先日述べたように、今日はE-M1とGX7の高感度比較を見てみたい。
今回、確認したいポイントは二つある。
一つは同一感度におけるノイズの量。
もう一つは感度を上げたときに生じる解像感劣化の具合だ。
被写体は例の犬の置物だ。
2m離してカメラを三脚にセット。
使用レンズはLeica DG Summilux25mm/1.4ASPH.をF5.6に固定する。
WBはオート、ISO200から一段ずつずらしてレリーズにて撮影を行った。
【高感度比較】
今回はノイズ量と解像感のチェックなので、中央部トリミング画像をメインにする。
左半分がGX7、右半分がE-M1である。
各カメラともRAWで撮影した。
同じ現像ソフトで露出以外のパラメータはいじらず、そのまま現像している。
ISO200
このレベルでは殆ど差がない。
ノイズも双方には出ていない。
ちなみに下段写真の犬の額に解像度に差があるように見られるが、これはオリンパスの絵作りの影響だ(と思う)。
これは高感度になるとハッキリとした特徴になって現れる。
ISO400
ここでもまだノイズは見られない。
解像感も問題ないようだ。
ISO800
このあたりになると、GX7では背景の一部に粒子状のノイズが現れてくる。
まあ、気になるレベルではない。
E-M1もなくはないが、無視できるレベルだ。
ISO1600
GX7にノイズが徐々に目立ってくる。
だが解像感はまだ維持されている。
それに比べてE-M1はGX7に比べてノイズが目立たない。
だが、犬の毛並み模様ではかなりのっぺり感が強くなっている。
ISO3200
このあたりになるとさすがのGX7の解像感も低下してくる。
加えて全体にうっすらとノイズが現れてくる。
E-M1も徐々にノイジーな画像になってくる。
それでもGX7ほどは目立たない。
ISO6400
パナの特徴である解像感もこのレベルまで来ると厳しい。
ノイズも目立ち、精細感は失われている。
E-M1も同様だ。
ノイズを無理に目立たなくさせているために、毛並みの質感はもはやないに等しい。
ISO12800
双方共にカラーノイズが出始めている。
全体像でみるとE-M1よりGX7の方が、若干色再現性は維持されているようだ。
ブログのサムネイル写真程度であればこれでも誤魔化せる。
ISO25600
画像そのものが破綻している。
ただ、GX7の方がコントラストは若干マシか。
とりあえず、ISO25600で写すことが出来るという程度に認識しておいた方がいいだろう。
【まとめ】
まず、最初に断っておくことがある。
これは「RAW撮影」をそのまま現像ソフト(シルキーピックス)でパラメータをいじることなく出した画像である。
当然、各メーカーボディの画像エンジンで処理されたJPEGとは多少異なることを申し上げておきたい。
オリンパスは少しのっぺりというか粒状感のない絵作りをしている。
ただ、これは解像度が低いという訳ではなく、個人的にはノイズ処理過程の影響だと考えている。
対して、パナソニックは解像感がある割にややざらつき感が目立つ。
細かい粒状感で画像の繊細さを表そうとしているのではないだろうか。
以前、E-M5とGH3の高感度比較をしたことがあったが、そのときにも同じ傾向があった。
オリンパスはノイズフリーを、パナは解像感を重視しているような傾向だ。
もちろんRAWデータなので、パラメータをいじればオリンパスの画像をパナソニック風に粒状感あふれる精細な画像に近づけることが可能だ。(逆は難しい)
実際にパラメータを操作することで、のっぺり画像から犬の置物のすう壁を「ある程度」回復できる。
まあ、精細感が増える代わりにノイズ状に画像が少し荒れてくるのであるが。
上の写真はわかりやすくするために極端にシャープネスを上げてある。
話がうやむやになりそうなので、パラメータをいじらない前提でのRAW画像比較でまとめると以下の様になる。
・E-M1の方が高感度撮影に強い。
・GX7の方が同一感度では精細感がある。
どちらもいい機種である。
Olympus OM-D(E-M1)+Voightlander NOKTON17.5mm/0.95ASPH.
以前、GX7はGH3よりも解像感がなくて駄目だという記事を書いた。
センサーの違いであろうか、GH3からGX7に買い替えた自分に対して仕方がないと受け入れていた。
ところが、この結果からそんなに目くじらを立てるほどのことではなかったのではないかと少し反省している。
それにGX7では貧弱ではあるがボディ内手ぶれ補正、暗部AFの改善など撮影に役立つギミックが詰まった最新機種だ。
これはこれでパナの色合いを楽しめる重要なボディでもある。
そしてE-M1は強力なボディ内手ぶれ補正と、慣れ親しんだ一眼ライクな使い勝手は多少大型のレンズであってもホールディングの良さが相まって非常に使いやすい。
この二機種の画像で悩んでいる方はどちらを買っても問題ないと思う。
各機種に付随するギミックで選ぶといいだろう。
もちろん、メーカーのお着せの色つけの方が好きな人はお好みの方を。
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