5D3の露出問題
ちょっと古い話題だが、先月末あたりからネット上で少し取り上げられている5D3の露出問題がある。
EOS 5D Mark III の上面液晶のバックライトをONにすると露出が狂う?
デジカメinfo
要はレンズキャップとアイピースカバーを取り付けた状態で、ISOを高感度に設定し、上部液晶のバックライトを点灯させると露出が変化するというものだ。
自分の5D3でも同様の症状が確認できた。
点灯させずにLEDライトを近づけても同じである。
問題は通常の夜景撮影などで影響が出るかどうかと言う事だ。
露出が変化する再現性の検証はネットで多数見受けられるが、実際の静止画像比較はなかなか見つけられないため、もう自分で夜桜を撮影して実際にどの程度の変化があるのか己で判断することにした。
水曜の夜は雨だったので、晴れた木曜の夜に撮影を決行した。
Canon EOS5D mark3+EF50mm/1.2L USM
やり方は単純に三脚に固定した5D3をプログラムモードにしてリモートレリーズを押しただけである。
まずは通常撮影時と同じようにアイピースカバーをつけず、ISO800に固定して撮影した。
レンズは少しでも明るいものをとEF50mm/1.2L USMに選択し、ピントを合わせた後にMFにスイッチを切り換えておく。
写真は手を加えずにjpeg撮って出しだ。
左がそのままレリーズ、右がバックライト点灯中にレリーズした。
BLはバックライトの略、数値はシャッター速度である。
下部の写真は背景の色を見るためのトリミングである。
アイピースカバー(-)・ISO800
確かに僅かではあるが露出が変化している。
シャッター速度から確認すると、バックライト非点灯時が0.8秒、点灯時で0.6秒である。
左の方が僅かに明るく撮影されている。
複数枚撮影したが全て同じ状況だ。
次にISO感度を6400まで上げて同様の撮影を行った。
こちらはシャッター速度に変化は見られない。
だが、拡大写真を見ればバックライト点灯の方が、僅かに露出が変化しているのがわかる。
シャッター速度不変の原因は不明だが、露出の変化によるシャッター速度が液晶に現れるタイミングを逃したのだろうか。
確かに高感度撮影なためにレリーズ終了からファイル記録までの時間は短い。
ISO200は撮影時間が長いのでシャッター速度に差が現れている。
前者と同様にバックライト点灯の方が暗く写っている。
次にアイピースカバーをつけた状態で、ISO800の撮影を行ってみる。
アイピースカバー(+)・ISO800
こちらもアイピースカバー(-)とシャッター速度も同じだ。
露出の変化も同様である。
要はカバーがあってもなくてもバックライトが付けば変化するという訳だ。
それでは、上部液晶に直接LEDを照射したらどうであろうか。
室内の確認時には変化が出た。
そこで、こちらも同じ条件で撮影をしてみる。
強烈なLED照射のために、アイピースカバーはつけておいた。
どうだろう。
シャッター速度に差は見られないが、僅かにLEDを照射した方が露出が低い気がする。
ISO6400と近い結果が出たと思う。
上部液晶の様々な照射角を試したわけではないので、問題ないとは言い切れないが、LED照射はバックライト点灯より影響が少ないと思われる。
さて、アバウトなテストなので厳密なことは言いにくいが、結論からいうと5D3の夜間撮影に於いて、バックライトを点灯すると露出に多少の変化が出た。
僅かな光が桜を照らしているこの状況ではシャッター速度1/3段程の影響があるようだ。
RAW撮影否定者でJPEG命の人ならば、多少の問題があるかも知れない。
だが、その場合でもバックライトが消えてから撮影すればいいわけで、さほど問題になることはないであろう。
RAW撮影ならばソフト的に僅かな補正で済む。
暗闇に近い状態で、素早い撮影タイミングの機会などそうそうあるものではない。
バックライトを消してから、シャッターを押せばいいのだ
咄嗟の撮影状況が必要な場合なら、ファインダーを覗いて構えておけばよい。
まあ、素人のような私が使う上ではほぼ影響はないと思われる。
私自身、夜桜撮影でこのレベルなら無視する。
レンズキャップを取って、光がある程度入る状況ならば5D3で撮影しても自分は殆ど気が付かないだろう。
だが、やはりバックライトで露出に僅かでも影響が出るというのは問題だと思う。
滅多に実害が出るわけではないが、この問題はない方がいいに決まっている。
精密機器のため、設計上は単純な修理は難しいかも知れない。
次期5Dから改善されていることを期待したい。
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