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ana

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2014年6月12日 (木)

片足のハト

10年ほど前に、散歩で訪れた広い公園に片足のないドバトを見たことがある。

釣り糸だろうか。
右足に巻き付いて拘縮を起こしているようだ。
その痛々しい姿に同情の念を感じた。

他の鳩らが皆で何かをついばんでいるが、この片足のない鳩は周りの鳩たちから虐げられ、仲間はずれにされているようだ。
餌を食べようにも、仲間から威嚇されてえさ場に寄ることができない。
十分に食事を摂取出来ていないのか、体も少し小さい。

生憎、餌を持ち合わせていなかったので、季節がら周囲にたくさん落ちていたドングリの殻を割って、中身をその怪我をした鳩に与えてみた。

だが、元気な鳩がドングリをかっさらっていく。
身体の不自由なドバトはうまく餌を食べることができない。
やむを得ず、私が手で払いのけながらなるべくその鳩がドングリを食べられるようにした。

20130728a
Canon EOS 5D MarkIII+EF70-300mm/4.0-5.6L IS USM

しばらくすると自分のみに餌を与えてくれることを理解したのか、その片足の鳩は私の足下まで近づいてゆっくりとドングリを食べるようになった。
それを見た他の鳩が近づこうとすると、なんとその怪我した鳩は元気な鳩たちを威嚇しだしたのだ。

後ろ盾をもらって安心したのだろう。周りに近づく同胞らを威嚇し次々と追い払っていく。
そして悠々とドングリの食事を満喫したのだ。

直に他の鳩たちは、自分らには餌を与えてはくれないのだと言うことを悟ったのか、彼等は皆どこかへと羽ばたいて行ってしまった。

ひとりぼっちになった片足の鳩は、我関せずとドングリをついばみ続けている。

私もいつまでもこの鳩に餌を与え続けるわけにはいかない。
そろそろ帰ろうとベンチから立ち上がった。
私が帰ることを理解したのかしないのか、ハトは一羽でドングリをついばみ続けている。
片足のハトを気にしながら私はその場を離れた。

20130807a キジバトは鳴き声が好きだ
Panasonic DMC-GH3+M.ZD ED75mm/1.8

後日、またあの公園に行ってみたが、いつもの鳩たちの中にあの怪我をした鳩を見つけることは出来なかった。
彼は再び仲間の元へ入れたのだろうか。

私のとった行動はあれで良かったのであろうか。
未だに考えることがある。

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コメント

仲間を威嚇したとしても、すぐ忘れたりしないのかな?
排除しようとする仲間にすがるか別れるか、人としても考えさせられるなー。
助けたくなる気持ちわかりますよ。

鳩はもし人類がいなくなると自然と絶滅してしまう生き物と聞いたことがあります。
人に依存した面があるようです。

確かに鳩に近い種族で3歩あるくと忘れるのがいましたねえ。
大丈夫そうですね。

私も人に依存している生き物は結構いると聞きます。
我が家のチェリーはどうでしょう。
なんかダメっぽい感じがしますねえ。

鳩を助けてくれてありがとうございます。
鳩は割れてないドングリをそのまま飲み込めるのですか?

こんばんは、でんでん虫さん。

どんぐりは近くにあった石ですり潰して与えました。
かれこれもう20年近く前の話なので、あのハトももういなさそうですねえ。

ブログは日記や備忘録の様で、こうして記録しておくとついこの前の感覚で思い出せますね。
いいものです。

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