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2013年6月17日 (月)

EF24-70mm F4.0L IS USM とフォーカスシフト(後編)

先日の続きである。

5D3とのレンズのAF微調整も済んだため、早速のフォーカスシフトの確認に入る。

20130617a

スパイダーレンキャルまでの距離は通常撮影の最短38cm。
5D3のISOは100、WBはオートに固定した。
絞り優先モードにして、各絞り値にて撮影を行った。

【通常モード】

開放(F4.0)から1段ずつ絞ってF22まで撮影した。
写真はすべて分かりやすくするためトリミング画像である。

F4.0(開放)
20130617b1

F5.6
20130617b2

F8.0
20130617b3

F11
20130617b4

F16
20130617b5

F22
20130617b6

開放では焦点の合ったスケールは"0"となっている。
1段絞ったF5.6では-2.0mm
2段絞ったF8.0では-4.0mm
3段絞ったF11では-5.0mm
4段絞ったF16では-7.0mm
5段絞ったF22では-9.0mm

絞るほどに焦点の被写界深度が深くなるために、その中央当たりのスケールを読んだつもりである。

分かりやすいようにサムネイルを作ってみた。クリックで拡大する。

20130617f

自分が思っていたほどのフォーカスシフトは生じていないようだ。
基本、接写では手振れを防ぐために開放で撮ることが多い。
このレベルならば被写界深度を考慮してもさほど気にしなくても大丈夫であろうか?

いやいや、更なる接写。
つまりマクロモードで撮影したときにフォーカスシフトはさらに激しくなるのであろうか?
ここでマクロモードでも同じような検証をしてみたい。

20130617c

スパイダーレンズキャルの構造上、レンズが接触する直前でテスト撮影を敢行した。
カメラボディ条件は上記に述べたものと同じである。

【マクロモード】

F4.0(開放)
20130617d1

F5.6

20130617d2

F8.0
20130617d3

F11
20130617d4

F16
20130617d5

F22
20130617d6

コレには極端なトリミングは必要なさそうだ。

開放での焦点の合ったスケールは"+1.0mm"
1段絞ったF5.6では+0.5mm
2段絞ったF8.0では0mm
3段絞ったF11では-0.5mm
4段絞ったF16では-1.0mm
5段絞ったF22では-1.5mm

思ったよりもシフト領域が小さい。
1段絞って0.5mm単位である。
これならマクロモードでは殆ど気にしなくて良さそうだ。
自分はマクロモード時はほぼ開放で撮影することが殆どだからである。

こちらも分かりやすくするためサムネイルを作成した。クリックで拡大する。

20130617g

通常モードもマクロモードも一般的な撮影であれば、まず気になることはないだろう。
開放F値がF4.0と幾分暗めなのが幸いし、被写界深度で上手くごまかせると思う。

ただ、等倍鑑賞を楽しみたい方は素直に高級標準ズームや専用のマクロレンズを使用した方が吉だろう。
様々な原因で起こる微妙なピントズレを、レンズ固有の持病だととらえてしまう可能性が高い。
そうなればこの汎用性の高い超便利ズームを、駄ズームレンズと認識してしまって、本人のみならずレンズそのものも可哀想である。

20130617e
Canon EOS 5D MarkIII+EF24-70mm/4.0L IS USM

個人的な考按を述べさせていただくと、先に述べたように通常使用では全く心配しなくて良いレベルだと思う。
フォーカスシフトは確かに生じる。
しかし、そのレベルは自分が考えていたよりもずっと小さなものであるし、何より実写撮影時に於いて疑問を感じることはなかった。

このレンズのスペックを見て、「一本の標準ズームに0.7倍マクロ添付で600gかぁいいなあ」と思えた方は超おすすめだ。
逆に「Lレンズだし、マクロも付いているからお値段的にコスパの優れた製品かな?」と思った方は、素直に各々の専用Lレンズを購入することを推奨したい。

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コメント

はじめまして
いつもブログ更新を楽しみにしております
コメントすべきがどうか悩んだのですが。。。
すみません
気分を悪くされたら申し訳ないです

私もスパイダーキャレルを愛用しておりますが、通常モードF4の写真を見ますと、前側4mm周辺にピントがあっているように思います
軸上色収差の後ろ側の緑色の縁取りが0mmの目盛りについております
F5.6でジャスピンだと思います
私もスパイダーキャレルを使用しておりますが
大口径レンズの場合、軸上色収差のグリーンとマジェンタの境界を基準にピント位置を見ております。

