今日はちょっとだけ物騒なブツの話題を。
山で使うナイフのことだ。
日帰り低山にはあまり持ち出すことはないが、テント泊や釣りに持ち出すと便利なことこの上ない。
Olympus OM-D(E-M1)+M.ZD ED12-40mm/2.8PRO
調理に使ったり、草を刈ったり、ちょっとした工作をしたり、薪を割ったりと何かと重宝する。
だが、頻繁に使うものではないため、状況に合わせて一本だけを選んで持って行く。
ナイフは大きく分けて鞘にしまうシースナイフと、折りたたんでしまうフォールディングナイフからなる。
他にもいくつもの機能が備わった十徳ナイフともいえるツールナイフがある。
私の行くフィールドと山行スタイルから刃渡り10cmを超えるものは必要としない。
大きくて邪魔になるだけでなく、必要とするシチュエーションがまずなかったからだ。
【VICTORINOX ファーマーAL】
ますは一般的なツールナイフからいってみたい。
昔から愛用しているビクトリノックスのファーマーだ。
先代は数年前に山で落としたきりそのままにしていたが先日新しいものに買い直した。
アルミ製の綺麗な新型だ。
個人的な嗜好だが、ツールナイフはいろいろなものが付いてハンドルが太くなったものはあまり好きではない。
刃渡りも極端に長いものはいらない。
必要最低限のものがあればと思っている。
このファーマーの特徴はナイフ以外にノコギリが付いていることだ。
太い枝の裁断にこれがあるないで雲泥の差がでる。
リーマーが付いているのもポイントが大きい。
これらツールにはロック機構が付いていないため、力を強く入れるときには注意が必要だ。
ブレード長は7cm、重量84g。
刃は丈夫とはいえず何度も使うとなまくらになるが、研げばすぐに復活するので使い勝手はまあまあ良い。
フォールディングタイプなので血の付いた肉や魚の捌きには不適。
【LEATHERMAN SQUIRT PS4】
上の初代ファーマーをなくした後、しばらく使っていたレザーマンのSQUIRT PS4である。
数年前、アウトドア雑誌のBE-PALにプライヤーの付いた折りたたみ式マルチツールのおまけが付属していた。
それが非常に使えたので、よりコンパクトで丈夫なこのツールナイフをチョイスしてみた。
SQUIRT PS4の特徴は使い勝手の良いスプリング付きプライヤーが付いていることだ。
調理中の熱くなったクッカーの取っ手や、熱された五徳に触れねばならない状況、魚の針外しの代用など意外に使えるツールナイフであった。
申し訳程度であるが、はさみが付いているので糸切りが便利であった。
直に釣り専用に特化していく。
こちらも各々のツールにロック機構がないため注意されたい。
重量はわずか57g。
非常にコンパクトでザック内の吊り紐に結んで仕舞っていた。
ブレード長は4cm。
ハッキリ言ってナイフは殆ど使わないプライヤー専用ツールだ。
【LEATHERMAN SQUIRT S4】
同じくレザーマンのSQUIRT S4である。
PS4を使っていたらハサミが結構使えたので、プライヤーの代わりにハサミがメインに付いたS4を購入した。
このハサミが実に使える。
紙や糸を切るだけでなく、異様な切れ味は爪切りにも使えるのだ。
旅には欠かせぬツールとなっている。コレのおかげで助かったこと数知れず。
まあ軽犯罪法の縛りがあるのでポーチに入れて旅行鞄の底に仕舞うことになるが。
重量56g。サイズはPS4と殆ど変わらない。
ブレード長は4cm。PS4と同じくナイフはおまけ程度でロック機構もない。ただ、ペーパーナイフのような文具の一部として考えれば実用性は高い。
定規、ピンセット、ドライバー、爪やすりなどメインを山で使うツールとはやや毛並みが異なる。ステーショナリー色が強い。
出張やちょっとした旅行にもってこいだ。
とにかく最高使用頻度のツールナイフである。
S4は山に持ち出したことはまだないが、仮に持って行ってもそれなりに使えるアイテムであることは予測が付く。
日帰り家族山行には最強か?
