RRS 雲台
今日は所持している雲台のことを。
雲台というモノがある。
三脚撮影するときに、三脚とカメラ本体の間に挟んであるアレだ。
カメラの向きを自在に変えることの出来る便利な固定具である。
私はいつもボールヘッドとも言われる自由雲台を使っている。
根がアバウトなので素早く自在な位置に固定できるこの雲台は手放せない。
特に蚊が多い季節などは自由雲台の独擅場である。
個人的に贔屓にしているメーカーがある。
RRS(Really Right Stuff)という雲台やクランプを製造販売している米国製メーカーだ。
このメーカーの特徴は、多々あるカメラの機種別に専用プレートが揃えられていることにある。
クランプサイズはアルカスイスに準じたモノで汎用性が非常に高い。
この専用プレートはDSLRに取り付けても目立つことなく、且つバッテリー交換やケーブルの接続、そしてボディのホールディング考慮して作成されているため、わざわざプレートを外してメモリカードやバッテリー交換を行う必要がないまま装着した状態での手持ち撮影がストレスフリーで可能なのだ。
そんなプレートを最大限に活用できるのがRRS自由雲台である。
ボールサイズで分類されているこの雲台も、気がついたら全種類揃っていた(笑)。
まず、小さい順から見ていきたい。
【BH-25】
BH-25。
ボール径が1インチ、25mmの超小型雲台だ。
耐荷重は4kg、全長はクランプ込みで6.6cm、自重は185g。
とにかくコンパクトである。
GITZO三脚のGT1541Tに取り付けると最もコンパクトに収納可能なのだが、耐荷重に難があるので自分としては一脚(GM2561T)用に使用している。
諸事情でクランプは次項に述べるBH-30のモノが取り付けられている。
コンデジやコンパクトレンズをつけたミラーレスならばこのBH-25とミニ三脚で十分だろう。
【BH-30】
BH-30。
ボール径が30mmの小型雲台である。
耐荷重は6.8kg、全長はクランプ込みで7.5cm、自重は283g。
フリクションの調節が出来るダイヤルが付いている。
小型の自由雲台なので、軽量で小型な最も使用頻度の高い三脚であるGT1541T(トラベラー)に使用している。
4種の中では一番最後に購入したのだが、BH-25と共通のクランプを使っているにも関わらず、プレートを外すときの開口部が小さいのか全開にしても引っかかる。
安全性のために改良されたのか、精度が悪いのかは分からないが、毎回カメラの装着取り外しに面倒なのでクランプ部分だけをBH-25のそれと取り替えた。
トラベラーには今まで次項に述べる一回り大きいBH-40を使っていたが、重量がかさむためこちらの小型雲台BH-30に切り換えたのだ。
ガッチリとした安定性は僅かに落ちるが、機動力を優先してBH-30を取り付けることになった。
【BH-40】
BH-40。
ボール径が40mmの中型雲台である。
耐荷重は8kg、全長はクランプ込みで7.6cm、自重は479g。
水平にパンさせる部分と、ボール部のフリクションダイヤルがそれぞれ独立している。
最も古参のRRS自由雲台である。
コンデジからDSLRまで幅広くテスト撮影などに活躍してくれた。
すでに薄汚れ、年期の入った風体をなしているが機能的には全く問題ない。
歴代GITZO三脚達の雲台部分を努めてきた。
広角から望遠まで、レンズとボディ重量をさほど気にしなくていいのが嬉しかった。
しかし、すでにトラベラーにはBH-30が取り付けられているので、この雲台は引退することになる予定だったのだが・・・・。
星景写真計画を立ち上げたために再びこの雲台が脚光を浴びた。
TH-DVTL-40というクランプに挟み込むためのアダプターを三脚穴に取り付ける事によって、雲台をパノラマコンポーネントに装着可能となる。
これによって望遠レンズ用のジンバルヘッドと、広角用の自由雲台を簡単に切り換えることが可能となった。
本当に便利である。
【BH-55】
BH-55。
ボール径が55mmあるRSS最大級の大型雲台である。
耐荷重は23kg、全長はクランプ込みで9.4cm、自重は816g。
BH-40と同じくフリクションダイヤルが独立している。
固定レバーがノブに切り換えられており、微妙な調整が可能となっている。
とにかくガチムチの自由雲台だ。
皆既日食や金環食、月撮影など超望遠レンズを載せるときには必ず使用している。
使用三脚はTP-243やTVC-33S Versa3など、ガッシリ系の三脚に載せている。
