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2012年2月27日 (月)

金環日食な日々 /エピローグ

いよいよ、金環日食を望遠レンズで撮るこのシリーズも最終回となった。
今回は、このシリーズの総括と、追加事項を述べることにしよう。

20120227a

金環日食を撮るための望遠レンズに付けるボディは、EOS7DでなくGH2になった。
OVFだと紫外線を直視というリスクもあるが、やはり換算670mmより、840mmの方が迫力があるからだ。
もちろん、MFになってしまうため、マメなフォーカシングが必要になるだろう。
5月ともなれば気温もそれなりに上昇するため、レンズボディが温まりフォーカシングがずれる可能性が出てくるためだ。

20120227b

そこで懸案だったフォーカシング精度を高めるこのアイテムの出番となる。
液晶を覗き込むためのルーペだ。
UNのモニタリングPRO、UNX-8506。3倍の倍率を持つ。

20120227c

周囲をゴムで覆われているために遮光性は抜群で、GH2背面液晶のサイズにもぴったりに使用できる。
本体に首からぶら下げる穴が開いているために、そこにゴムを通して液晶に引っかけることで固定される。
だが、単純に輪ゴムで通しただけでは、傾斜角の強い本体の壁面を輪ゴムが常にずり落ちて使い勝手がよろしくない。

20120227d

そこで、何か利用できるモノはないかと周りを探してみると、女性が髪を束ねるために使うヘアゴムを見つけた。
太さ・強度ともに十分だ。
コレを使って利用しよう。

20120227e1 20120227e2 20120227e3

まず本体の首紐を通す穴に、廃棄処分のリード線を使ってリングを作る。
そこに先ほどのヘアゴムを通したあと、半田ごてで素早く固定する。
これで、そこそこな強度は保てるであろう。

20120227i

これが取り付けた写真である。
だが、これで背面液晶に取り付けても不安定さが残る。
傾斜角のある壁面を、ゴムがずれて移動し外れやすくなるためだ。

20120227f1 20120227f2

そこで、先ほどのリード線を使って壁面にガイドを作った。
少し余裕を持って、ヘアゴムがスムースに動きやすくするのがコツだ。
裏面はリード線の先端を曲げて外れにくくし、例の如く半田固定する。

20120227g1 20120227g2

かなり強引なやり方だが、これで固定は万全だ。
少し叩いたくらいではびくともしない。
このやり方がベストな方法とは言えないが、手軽に固定しやすい方法の一つとしてあげておきたい。

20120227j

半田固定するときは、紐も本体もゴムなので、手早い作業が必要になる。
おちおちしてると、ゴムが溶けてしまうので注意が必要である。

20120227k1

ちなみに、このルーペを取り付けて撮った黒点である。
15カット写して、ジャスピンが9枚。ピントずれが2枚。まあ使えるが4枚だ。

20120227l4

ちなみに全て開放で写してある。
いつものF11まで絞ったら、さらに使えるピントは増えるであろう。
GH2との使いやすさも相まって、日食撮影には手放せないアイテムになってしまった。
本当にいいですね、コレは。

20120227h1

他にも、座りながらの撮影が可能という長所もある。
まさにバリアングルならではのものだ。
コンパクトでありながら、強靱なブレ抑制機能を誇る日食撮影システム。
赤道儀がないので、マニュアルで太陽を追いかけねばならないのが唯一の欠点か。



もう一つ改良された箇所がある。

20120227m

RRSのカメラサポートバーの3支点目のY字型ホルダーの全景だ。
これを端で支えているカメラバーの長さは調節出来ない。
このままY字型ホルダーを上に固定して支えようにも、レンズの長さが僅かに足りなかった。

フードを伸ばせば支えることができるのだが、そうするとフィルターネジが引っ込んでしまうため、フィルターホルダーが取り付けられなくなる。
また、無理にフィルターホルダーを取り付けると、今度はY字型ホルダーが干渉してしまい、クランプ固定できなくなる。
非常に厄介なカメラバーの長さだったのだ。

20120227m1 20120227m2_2

今まで3番目の支点に関しては、単純にフードを支える状態で使用していた。
太陽を撮影するときはフィルターホルダーを装着せねばならないため、やむを得ず干渉するY字型ホルダーの前後をひっくり返し、辛うじてフード外縁を支えながらの撮影をしていたのだ。

だが、フードは基部のみをテープで固定されているため、支えている先端外縁部に関しては中空になっていることから、安定性が非常にイマイチであったのだ。

そこで、ステップアップリングを少し応用して、ダイレクトに固定させることに決めた。

20120227n

これは幅20mmのメタルフードだ。
このメタルフードはΦ77mmのフィルター枠に取り付けられ、フード先端には82mmのネジの切り込みが入っている。
つまり幅が20mmの77-82mmメタルフード兼ステップアップリングとなる。

20120227o1 20120227o2

ここにY字型ホルダーを支えるようにセットすれば、フードはレンズ本体に直結されているため、がっしりと固定できるというわけだ。
長さも申し分ない状態である。

20120227p

こんな感じで来たる5月21日の金環日食に対処するわけだ。

最後にRRSカメラサポートバーを使うに当たってのコツがある。
全体を固定させるために締め上げるのはおそらく全然問題ない。
締め付け圧のかかる順番さえ間違えなければ、アバウトにできる。

20120227q

問題は一番最初の三脚座やカメラ本体に「プレート」を取り付けるときだ。
歪めて取り付けてしまったら全てが歪む。
僅かな誤差であれば問題はないと思うが、ここに関しては神経を使ってガッチリとプレートを中心線に固定していただきたい。

さあ、あとは本番を待つのみだ。
ひょっとしたらカメラがGH2からOM-Dに変わってしまうかも知れないが・・・・。

1.プロローグ
2.アクセサリー
3.DSLRの震動
4.ミラーレス
5.三脚と雲台
6.とりあえず月を撮ってみよう
7.秘密兵器
8.秘密兵器の効果
9.太陽撮影の準備
10.太陽撮影とシャッター速度
11.解像度をもう少し
12.エピローグ
13.番外編

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