EOS M で月撮影
さて、先日(月曜日)は雲はあるものの比較的空が晴れていたので月撮影を決行してみた。
いよいよEOS Mの真骨頂だ。
2倍のテレコン EF Extender 2xIII をつけたEF400mm/5.6L USMによる、換算1200mmオーバーの月面撮影である。
タッチパネルやリモコンレリーズによる便利なAF撮影は、鈍くさいEOS 60DaによるコントラストAFよりも遙かに高速なハズ(?)である。
期待を裏切らないでいただきたいモノだ。
まだ専用EF-Mレンズが2本しかないEOS Mで、超望遠撮影を行うにはEFマウントアダプターが必要となる。
これに超望遠EFレンズを取り付けるのだ。
現時点で、リーズナブルな400mm以上の超望遠レンズはコレを於いて他にない。
EF400mm/5.6L USMである。
これにマウントアダプターを取り付けて、EOS Mに装着しても僅か640mm/F5.6相当の望遠レンズにしかならない。
これでは月や太陽を撮っても迫力が少ない。
そこでテレコンの出番である。
この焦点距離を2倍にするテレコンバーターを取り付けることで、焦点距離640mm相当を2倍の1280mm相当にアップできるのだ。
だが、欠点もある。
マスターレンズのF値も2倍に暗くなってしまうのだ。
つまり400mm/F5.6は800mm/F11相当のレンズとなってしまう。
ここで問題が出る。
DSLRの様な位相差AFを持つカメラではF11の暗さのレンズではAFが働かない。
F8.0を超えると動かなくなってしまうのだ。
そこでミラーレスカメラの登場である。
ミラーレスのコントラストAFであれば、開放F値には影響を受けないためだ。
さて、超望遠となるとブレとの戦いになる。
上手いことにEOS Mにはマウントアダプターに三脚座が装着されている。
この三脚座と、望遠レンズの三脚座の2カ所を固定できれば、より安定性の高いシステムを組み上げることが出来るのだ。
詳しい事はブレとの戦いを記録したこのシリーズを見ていただきたい。
その時のシステムを使って、EOS M 超望遠撮影システムを組み上げた。
うん、かなり軽量でコンパクトなシステムだ。
とはいうものの、それなりの重量ではあるが。
ガッチリと固定されているために、風や外的な震動にもかなり強い。
システムと雲台との固定位置は、カメラバーの重心にすると結構いい。
Olympus OM-D(E-M5)+M.ZD ED75mm/1.8
では早速外に出て撮影してみましょうか。
少し風が出ているようであるが、RRS三脚であるVersa3はこの程度の風であれば問題ない。
Canon EOS M+EF400mm/5.6L USM+EF Extender 2xIII
トリミングなしの状態、1280mmの月である。
月撮影はMモードでの撮影をお勧めしたい。
なるべくISO感度は低めに、シャッター速度はお好みで。デジタル時代の良いところである。
フィルム時代はISO100・F11・SS1/125ばかりで撮影していた。
Canon EOS M+EF400mm/5.6L USM+EF Extender 2xIII
ちょっと迫力を出すときにはトリミングすると良い。
本当にAFが働いて楽になった。バッチリである。
MF使用時のEFレンズフォーカスリングは微調整が難しくてピント合わせに苦労した。
それから開放されるだけでもEOS Mを使う価値はあるのではないかと思ってしまう。
太陽撮影などはレンズが温まるとピントがずれるので常にフォーカシングばかりしていた。
Canon EOS M+EF400mm/5.6L USM+EF Extender 2xIII
さらにトリミング。
1800万画素の恩恵だ。
AFスピードは激速ではないが実用レベル、AF精度も上々で文句ない。
フィルムの時代からすると信じられないような撮影が出来るようになった。
スゴイですねえ。
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はじめまして。
突然のコメントで失礼いたします。
Really Right Stuffのシステムで太陽・月の撮影をされている様子を拝見して、興味が湧き是非とも購入の詳細を教えていただきたく宜しくお願いします。
投稿: ゆきPaPa | 2012年12月28日 (金) 18時49分
こんばんは、お返事が遅くなって申し訳ありません。
ご存じとは思いますが、Really Right Stuff(以下RRS)はアルカスイス規格に準じた
米国製アクセサリーメーカーです。
ゆきPaPaさんの三脚歴が分からないので、どのレベルからお話ししたものか悩む
所なのですが、簡潔に述べるとこのシステムはレンズサポートパッケージとMPR
エンドレールパッケージを組み合わせたものです。
それぞれのパッケージは被る部分がありますのでレンズサポートはPKGで、
エンドレールはバラで購入するなどすると良いでしょう。
このレンズサポートシステムにEF400mm/5.6L USMとミラーレスカメラを取り付けると
合計で3kg以上の重量になります。
そのため、支える三脚と固定する雲台は最低でも耐荷重8kg以上のものをチョイスした
方が無難です。
これはミラーレスの話であって、DSLRを付けるとなるとさらに土台部分の剛性を
高める必要があります。もちろんミラーアップ撮影は必須です。
同じ三脚を使うならば、エレベータは使わずに、且つ三脚の足はすべてたたんだ低い
状態で使うなどの工夫がいります。
超望遠撮影は振動との戦いになりますが、ミラーレスの出現でその敷居はかなり低く
なったように私は感じます。
このレンズサポートシステムの剛性感はただ者ではありません。
一つ注意することは、レンズを固定するいくつかのつまみネジがあるのですが、
その向きを統一することです。
右や左にばらして組み立てるとレンズの光軸が微妙にねじれて収差が出やすく
なるようです。
慣れるとどの順番でネジを締めると具合がいいか分かるようになりますよ。
投稿: ちぇりた | 2012年12月29日 (土) 02時19分
ちぇりたさん
早速の詳しいコメントありがとうございます。
ネットでいろいろ調べましたがRRSのサイトでしか購入できないのでしょうか?
eabyやセカイモンでも検索しましたがヒットしませんでした。
やはり個人輸入的な購入方法しかないのでしょうか?
投稿: ゆきPaPa | 2012年12月30日 (日) 00時13分
そうですね。
敷居は高く感じられるかもしれませんが、使われているタームも一般的な
ものですし、一度試してみれば「なんだ、こんなものか」と感じますよ。
ただ、最低限クレジットカードが必須となります。
代引きや振り込みなどはありません。
前に一度、RRSのアクセサリを代理で輸入してくれる日本の業者をサイトで見かけた
ことがありましたが今回ちょっと探してみたところ見当たりませんね。
こういった個人代理業者はトラブルの可能性も否定できませんので、やはり一番安全
なのはRRSからの購入だと思います。
今のところRRSとのトラブルはありません。
少し前に納入が遅れていた機材の確認のためにFAXをしたことがありましたが、親切
丁寧な返事をいただけました。
質問や確認などに対しての電子メールでのやりとりは行っていないようで、基本FAXか
電話のみというようです。
投稿: ちぇりた | 2012年12月30日 (日) 02時44分