGX1と同じ16MPセンサーを採用?

オリンパスOM-D(EM-5)のAFはレンズ交換式カメラで最速?

オリンパスE-M5にはバッテリーグリップが用意される?

まあ、どれも楽しみな噂ばかりなので購入モチベーションも上がるというモノである。
どうやらOM-Dの名称はE-M5で落ち着きそうである。

20120203a_2

意外に感じたのが、GX1のセンサーと同じモノを使うという噂のコメント内容である。
パナソニック製GX1のセンサーを忌み嫌い、ソニー製のセンサーを求めている人が非常に多いことを感じたのだ。
GX1のセンサーの出来に非常に満足している私は時代に取り残されているのだろうか。
ソニー製のデジカメを使ったことはまだないが、試しにNEXを1つ買ってみるかな。

連写性能はあまり興味ないけど、AFの高速化は評価したいですね。
欲を言えば、遅くてもいいので暗所でもAFが正確に作動してくれると完璧なのだが、これはまだまだ先の技術になりそうだ。

また、バッテリーグリップが用意されるというのは有り難い。
オリンパス製のマイクロ機はデザインばかり優先させて、ホールド感がイマイチだったのでかなり期待してしまう。

ネーミングに関しては、みんなOMには拘りを持っているのかコメント欄に様々な意見が見られる。
いろんな意見が出ると言うからには、それなりに注目されている機種なのだろう。

私は何でもいいです。

20120203b_2
Canon EOS7D+Nikon PC-E MacroNIKKOR45mm/2.8D ED

ちょっと前になるが、高校時代のカメラに興味のない友人から、最近軽い一眼があるらしいのだがどれがいい?とミラーレス購入の相談を受けた。

自分の嗜好を押しつけるのは良くないので、とりあえずミラーレスにはNEX、M4/3、Nikon1、pentaxQの4つのマウントがある事を伝えたところ、違いは?という質問をされたためセンサーサイズだよとだけ答えておいた。

後日、何処のメーカーがいいのか決められないというので、実際に量販店に見に行こうかという流れになり、彼の財務大臣のお嫁さんも一緒に連れて行くことになったのだ。

私は友人がどのような基準で何を選ぶのかが興味津々であった。
もちろん、聞かれたことは偏らないように事実だけを述べようと考えていた。

店に入り、彼が最初に手に取ったのはNikon1だった。
長い時間いじくり回した後に、次に向かったのはNEXだ。

カメラには触れずに嫁さんとあれこれ話し合っているがすぐにその場を離れ、彼と嫁さんは私のご贔屓であるM4/3コーナーの前に立った。

彼はマイクロ機を一瞬だけ一瞥すると、突然G3を手に取って「これにする」と話しかけてきた。
えぇ?それだけで決めちゃうの?ペンタは?質問は?

彼はさっさと店員を呼びに行くと、あっという間にG3のWレンズキット(ホワイト)の入った紙袋をぶら下げて満面の笑みで帰ってきた。
さっきの前振りはいったい何だったのかと、帰りの電車の中で聞いてみた。

Nikonは魅力的だったけどちょっと高かったという。
それでは、なんでマイクロの、しかもG3を速攻で決めたのかということには、見た目が最もカメラらしく感じて値段も手頃だったからだという。それに・・・・。

「それに・・・・?」

「おまえもマイクロフォーサーズ使っているじゃないか。使い方が分からなかったら連絡するよ」

あぁ、知ってたのね・・・・。
知ればどうってことない落ちであった。

2012年2月 2日 (木)

金環日食な日々 2/DSLRの震動

以前にも話したと思うが、600mmを超えるレンズを使っていると問題になるのがブレだ。
つまりシャッターを切ったミラーショックにより共振が発生しシステム全体が震動してしまうと言う事だ。

20120202e1

これを防ぐためにはミラーを上げた状態で撮影するミラーアップ撮影が必要になるが、当然ミラーアップ中はファインダーが全く見えない。
背面液晶で確認することになるのだ。

20120202e

では実際にどの程度震動するのか確認してみた。
GITZOのトラベラーにEF300mm/4.0L IS USMに1.4倍テレコン、そしてEOS7Dを取り付けて35mm換算670mmとして撮影した。雲台はRRSのBH-40が取り付けてある。
ISOは100に固定、絞りはF11、AWBはAUTOに設定した。
三脚の脚は4段中3段伸ばした状態だ。(いつもこれである)

