都心の天体撮影
さすが冬だけあって天気がよろしい。
季節的にも被写体の少ないシーズンであるから、今回は冬の代表でもあるオリオン座を撮影してみることにした。
Panasonic DMC-GX8+M.ZD ED12-40mm/2.8PRO
東京の夜空は明るいので星の数が少なく地味である。
なので標準ズームにソフトフィルターを被せてちょっと見映えをよくしてみた。
カメラは星空AFの作動するパナ製のGX8をチョイスした。
このデジカメはピントを外しても星へのAFによるリカバリーが簡単なので天体撮影には愛用させてもらっている。
Panasonic DMC-GX8+M.ZD ED12-40mm/2.8PRO
オリオンの三つ星の下にM42ことオリオン大星雲が見える。
今回はこの星雲も望遠レンズで撮影してみましょう。
レンズはオリンパスの高性能超望遠レンズ300mm/f4を使用する。
換算600mmとなる超望遠レンズだと、赤道儀が必須となる。
私はコンパクトなポータブル赤道儀(ポタ赤)を愛用している。
ここ東京23区内は四方をそれなりの高さがある建築物で覆われている。
北極星を確認出来ないこの空間では赤道儀の持つ本来の性能を十分に発揮出来ない。
そこでまず三脚雲台の水平面をしっかり取ってから、東京での緯度35°を合わせる。
デジタル角度計や以前作った角度計など総動員である。
同時にコンパスから偏角を考慮した真北を導き出す。
こちらも同様、複数のコンパスからより高い精度で追い込む。
さらにここをしつこく様々な方法で絞りこんだ方が誤差が減る傾向がある。
とにかく北極星が見えないので、精密さには欠けるがここに時間をかければ600mm換算で30秒の露光位はなんとかなる。
夏の夜は蚊の猛攻を喰らいやすく、やりたくない作業だ。
ポタ赤を固定したら後はレンズカメラボディのセットである。
望遠レンズの場合はなるべく三脚はガッチリしたものをチョイスすべきであろう。
ここでは重要なアクセサリについて語りたい。
まず重要なのがケーブルレリーズだ。
シャッター指押しはもちろん、タイマーでも指押し後の振動を拾うことがある。
換算600mmを超えてきたら無難にレリーズを使用するのが吉である。
またシャッターも可能であれば電子シャッターの方がブレの少ない撮影が可能だ。
ミラーレスとはいえ、メカニカルを使用するとブレを生じやすい。
ただGX8は1秒以上の電子シャッターが不可能なようなのでやむを得ずメカニカルシャッターを用いている。
そして結構重要なのがダットサイトだ。
画角が狭い超望遠で、狙い通りの星や小さな星雲にレンズを向けるのは相当至難の業である。
雲台を調整しながら暗い夜空から被写体を探し出すのは罰ゲームに近い。
そこでダットサイトがあるとレティクルを星に向ければ一発で液晶に映し出すことが出来る。
後は微調整のみだ。
注意すべきはレティクルの輝度を相当下げておかないと星の僅かな瞬きを同時に確認しにくい。つまり位置合わせが出来ないのだ。
オリンパスEE-1のレティクルはとんでもなく明るいので改造が必要だ。
東京の空では明るさが日によってかなり異なるのでこれがベストだという露出時間やISOが存在しない。
コレばかりは何枚か撮影して調整するしかないと思う。
星景写真の場合は液晶に露出のヒストグラムを出すといいと思う。
個人的には中央よりやや左側、全体で見るとピークが左1/4~1/3あたりがいいのかなあ。
まあ素人なのでその辺は話半分で。笑
通常のセンサーなので赤外線カットフィルターにより赤色はあまり出ない。
ここで露出時間を変えた3枚の画像を撮っておくといい。
Panasonic DMC-GX8+M.ZD ED300mm/4IS PRO(トリミング)
それらをコンポジット(比較明合成)するとあら不思議、結構らしく見えるように。
さすがに空気のきれいな所での撮影には負けるが、東京23区内幹線道路脇でもそれっぽく撮影出来る。
ノルマル機材を使った試行錯誤の素人レベルなのでちょっとお恥ずかしいが。
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コメント
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最近、このジャンルの勉強をしているんですが~このくらい撮影できれば
最高レベルじゃないのかな~と思います。
それも都内の真ん中でしょ?! まずは、赤道儀の仕組みを理解したいと
思っています。最近はカメラ内蔵もあるらしいので、少しづつでも・・・
投稿: SAKURA | 2017年1月 8日 (日) 21時47分
おお~、SAKURAさんもついにこの道に片足を。
私も天体に望遠を使い始めた頃は酷いものでした。
http://cherrygoya2.cocolog-nifty.com/blog/2012/11/om-d-1fac.html
やっているうちに徐々にコツが分かってきますよ。
個人的には天体撮影はDSLRよりもミラーレスの方が楽ですね。
望遠を使うととにかく振動との戦いになるのでミラーショックを取り除くために一々ミラーアップをしなくてはなりませんし。
またセンサーサイズが大きいとシステム全体がヘビー級になるため、赤道儀だけでなく三脚を相当に丈夫なものにしておく必要性が出てきてしまいます。
ミラーレスの、特にマイクロフォーサーズは全体的なシステムがコンパクトに出来るのでアクセサリ機材も最小限で大丈夫ですし、準備そのものが楽なんですね。
極める方はやはりダイナミックレンジのある大きなセンサーカメラの方が有利ですが、ちょっと片手間に趣味撮影程度ならばコレで十分ではないかと感じます。
願わくば、赤外線フィルターを外したお安いマイクロ機が出てくれるとちょっと嬉しいですね。
投稿: ちぇりた | 2017年1月 9日 (月) 07時54分