前回、老眼持ちの私がパナソニック製のGH4を如何に使えばストレスフリーで撮影に徹する事が出来るかという事を書いた。
液晶など近くを見るときに眼鏡を頻繁に外さねばならない理由からだ。
大柄なGH4は独立したFn(ファンクション)ボタンがいくつも存在するために、EVFから目を離さずに
フレーミング→フォーカスポイントの設定&フォーカシング→撮影
といった流れを自分流にカスタマイズが可能であった。
重要なのは流れの真ん中にある「フォーカスポイントの設定&フォーカシング」だ。
今回のブログの趣旨は、それがE-M1でも可能かどうかという事である。
使い勝手の琴線は各自が微妙に異なると思うので参考程度に目を通していただければ幸いである。
E-M1はGH4よりやや小振りである。
そのためあってか、背面部や軍艦部にFnボタンの配置は2個となっている。
この2個を上手く使って、GH4のような老眼にも優しいカスタマイズドなE-M1を設定してみよう。
先に書いた流れのなかで、「フォーカスポイントの設定&フォーカシング」を重点的に書いていく。
【フォーカスポイントの設定】
これはEVF内で、どこのポジションにフォーカスターゲットを合わせるかという作業だ。
E-M1ボディ背面部の十字キーに触れると(EVF)液晶画面内にターゲットが現れる。
合わせたい部分に十字キーを使って移動すればそれでOKだ。
だが、この点に関してはE-M1はGH4に劣っているといわざるを得ない。
実はGH4はEVFを覗きながら背面液晶に盲目的に触れることでもターゲットの移動が可能なのだ。
「相対位置」モードによりコレが可能となる。
一度この便利さにハマるとターゲットの十字キー移動すら面倒になってしまうという、着る毛布のように脱げなくなるという悪魔の設定だ。
因みにE-M1は「絶対位置」なので「背面液晶を見ながら」は可能だが、EVFを覗きながら背面液晶を指で触れてもターゲットは無反応となる。
【フォーカシング】
次は合焦時のピント合わせだ。
マイクロフォーサーズは被写界深度が比較的深いために広角から標準域ではあまり神経質になる必要はないが、望遠域ではシビアな問題となる傾向がある。
Olympus OM-D(E-M1)+M.ZD ED40-150mm/2.8PRO
例えば上の写真は手前の紅梅を写したつもりでも後の木にフォーカスが当たっている。
DSLRでは、フルタイムマニュアルフォーカスならばそのままピントリングを回してフォーカシングを行えば良いのであるが、ミラーレスでは簡単にそうはいかない。
・S-AF+MF
ミラーレスではデフォルトの状態だとピントリングを回しても無反応な事がある。
E-M1メニュー設定で「AF+MF」のモードに切り替えておく必要があるのだ。
これでフルタイムマニュアルフォーカスライクなピント合わせが可能になる。
E-M1のメニュー設定からピーキングをOnにすると、よりフォーカシングの位置が分かりやすくなる。
・MFアシスト
次にMFアシストについて書いてみたい。
これはピントの微調整時に使う事が多い。
Olympus OM-D(E-M1)+M.ZD ED40-150mm/2.8PRO
例えばの写真、雀にではなく手前の枝にフォーカスが当たってしまっている。
こんな時、AF+MFでは正確なピント合わせに不安が残る・・・・。
と言うわけで、フォーカスターゲットを拡大できる機能がMFアシストなのだ。
ピーキングを併用すると実に強力だ。
だが、E-M1のMFアシストは少し使いづらい。
拡大画面がGH4では画面内に1/4位からサイズを選べるのであるが、E-M1はいきなり全画面表示なのだ。
それ以外の選択肢がない。拡大倍率は変更可能だが、全画面オンリーである。
つまりMFアシスト中は拡大以外の部分で何が起こっているのかが全く分からない。
フレーミングがずれているかも知れないし、傾いているかも知れない。
それともう一つ。
ピントリングを回すと強制的に全画面MFアシストが発動するのだ。
全体を見ながらの素早いフォーカシングが出来ないのだ。
ピンポイントの拡大エリアを見ながらのフォーカシングは苦痛にも近い感覚を覚える。
他にもMFアシストお感度が良すぎるためか、ピントリングに軽く指が触れただけでもすぐさま発動する。
面倒な事この上ない。
もう少し遊びを入れてくれるといいのであるが。
結果的に私はE-M1ではMFアシストをOffにして使用している。
では、E-M1はMFアシストが使えないのかというと、そういう訳でもない。
実はE-M1のFnボタンには"拡大機能"というMFアシストライクな機能を割り当てる事が出来る。
ボタンを一度押すと拡大枠が表示され、再度ボタンを押すと枠内が拡大表示されるのだ。
まあ、こちらも全画面表示ではあるのだが・・・・。
それに、GH4のようにボタンから指を離せば機能が解除されるわけではなく、更にもう一度押す必要がある。
心持ち、レスポンスにも若干難がある気がする。
このただ、拡大枠は賢い事にフォーカスターゲットと連動しており、フォーカスポイントが決まれば拡大ボタンで即座に微調整が可能なのだ。
Olympus OM-D(E-M1)+M.ZD ED40-150mm/2.8PRO
と、このようにE-M1は結構老眼の者にも使えるのでありがたい。
メニュー設定でいくつかの機能設定、そしてFnボタンの一つに拡大機能の割り当てるだけでOKだ。
惜しむらくは、相対位置のターゲット移動が出来ない事。
もう一つはMFアシストというか、拡大機能の操作に対して手数が多すぎる事といったところか。
一度GH4の、特に相対位置のターゲット移動は体験してしまったらやみつきになる。
このことをコメントして教えてくださった方には感謝感激雨あられである。
だが、E-M1のボディ内手振れ補正は実に強力でもあるのだ。
パナもオリも、どちらもいい部分がいくつもある。
いいとこ取りのミラーレスなど存在しないのだ。
どの部分が最も重要なのか自分をハッキリさせることで機種を選ぶと幸せになると思われる。
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