【FALLKNIVEN TK3 cocobolo】
折りたたみナイフ、いわゆるフォールディングナイフである。
一般的に山ナイフとも言われる。
これはスウェーデンのナイフメーカーであるファルクニーベンTK3。
トレクローナという3つの王冠マークが目印だ。
とにかく刃が丈夫でしっかりした作りのフォールディングナイフを探していた。
ハンドル素材は木製のココボロ、刃は3Gスチール鋼。
とにかく作りがスバラシイ。
ブレードを開けばカチリとした硬質な音によるロック音。
ガタツキの微塵も感じられない高い工作精度。
しっとりと吸い付く磨き上げられたココボロハンドル。
ブレード長7cm、重量100g。
刃渡りが6cmを超えているので、不当な理由で持ち出し所持していると銃刀法違反で捕まる対象だ。
山に持って行くときには必要時までポーチに入れてザックの奥にしまうなど神経を使う。
とにかく切れ味が素晴らしい。
現地ではまず研ぎ直す必要がないのでストレスが溜まりにくい。
ナイフ以外のツールはない。シンプルなフォールディングナイフだ。
欠点は法的に気軽に持ち出せないこと。
また魚をさばいたりした場合、刃を仕舞うポケット部分に異物が入ったり、血液が可動部分に入ることだ。衛生的な問題もあるが、その後のメンテナンスが面倒くさい。
これを食べ物に扱う場合は研ぎから解放された代わりにメンテの代償を支払うことになる。
なので捌く系以外での使用法に限っている。
【FALLKNIVEN HK9 maroon micarta】
上のフォールディングナイフの欠点を削除するとこういうナイフになる。
ハンドルと刃が一体化したナイフ、シースナイフである。
鞘(シース)によって刃をガードする。
同じファルクニーベン社製のHK9。
目印のトレクローナがはめ込んである。
このナイフは硬質3Gスチール鋼の刃がコンベックスグラインド(ハマグリ刃)なのでやたら丈夫である。
先端部は若干フラットグラインドに研ぎ直したので、比較的魚を捌く釣りに特化させている。
切れ味はTK3に勝るとも劣らない。
ブレード長は9cm、重量は174g。
全長は20cmなので、ちょうど手首から指先くらいの長さである。
こちらも当然銃刀法違反の対象になるので持ち出しには細心の注意を払っている。
ハンドルは丈夫で濡れても平気なマルーンマイカルタ。
形状からハンドリングはすこぶるよろしい。
またフルタングといってハンドルの芯が刃と一体化されているので非常に頑丈だ。
ヒルト(つば)が付いているので指を怪我する可能性が非常に少ない。
極端な話、握りしめながらナイフのおしりでペグ打ちなんかも可能であるが、ハンドル素材が大変なことになるので私はやらない。
まあシースナイフは丈夫であるが故に場所を選ばずに様々な用途に使える。
欠点は所持ナイフの中では174gと重いことと、サイズがあるのでシースを腰にぶら下げるため第三者への視覚的圧迫感を与える可能性があることだ。
なので現地でもザックにしまい込んだままにしていることが多い。
捌くときや調理時に持ち出すようにしている。
Olympus OM-D(E-M1)+M.ZD ED12-40mm/2.8PRO
結局、山ナイフは何が一番よいかと言うことになるが、ナイフに主観をおいた状態で選択するならば個人的に使っていて楽しいのはファルクニーベンのTK3かな。
ビバークする事になってどうしようなんて時は、ビクトリノックスのファーマーがあると心強いかも。
日帰り登山の昼飯はレザーマンのスクォートPS4で十分だろうし、人目に触れず山奥深くに釣りで籠もるならファルクニーベンのHK9ということか。
旅ならレザーマンのスクォートS4一択であろう。
山ナイフは複数あると混乱するなあ。
冒頭でも述べたが何本も持ち出すものではないので、その時のコンセプトを決めて一本チョイスするスタイルが一番いい。
レンズと少し似ているかもしれない。
最近のコメント