耐荷重が大きいため、レンズやカメラボディに気を使わなくていいのが嬉しい。
この雲台は汎用性が高くないので使用頻度は低い。
だが、なければ困る雲台でもある。
と、このようにRRSの雲台からクランプまで揃えると非常に応用性が高くなる。
工作好きな人ならばはまること請け合いである。
ところで雲台を使用するにあたって個人的なマイルールを厳守している。
カメラ+レンズの重量は耐荷重の半分以内に抑えていることだ。
それともう一つ、三脚利用時はレリーズを使うのだ。
これによって、特に超望遠レンズを使用する場合にかなりブレの抑制ができる。
まあ200mmクラスの望遠レンズ程度ならば、余程環境が悪くなければ耐荷重ギリギリのシャッター手押しでも大丈夫かも知れない(?)。
以前のように大三元ズームトリオや、200mm/F2.0を持ち出すほどの気力は今はない。
そのためシステム自体も軽量化にシフトしたので、メイン雲台もメイン三脚も小型化させた。
作りはワンランク落ちるが、私の使用法では実用性は今までと変わりはないようなのでダウンサイジングは成功したようだ。
小型軽量化は登山道具と同じで、如何に必要なモノをコンパクトに少なく軽く出来るかというところにかかっている。
どのラインまで妥協をするのか。
これがまた面白いところでもあるのだ。
« 傘寿 | トップページ | さば雲とNOKTON17.5mm »
古い記事へのコメントになりますが、ご容赦を。
RSSのパノラマ雲台PCL-1をお使いになっておられるようなので、
質問をさせて下さい。
回転(パン)を固定させたり開放するノブは、少し回すだけで
緩んでパンが可能になりますか?
それとも、たくさん回さないと緩まないのでしょうか?
当方で使用しているGitzoのパノラマ雲台は、ノブを少し回した
だけで緩み、パンの微調整が難しい(一発で決まらない)のです。
(ノブを少し回した状態で、パンさせるのに抵抗があれば、
微調整がやり易いのではと考えています)
投稿: anko | 2012年11月15日 (木) 00時19分
RRSのPCL-1はノブが二つ付いており、小さい方がパンさせるロック側のノブとなっています。
比較となるGitzoのパノラマ雲台に触れたことがないので、はっきりとしたことは申し
上げられませんが、やはりRRSも少し回しただけでロックは外れます。
ただパンさせたときに感じる抵抗はかなり感じるものがあり、コシナCZレンズのヘリコイド
の如くヌルヌル感といった様相を呈していると感じています。
ただ、天体撮影でのこのパノラマコンポーネントのみの微調整はかなり難しいです。
私はある程度の方向を決めたら三脚の脚をずらしたり、マンフロットのレベリングベースで
微調整することを考えていましたから。
もし、僅かな微調整のみでしたらパン雲台と微動雲台の組合せはなどどうでしょうか。
星屋たちの間ではマンフロット410のギヤ付き雲台を3軸から2軸に改造することが
かなりメジャーになっているようです。
これでしたらX軸Y軸の微調整がダイヤルによって可能になります。
ただ、410は耐荷重が5kgまででしたので、私は長時間露光による剛性能を考慮して
見送りました。
シャッター速度が稼げるのであれば、選択肢の一つとしていかがでしょうか。
投稿: ちぇりた | 2012年11月15日 (木) 01時38分
ご丁寧な回答ありがとうございました。
ほんの少しですが、PCL-1に期待が持てそうです。
これだけで、オーダーするのは送料がもったいないので、
ほかの物と一緒に買ってみようかと考えて見たり。。。
マンフロット410は手元にありますが、おしゃる通りに
耐荷重が問題となり、長玉を乗せるのは無理ですね。
(パノラマ雲台も長玉を乗せることは想定外でしょうが)
『改造』ですか、良い考えかもしれませんね。
パノラマ雲台を眺めて、できないか検討してみます。
投稿: anko | 2012年11月15日 (木) 19時04分
PCL-1で行きますか。
一つ注意する点としては、「うっかり」長いノブを回してしまうことがあるのに注意して
ください。(^_^;
上の機材が落っこちてしまいます。
長いノブは、掴んで角度調整するのに便利なので、ついこちらを触ってしまうのです。
そのときに、つい方向の固定を外そうと思いながら長いノブを回してしまうと・・・・。
個人的には機材固定側をレバーロックにしてくれるとうれしかったです。
投稿: ちぇりた | 2012年11月15日 (木) 22時59分