Nikon Df の高感度
新しいカメラを購入したら必ずやっているのがこのテストだ。
高感度が強いと何かと便利である。
光量が足りなくてもシャッター速度を稼ぐことが出来るからだ。
ブレ写真の抑制にも働くだろう。
今回は噂の高感度に強いNikon D4に搭載されているセンサーがDfにも内蔵されているので、このテストに対して非常に期待度が高い。
すでに他サイトでD4やDfの高感度検証は唸るほど行われてはいるが、ちぇり小屋的には自分でやらないと気が済まない口なので取り敢えず遅ればせながらも検証してみた。
被写体はいつものポン様。
被写体までの距離は2m、ボディはDf。
コレに今回はAF-S NIKKOR58mm/1.4Gを取り付けた。
絞り優先モードに設定してレンズはF5.6に固定。
WBはオート、各ISO値で撮影を行った。
驚くべきことにDfはISO204800まで増感可能だ。
ただ、そこまで増感して撮影することはまずないと思うため、キヤノンやマイクロと同様にISO25600かもう一段までの感度としておいた。
いや、正直なところF5.6ではISO51200で、ボディ限界のシャッター速度1/4000秒に達してしまったのだ。
F値を変えるのも面倒なので、取り敢えずはF5.6で。
【高感度テスト】
ノイズやディテールを見るために、トリミング画像のみを列挙していく。
わかりやすくするために右半分がコントロールのISO100、左が該当感度である。
ISO100
顔のすう壁にほんの少しだけ解像感の低下が見られる。
だが、全く気にするレベルではない。
ノイズはまだ気にならない。
ISO6400では左半分にごく薄いフィルムが貼られたように解像感の低下を感じるがまだまだいける。
ノイズも、まだ気にならない。
この辺になってくると、解像感の低下がハッキリしてくる。
が、ディテールはまだ十分に維持されている。スゴいよ。
左下あたりに粒子状のノイズが少しずつ目立ち始めた。
ISO25600まで来ると、すう壁が目立たなくなってのっぺり感が強くなってきた。
ディテールの崩壊が始まっている。
ノイズも目立ち始めてるが、まだ結構余裕を感じる。
解像感はISO25600程度と同様に感じるが、一気にノイズが増えてきた。
カラーノイズも発生し始めて、結果的に画像の崩壊が急激に進んだように見える。
【まとめ】
恐ろしい。
ここまで高感度が凄まじい機種とは思っていなかった。
D4のセンサーを搭載しているので予想はしていたのだが。
私は普段はコンパクトなマイクロフォーサーズをメインで使い、時折キヤノンフルサイズ5D3を愛用している。
私の所有する高感度番長は、フルフレーム搭載のキヤノン5D3だ。
そういったバックグラウンドがあることを前提で感じたことは、このカメラの高感度耐性は並のレベルではないということだ。
個人的にDfの常用はデフォルトのISO12800まで全く普通に使えると思う。
ただ、ニコンのデフォルト設定が25600だったら、25600まで気にせず使っていただろう。
高感度のノイズ・ディテールコントロールはマイクロ・オリンパスの傾向に似ている。
だが、センサーサイズの違いもあるだろうがニコンの方が上手だ。
Nikon Df+AF-S NIKKOR58mm/1.4G(クリックで拡大)
ここにトリミングしないISO100と51200を中心線分割した恐ろしいものを出しておく。
この写真だけ見たら、パッと見であまり差がわからないのではないだろうか。
等倍で見なければ51200でもコントラストや全体の解像感は十分維持されている。
クラシカルなデザインの中に高感度に強いセンサーを搭載してきた。
高画素でなく、高感度を選んできたのだ。
画素数を抑え、高感度にシフトさせたことはいい選択だと思う。
DfにD4のセンサーを搭載してくれたことに非常に感謝しつつ、このカメラのマーケティングを決定した人に拍手を送りたい。
このカメラは画素数を抑え、高感度をめっぽう強くし、ISO12800までは「さほど気にする画像の崩壊が生じていない」画質レベルを維持し、オールラウンドに使える汎用性を高くした万能カメラなのだ。
高画素化させた巨大な写真データを、高スペックのPCでガリガリ処理するようなカメラではないのだ。
手ぶれに強い画素数を持ち、万人に受け入れられやすい高感度センサーを搭載し、デザインからフィルム機ユーザーをサルベージする。
様々な意味の「融合」機なのだ。
今回はシャッター速度の関係でISO51200までしかチェックできなかったが、後日絞り値を変えてさらなる高感度も見てみたい。
こうなるとD4のライバル機であるEOS 1DXも気になるのであるが、収拾がつかなくなるのでそれはやめておこうと思う。
Dfの売れ行き次第では、キヤノンも1DXのセンサーを搭載したDfに対する廉価機が必要なのではないだろうか。
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ISO100との比較では、800までほぼ同等かなと。
それ以上でも十分ですけど。
キヤノンの場合、画素数抑えた高感度よりも
高画素数の1Ds復活を望む意見が多いのでは。
1DX貸しましょうか?
投稿: anko | 2013年12月 8日 (日) 08時54分
ニコンのDSLRレパートリーと対比させると確かに高画素機が足りませんね。
おそらく私も直に出てくるとは思います。
Ds系とすると気になるのはお値段でしょう。
キヤノンがニコンと同じような機種設定をすることが前提であれば、D800系にぶつけるには今までのDs系価格ではとても太刀打ちできません。
おそらくは5D3後継がそれに当たると思いますが、しばらくはキヤノンのラインナップは欠けた櫛の歯状態になりそうですね。
Ds系は縦グリップ搭載型の孤高の高画素プロ機として残っていくのでしょうか。
Dfをジッと見てると・・・・、ほらankoさんの持っている超高額機1DXに見えてきた。
嬉々として私ご自慢のEFレンズを付けようとするもくっつかない。
あれ?なんか視野が滲んできている。
何でだろう、グスっ・・・・(/_;)
投稿: ちぇりた | 2013年12月 8日 (日) 15時28分
スゲー。 マイクロではぜんぜん歯がたたないレベルですね。
星景写真撮ったらすごいの撮れそうです。 ふぅ~ 買えん(ーー)
投稿: sijimi | 2013年12月 8日 (日) 23時20分
私が個人的に高感度が強いなあと感じていた機種は、Fマウントを手放す直前のD700でした。
2年以上前になると思いますが、増感コントロールにこれだけの進化があったとは驚きです。
マイクロも初期の頃は酷いものでした。
ISO1000すらもノイズまみれでどう料理しようか悩んだものですから。
しかし、今ではISO3200くらいは普通に使えます。
高感度のコントロールが無尽蔵にいつまでも改善され続けるとは思っていませんが、Dfの画像を見るとマイクロもまだまだ改善の余地はありそうだと感じます。
投稿: ちぇりた | 2013年12月 9日 (月) 00時41分
遠くない未来にマイ・ファースト・ニコンがDfになりそうです。
(厳密には、DC-Nikkor 135mm f/2Dを所有しているので2番ですが)
投稿: anko | 2013年12月 9日 (月) 18時15分
おお、とうとうankoさんもDfですか。
いいですよ、コレ。おすすめです。
普段使い用ですか?
連射が少し弱いので、鳥撮りには厳しそうですが。
投稿: ちぇりた | 2013年12月10日 (火) 01時47分