宇宙戦艦ヤマト2199 追憶の後悔
先日土曜の午後は時間があったので、ヤマト2199の総集編である「追憶の航海」を息子と見に行ってきた。
息子の一学年下の友人も居たので一緒にどうかと声を掛けた。
彼は小学校2年生。
宇宙戦艦ヤマトのストーリーは全く知らない。
総集編ならば全体像が掴みやすいだろうと思い誘ったのだ。
結論から言うと、私はこの映画を見たことを後悔している。
あまりのちぐはぐ感が否めない。
息子の友人も初見のためか前後するストーリー進行に疑問が噴出し、息子にヒソヒソ声で「何で?」「どうして?」を乱発している。
息子が小声で教えているのだ。
無理もない。
戦う大義名分が分からないまま、開始早々延々とヤマトは"何か"に攻撃し続けるシーンを垂れ流しているのだから。
冒頭はガミラス冥王星基地に対する攻略から始まる。
見せ手としては正体不明の侵略者ガミラスというイメージで編集したようだが、反射衛星砲爆破に用いた三式弾による時限信管命中時に人型のガミラス兵が写り込んでおり、このしばらく後の中盤に登場するガミラス人"メルダ・ディッツ"の人類クリソツな姿でジャジャーンとさせたいところがもの悲しく見えてしまう。
長い冥王星攻略が終了した後、ようやくオープニングが始まる。
今更ナレーションで遊星爆弾の恐怖を淡々と語られても、すでに冥王星基地はないのだ。
他にも言いたいことは山ほどあるが、なんと言ってもようやく死闘の末たどり着いたイスカンダルから、「さあ帰ろう!」というところで終わらされたのには驚かされた。
余韻のない終了。
往路だけですか?ヤマトじゃなく大和にしたいのか?
さらにどうでもいいエンディングテーマとエンドロールの最中に無事地球に帰還というショートムービーがチョコッと流されるのであるが、ヤマトで一番重要だと思っている沖田艦長の正念場をあのように扱われるとは思わなかった。
普通に作ればいいと思う。
ちょっと味な事でもやろうかということが全て裏目に出ているのだ。
そして余計に増やした女性キャラの絡みと収拾にも苦労しているようだ。
エキストラに落として切ればいいのに。あの人も、この人も、その人も。
あ・・・・いや、ちょっと言い過ぎたかも知れません。スミマセン。
追憶の航海は総集編ではない。
初見の人でも楽しめる内容ではなく、編集側が自分色にまとめてみました的な映画だったのだ。
"俺色のヤマトを見ろ"みたいな。
商業的に"星巡る方舟"につなげたいのは分かるが、作品としては駄作だ。
多種多様ヤマトには比較的温厚だった自分でもコレは無理である。
即座にブルーレイはキャンセルした。
« ソフトンとオリオン | トップページ | Canon EF 35mm F1.4 II USM の噂 »
僕もたぶん、ちぇりたさんと同世代ですね。
このシリーズは確か4回目まで劇場公開を観に行きましたよ、ヤマト世代ですからw
おめめキラキラのキャラには抵抗があったものの、
オリジナルでは観られなかった緻密な艦隊戦だけでも楽しもうと足を運びましたが、
どうもエ○ァンゲリオンあたりから未消化のままパクってきた思われるような
人間ドラマと演出が鼻について、残りはレンタルで済ませました(でも観てるというw)。
戦闘シーンもだんだん雑になっていったし、面白かったのは冥王星まででしたね。
そういうわけで、さすがに総集編は観てませんが、
観客置いてけぼりの展開も、どこぞの影響だと思いますよ、表層的なね。
個人的には2009年の復活編のほうが、たとえチープさ全開でも印象に残ってますねえ。
投稿: atata | 2014年11月17日 (月) 23時59分
atataさん、こんにちは。
この映画の評価を見ると二分しているようですね。
初見の方は比較的評価が高いように思われました。
個人的な感想ですが本来ヤマトには萌え要素は必要なく、艦長とクルーたちの人間ドラマがあればそれで十分だったように思えます。
今回の2199は女性陣が主役になっており、艦長以下はサブキャラです。
今のご時世といえなくもないですが、復活編では上手くバランスを取っていますので、やはり制作スタッフによる影響が大きいと言わざるを得ません。
投稿: ちぇりた | 2014年11月18日 (火) 15時42分