近接では僅かな誤差でも、ポートレートの距離(ニコン推奨もピント調整距離)では被写界深度も深くなりますが、、ピントの誤差が広がってきます
この距離で4mmくらい差があると、ポートレートの距離でフルサイズF4で撮影すると前ピンになるのではないかと推測しておりますがいかがでしょうか?
ただ、若干でもフォーカスシフトがある以上F5.6でジャスピンになる現状のピント調整が使いやすいとは思います
F5.6でジャスピンですので、ポートレートの距離でも気持ちよくピントが合うような気がします

本当に大変余計なお節介なコメントですみません

レンズのレビューもいつも参考にさせていただいております
これからも楽しく読ませていただきます

こんにちは、HIROさん。
お返事遅れて申し訳ありません。
HIROさんもレンズキャルをお使いでしたか。

実は、恐らくピンズレの指摘を受けるかなあ?などと予想をしておりました

仰るとおり、開放ではグリーンとマゼンタの境界が分かりやすく焦点の確認には適切だと思います。
が、開放では良いのですが絞り込むと、これらは目立たなくなってしまいます。

そこで目を付けたのがスケールシール下の黒いプレートでした。
ここに埃を付けるとピント幅が著明になり、絞り込んでもピント幅の中央を簡単に見つけ出すことが出来ます。

ところが、中央から離れたところでのピント合わせを行ったためか像面湾曲と思われるズレが生じてしまったようです。
ピント調整の統一を図るために敢えてこの方法を選びましたが、やはり失敗だったようですね。

個人的には前ピンズレは2mm程度と思いますがいかがでしょう。
位相差の精度から、私的には妥協してしまいました。

疑問に思ったところがありましたらコメントで突っ込んでいただいてかまいません。
たくさんあるとは思いますが、このような指摘は今後の記事に生かしていきたいと思います。

はじめまして、いつも楽しく拝見させて頂いております。
私も最近このレンズを購入しましたが、
大きなフォーカスシフトに悩んでおります。
特に近景で目立ち、緻密なピント合わせが出来ない状況です。
私の場合もマイクロアジャストメントで調整しました。
調整値はテレ側を-19にしました。
又、開放F4でジャスピンではなく、
F5.6でジャピンになるように調整しています。
というのも近景で一番使うのが、F5.6だからなのですが、
例えF8.0まで絞っても被写界深度内にはいるので大丈夫そうです。
逆にF4で撮影すると、前ピンになるので、かなり甘くなります。
結果としては、開放F4では甘く、一段絞ると、解像する的な、
レンズレビューにありがちな結果となってしまいました。笑
カメラはEOS6Dと5Dmark2ですが、6Dの方がカリッと見えます。
これは6Dの絵作りの違いで、輪郭シャープが強いからだと思います。
AF調整に出そうか迷っておりますが、調整に出しても開放F4でジャスピンに
なるのでしょうから結果は同じかなと思っております。
調整に半月かかるのも辛いですしね。
これからも、ちぇり小屋を楽しみにしております。

初めまして
taroさん、こんばんは。

大きなフォーカスシフトというと、ピントずれがハッキリ分かる状態ですか。
うーん・・・・

私は初回24-70mm/4Lは新品を、再購入は中古を手に入れました。
が、いずれも実写時では、まずフォーカスシフトに気がつかないレベルだと感じております。

やはり一度サービスセンターに確認して貰うか、購入店で交換された方がいいのではないかと思いますね。
サービスセンター送りの場合、半月ほど手元にないのは確かに痛いと思いますが、そのレンズは"ハズレ"の可能性が高いのかも知れません。

実際にレンズの当たり外れはあると感じます。
EF24-70mm/2.8L2はスゴい当たりの一本で、発売当初価格コムなどで酷評が目立ちましたが自分的には「この最強レベルのものが何故に?」と疑問を感じたほどです。
ハズレはコシナのZMレンズで2本ありました。
一本はフォーカス調整が元からずれているもの、もう一本は物理的にフォーカスリングが重すぎて回せないものでした。

キヤノンクラスのメーカーならば検品はかなりしっかりしているとは思いますが、やはり疑問に感じたり不満を持たれたら一度見て貰うのがよろしいのではないでしょうか。
お安いレンズではありませんものね。

ご返信ありがとうございます。

マイクロアジャストメントOFFの状態で1.5メートル先の人物(バストアップ)を撮影時、
F5.6で目にピントを合わせたのですが、耳近くにピントがきていました。
目はボケボケです。笑  これはさすがに異常ですね。
ちぇりたさんが仰るように外れ品なのかもしれません。
まずは購入店で相談してみます。 
交換不能の場合はキヤノンサービスセンターへ送ってみます。

色々とありがとうございました。

このレンズの持っているポテンシャルはLレンズであることを納得させるだけのものがあると感じています。

その効果を目の当たりに出来るといいですね。

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