ポタ赤を再考する6(ドットサイト編)
ポタ赤こと、ナノトラッカーの極軸合わせの方はだいたい片が付いた。
今回はポタ赤にカメラを取り付ける方向を決めやすいドットサイトネタである。
ナノトラは決して高性能なポタ赤ではないため、広角レンズ中心に使用する予定であるが、たまには標準レンズや準望遠レンズを付けたくなるシチュエーションもあるだろう。
例えば、オリオン座全体を入れるならば50mmほどの標準レンズを使用する。
全体のバランスを取るためにベルトにあたる三つ星を中心に持ってこようとする。
だが、微弱な光しか出さない星たちを、ファインダーもしくは星専用ブーストに対処されてない液晶で確認するのは至難の業だ。もし、そこがズレていたらせっかくのオリオン座が偏って一部が欠けてしまうこととなる。
そんなレンズの方向性を簡便に設定できるのがこのダットサイトなのだ。
ハーフミラーに浮かび上がるレティクルを標的に合わせれば、ダットサイトと平行して調整されているレンズもその標的を向いていると言うことになるのだ。
と言うわけで、以前の重いダットサイトから、最近発売になった軽量でありながらも防塵防滴且つホットシュー対応のオリンパス製ダットサイトEE-1を購入した。
このダットサイトはコンパクトに折りたためることがありがたい。
だが、使い始めて気がついたのが、このレティクルは輝度が異様に高いのだ。
恐らくは日中の使用を前提として設定されているからだろう。
もし、微弱な明かりの星々にこの強烈なレティクルを合わせると、高輝度のレティクルに星がマスクされて視認できなくなることは間違いないだろう。
EE-1には輝度を調整するダイヤルが1~5まであるのだが、最も弱い1ですらレティクルの輝度は強烈で、淡い点光を放つ微弱な星などは完全にマスクされてしまうに違いない。
以前使っていたダットサイトの方がその辺は良かった。
かといって大きく重いダットサイトに戻すのも何なので、このEE-1を何とか星景撮影に使えるようにできないだろうか。
まず、問題はこの強烈なLEDの輝度を下げる必要がある。
まさか分解して抵抗を入れるなんてことは保証が効かなくなるという観点から却下するとして、どうやって輝度を落としましょうか?
やはり手っ取り早いのは放たれたLEDの輝度そのものを途中の過程で低下させることだ。
それにはNDフィルターがよろしかろう。
ND4やND8なんかではとても足りないので、ゼラチンフィルターによる減光を期待したい。
今回は試行錯誤の末、FUJIのND1.5をチョイスした。
ここに至るまで、自宅や職場のNDフィルターをかき集め、重ね使用に手鏡まで応用して減光レベルをチェックしたのだが、今回はその苦労は割愛する。
実際のテストによる減光レベルの確証は得られていないので、念のためにND1.5を1枚使用、2枚重ね、3枚重ねの3通りを準備した。
このフィルターをLED発光部の前に設置するのだ。
面倒だがプラ板を小さくカットし窓を作成する。透明なプラ板で挟む方法はレティクルが歪む可能性があったのでやめた。
ゼラチンのND1.5はND32相当。2枚重ねで約ND1000相当。3枚重ねで約ND30000相当。かな?
取り敢えず、この3通りで確認してみる。非常に面倒くさかった。
小汚いフィルターで申し訳ない。
仕事が終わった後のブログ作成のアップに合わせると流れ作業になり、どうしても工作の質が雑にならざるを得ない。
夜の屋外で確認してみたところ、最も使えるのが2枚重ね(ND1000)のようだ。
1枚では光量低下は確認できるが星確認には明るすぎる。
3枚ではもっとも輝度の強い5レベルでようやくレティクルが確認できる程に輝度が弱くなりすぎて実用性は低い。
2枚の時は、1レベルの輝度でちょうど良い感じがする。
と言うわけで、フィルム2枚重ねで薄いプラスチックシートを用いて再作成である。
前作のブツではサイズに難があり、LED発光部に窓枠が被りそうになった。
不具合や修正を取り入れ作り直す。
急げ急げ~。時間が足りない~。
アルミテープで強度を上げて完成である。
今回はアルミテープの厚みを考慮しているので、レティクルは窓の中央に存在してくれるはずである。
あとはフィルターをアルミテープでLED投射部に固定して星景用EE-1のできあがりだ。
太陽撮影などで、LEDの輝度が欲しいときにはこのゼラチンフィルターを外せば良い。
後で時間があったらもう少しキレイに作り直そう。いや、でも面倒くさいな。
閉じて良し。
星景撮影できる折りたたみ可能な防塵防滴のダットサイト。
重量も70gほどと殆ど変わりない。
さて、カメラの方向性を決めるダットサイトも今回で解決した。
こうなると細かい不満を解消したくなる。
今、ポタ赤シリーズで一番気になるのはポーラーメーターの方位磁針の動きの遅さだ。
動きが安定するのを待っていたら夜が明けてしまうほどに遅い。
最近は山コンパスで代替しており、ポーラーメーターの活躍の場は少ない。
しかし、アバウトであるとはいえ、北極星の緯度をチェックできる角度計は美味しい。
このビクセンの使えないコンパスを使えるように改良したい。
徐々に不具合が改良されていくポタ赤シリーズ。
行き着く先は天国か地獄か。
以下次号。
ポタ赤を再考する1(導入編)
ポタ赤を再考する2(極軸アクセサリ編)
ポタ赤を再考する3(アングルプレート編)
ポタ赤を再考する4(ポーラメーター設置編)
ポタ赤を再考する5(レベラー編)
番外編:中秋の名月 2015
番外編:十六夜のスーパームーン
ポタ赤を再考する6(ドットサイト編)
ポタ赤を再考する7(ポーラメーター改造編)
番外編:ネジトラブル(前編)
番外編:ネジトラブル(後編)
ポタ赤を再考する8(三脚チョイス編)
ポタ赤を再考する9(角度計・前編)
ポタ赤を再考する10(角度計・後編)
ポタ赤を再考する11(GX8とEE-1の相性)
ポタ赤を再考する12(ゼロ・イン編)
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