比較するために以下の3通りを試してみる。

1.三脚固定による通常の手押しシャッター
2.三脚固定によるレリーズシャッター
3.三脚固定によるミラーアップ+レリーズシャッター

20120202d_2

被写体にいいものがなかったので、とりあえず猿の置物に季節外れのクリスマス用オーナメントを持たせてみた。
このオーナメントの部分にピントを合わせる。
下の写真はトリミング画像である。

1.三脚固定による通常の手押しシャッター
20120202a1 
20120202a2

2.三脚固定によるレリーズシャッター
20120202b1 
20120202b2

3.三脚固定によるミラーアップ+レリーズシャッター
20120202c1 
20120202c2

これらの写真から言えることは、レンズを三脚座一点で支えている以上はミラーのショックを必要以上に拾ってしまうことだろう。
弥次郎兵衛の片方に触れている事と同じなのだろうか。
そのためか、1.の「シャッター手押しのミラーアップなし」は論外だ。

2.の「レリーズによるミラーアップなし」に関してはぱっと見て分かりにくいと思うが、画像をクリックするとぶれているのが分かる。
これも僅かではあるがミラーの震動を拾っているのだ。

3.の「レリーズとミラーアップ」はほぼ問題なさそうである。
やはり、安定した画像を撮影するにはミラーアップとレリーズは必須になってくる。

しかし、よく見るとミラーアップ+レリーズも若干ぶれているような気がしなくもない。このあたりをもっとハッキリさせるためには、より軽量なミラーレスカメラで確認する必要がありそうだ。

そこで次回はEF300mm/4.0L IS USMにミラーレス(DMC-GX1)を取り付けてさらなるブレの確認をしてみたい。

1.プロローグ
2.アクセサリー
3.DSLRの震動
4.ミラーレス
5.三脚と雲台
6.とりあえず月を撮ってみよう
7.秘密兵器
8.秘密兵器の効果
9.太陽撮影の準備
10.太陽撮影とシャッター速度
11.解像度をもう少し
12.エピローグ
13.番外編

2012年2月 1日 (水)

マイナーモデルチェンジのDMC-FT4

毎年購入しているパナソニック製タフネスコンデジの新製品が発表された。

20120201a

基本性能は今までのモデルと殆ど変わらないようだ。
防塵に防水12m、耐衝撃性能2m、耐寒性能-10℃等々。

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センサーも1/2.33型1210万画素のハイスピードCCD。
レンズもVarioElmar4.9-22.8mm/3.3-5.9(35mm換算28-128mm/F3.3-5.9)だ。

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では何が変わったのかというと、前回もあった高度計の精度が良くなった。
今までは気圧高度計のみだったのが、GPSの連動でより精度が増したらしい。
他に簡単レタッチ機能とパノラマ撮影機能が搭載され、12時間までのインターバル撮影も可能になったらしい。

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うーん、今のモデルとの差別化が難しい新製品だなあ。
GPS機能や高度計に関しては、オマケ程度にしか考えていないのでどうでもいいのだ。
それよりもカラーでお気に入りだったスパーキーレッドがなくなって、また元のオレンジに戻ってしまったのが悲しい。
まあ、前回のモデルチェンジで使い勝手はほぼ完成の域に達していたと思われるので、その辺りの変化がないのには安心した。

20120201e

今回のトピックスは廉価版のタフネスコンデジであるDMC-FT20が国内で発売されることだろうか。
こちらにはお気に入り色のレッドがあるとはいえ、ダウングレードするまではないであろう。

去年はFT3を購入しても震災の影響でスキーが中止になったり、夏場も色々心配でマリンスポーツにも行かなかったため、FT3の活躍は全くと言っていいほどなかったのだ。
このままお気に入りのカラーを手放して、別の色に切り換えるのもちょっと抵抗がある。

さて、どうしようか。
気になる機能と言えば12時間撮影できるインターバル撮影くらいだろうか。
この機能のためだけに買い換えて好みの色を失うのは気が引ける。
今回は様子見だろうか。

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