Lumix G X VARIO 12-35mm/F2.8 ASPH.(スペック)
2008年に初代マイクロフォーサーズ機が発売されたときから、いつか出るであろうと夢見ていた大口径ズーム。
当時は2.0は無理でもF2.2、悪くてもF2.5通しのズームにしてくると予想していた。
そのころのマイクロ機はまだ高感度耐性がひどく、一回り大きいAPS-Cセンサー機に対してアドバンテージを取るには、彼らの大口径F2.8ズームより明るいズームレンズが必要なのではないかと思っていたからだ。
そんな中、パナソニックから発表された大口径ズームレンズの開発発表は心を非常に躍らされた。
しかし、蓋を開ければ一般的なF2.8通しのズームであり、その時の私の落胆ぶりは酒が入っていたとはいえ、本気でマイクロを見限ろうとさえした記事を書いたこともあった。
しかし、最近のマイクロフォーサーズセンサーの出来は非常に良く、ISO3200あたりでも十分に常用になりつつある。
酒の抜けた後は落ち着きを取り戻し、ジッと様子をうかがいながらも、徐々にF2.8を受け入れるようになっていった。
そんな折、ついに発売されたのがこのレンズだ。
とりあえずは小型軽量を旨とするミラーレスカメラのなかで、唯一無二の専用大口径標準ズーム、Lumix G X VARIO 12-35mm/F2.8 ASPH.である。
というわけで、購入してしまった。
さて、前置きが長くなったがスペックを語る。
35mm判換算にすると、24-70mm/F2.8となる大口径ズーム。
全長はφ67.6mm×約73.8mm、重量は約305g。
これは信じられないような重量だ。
本来はフルサイズ版で900g前後、APS-C版で500g前後の重量がある。
フィルター径はお財布に優しいΦ58mm。
私はマイクロのレンズにはフィルターはつけないのだが、このズームはつけておこうと思う。
やっぱりちょっとお高いですから。
レンズ構成は9群14枚。内訳は非球面レンズ4枚、UEDレンズ1枚、超高屈折率UHRレンズ1枚とかなりゴージャスな構成となっている。
インナーフォーカスなのでフォーカシング時にレンズの全長は変わらない。
先日も述べたが、残念ながらこのレンズはインナーズームではない。
ワイド端で全長は最短となり、テレ端で最長となる。
2.5cmほど鏡胴が伸びる。
手振れ補正はPOWER O.I.S.が搭載され、フォーサーズ初期の頃のような効いているのかいないのか分からないようなレベルではなく、メジャー級に引けを取らない程までに進化している。
PZ14-42mm/3.5-5.6の、それと異なり切り替えスイッチが付いている。ありがたい。
さらにナノサーフェスコーティングがなされている。
早い話がNikonのナノクリと同じようなモノとして理解しているが、間違っていないですよね?>panaさん。
また、絞り羽根は7枚で円形虹彩絞りが採用されている。
最短撮影距離は驚くべき事に25cm、最大撮影倍率は0.34倍である。
はっきり言って簡易マクロが搭載された大口径標準ズームみたいなモノだ。
寄れて良し、ボカせて良し、シャッター速度が稼げて良し、と最強のズームに仕上がっている。
フードは花形バヨネットが付属している。
ひっくり返しての装着が出来、幅が少ないためにそのままバッグに収納しても場所を取らない。
有り難い心遣いである。
パナ製マイクロフォーサーズ用レンズでは初の防塵防滴レンズとなっている。
ボディがまだ対応されているものが存在しないために、恐らくは近いうちに対応ボディが発表されるだろう。
多分GH3と思われる。
現時点では、このレンズとの組み合わせで防塵防滴の効果を発揮するのはOM-D(E-M5)しかない。
OM-Dのズシリとした重量も相まって、このレンズをつけたホールディングはすこぶるよろしい。
ジッと見つめていると、とうとうここまで来たかという感慨深い感情がわき上がってくるのだ。
かといってGX1に取り付けると、これはこれで実に軽量な大口径ズームシステムができあがる。
光量の少ない店内などで、手軽に撮影するときなど重宝するだろう。
とうとうマイクロシステムに実用的な大口径標準ズームが誕生した。
このレンズの存在意義は色々な意味で非常に大きい。
パナさん、よくぞ出してくれました。
次回はこのレンズのテスト撮影を行ってみる。
Lumix G X VARIO 12-35mm/F2.8 ASPH.
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