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2012年5月 4日 (金)

マイクロフォーサーズなダークノイズ

前回、キヤノンの天体専用カメラEOS 60Daのダークノイズの優秀性が分かったが、それではコンパクトなマイクロフォーサーズ機ではどのように写るのか、その点について検証してみたい。

20120504a

現在、自分の所持しているマイクロ機は先日発売になったばかりのOM-D(E-M5)と、コンパクトなGX1だ。
この2機種についてダークノイズを調べてみた。

20120504b

本来は、最強の60Daと揃えた10分・5分・3分のダークノイズを調べてみたかったのだが、GX1は最長2分までのバルブ撮影しか出来ないようだ。
まあどうせ赤外フィルターが「まんま」のために、赤い星雲の写りはよろしくないと思われる。
となると、マイクロ機による天体撮影は広角レンズによる星景写真が主体となりそうなので、2分・1分・30秒の設定に変更した。

【テスト撮影】

先ほど書いたように、露出時間は2分・1分・30秒の3通りを行い、各々に対しISO800・1600・3200を撮影した。
EOS60Daの時と同じく、長時間ノイズ除去はOFFとする。
室温は24度。

DMC-GX1
Gx1_a_2

OM-D(E-M5)
Em5_a

ここではOM-Dの熱ノイズの少なさが目立つ。
一見したところ、ISO3200の2分露光でも分からないくらいだ。
GX1ではISO800でこそノイズは殆ど分からないが、ISO1600の露光1分程からノイズが目立ち始める。
ISO3200に関しては、全てに於いてノイズが出始めていることがすぐに分かる。

【露出+3.0】

ここで、ダークノイズの耐性を見るために露出を+3.0まで上げて、熱ノイズのコンタミ度をチェックしてみたい。

DMC-GX1 露出+3.0
Gx1_b_2

OM-D(E-M5) 露出+3.0
Em5_b

これには正直驚いた。
ここまでOM-Dの熱ノイズ耐性が高いとは思わなかった。
ISO3200の1分・2分の上部にうっすらと熱ノイズが認められる以外はハッキリ分からない。
対してGX1は全体に熱ノイズが被っており、何故にGX1のバルブ撮影が2分までしかないのかの理由が分かってしまうようだ。

【トリミング】

この差を見てしまうと、もうGX1は天体に使うことはあり得ないので、OM-Dのみのチェックをしてみたい。
それでは、OM-Dの中央部トリミングデータを一覧にして出してみる。
撮って出しデータと露出+3.0データを対比させてみた。

OM-D ダークノイズ・トリミング

Em5_c

さて、OM-Dの熱ノイズ耐性がここまで高いようなので、せっかくだからダークノイズ5分のデータも出してみたい。

上段が撮って出しデータ。
中段が露出+3.0。
下段がそれぞれの中央部トリミングである。

OM-D(E-M5) 露出時間5分

Em5_d

このテストからOM-Dにおける天体撮影時の最高感度は、撮って出しならばISO3200でもいける勢いだ。
複数枚の写真を加算するコンポジット撮影ならば、より美しい画像が期待できる。
1枚の撮影データから、スライドバーをいじくり回して画像編集するならばISO1600にしておいた方が無難だろう。

このOM-Dはマイクロ機の中では、おそらく最強の熱ノイズ耐性を持つと思われる。
パナソニック製センサーにぶっちぎりの快勝である。
まさにマイクロ版60Daのようなものであろう。

さすがに60Daには遠く及ばないものの、マイクロならではの小型軽量という特性を生かせれば、天体撮影に於いては切り札となり得るポテンシャルを秘めているのではないだろうか。

12mm/F2.0などの広角レンズを用いた星野写真などでは威力を発揮しそうだ。
ただ赤色星雲の再現性や光害によるコントラストの低下など、現在のマイクロ機では今ある天体専用DSLRに取って代わることはまだ時期尚早かも知れない。

それでもこのOM-Dの登場は、その未来を明るく照らしてくれるシリウスのように感じてしまうのだ。
高感度撮影にも強く、熱ノイズにも強い。OM-Dがこんなに使えるとは思いも寄らなかった。

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コメント

OM-Dはパナソニックのセンサーではないそうですよ。ソニーかサムスンではないかと言われています。

すいません、書き方が良くなかったですね(^_^;

「パナソニックセンサー(に)ぶっちぎりの・・・・」
という意味でした。

ご指摘、ありがとうございます。
確かに仰るとおりの意味にとられてしまいますね。修正しておきました。
m(_ _)m

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