ソニーのEマウントフルサイズに対応する広角21mm単焦点レンズである。
今までは僅かに広角が強いTOKINA FíRIN 20mm/2FE MFを愛用していたのであるが、標準ズームのFE24-70mm/4ZA OSSと一緒に持ち出すと、FíRIN 20mmの予想外の大きさ使いにくさに辟易してしまい、何とかならぬものかとウンザリしていた。
先日のFE24-105mm/4G OSSを引き取りに行く直前に、ちょうど中古のLoxia21mmを見つけてそのコンパクトさに惹かれ引き換え購入となった訳である。
20mm→21mm、F2.0→F2.8というダウングレードを覚悟しつつ、不足金を支払うというちょっとマゾ的な要素のある購入だったが個人的には【ある程度】納得している。
美しいデザインを持つレンズである。
サイズはø62x72 mm、重量は394g。
見た目コンパクトな割に結構ズシリとくる。
FíRIN 20mmに比べると一回り小さく100g程軽い。
まあ、あちらは一段明るいのでそのくらいは当然だろう。
レンズ構成は9群11枚。
特殊レンズはEDガラスが4枚、非球面レンズが1枚の計5枚が用いられている。
レトロフォーカスデザインとのことだとか・・・・。
このレンズはフードを外すと比較的平らな前玉とフィルター取り付け枠が現れる。
最初デザインを見た時にフード一体型と勘違いしていたので、どうせガラスモールド形成なので保護フィルターは無理だろうなあと勘違いしていた。
嬉しい誤算である。
フィルター枠はお財布に優しいø52mm。
最初間違えてカメラ屋さんでø55mmを購入しかけてしまった。
指摘されて気がついた。ありがとう御座います。あぶないあぶない。
絞り羽根は10枚。
偶数なので光条は10本出ることになる。
鏡胴の質感は金属製でヒンヤリとしている。
さすがZeissと言わしめる高精度研削の塊である。
ピントリング、絞り環共に金属製である。
インナーフォーカスなので距離による鏡胴の伸長は見られない。
適度なトルク感はさすが高級レンズと言わしめる感覚を持つ。
気になる最短撮影距離は25cm、最大撮影倍率は0.12倍。
まあ標準的な感じである。
絞りリングは動画用にクリック感を消す(デクリック)ことも可能だ。
マウントバヨネット面の調整ネジで切り替える。NikonのAFカップリングのようだ。
マウントバヨネットの電子接点を保護するためにシーリングが施されている。
鏡胴部分はどうなのだろう。
恐らくだがレンズ本体は防塵防滴にはなっていない様な気がする。
フードはバヨネット式の花形だ。
なんと驚いたことに金属製である。
オマケに内面は大好きな起毛タイプで内反射防止を図っている。
スバラシイ・・・・。
TOKINAのFíRIN 20mm/2に比べるといいことだらけのLoxia 2.8/21に見えるが、やはりいくつか問題が見えてきた。
まずはレンズの取り付け外しが行いにくいことだ。
レンズ鏡胴の大半をピントリングと絞りリングで占められているために、レンズを回転させようとするとリングが一緒に動いてしまうことだ。
リングを回しきってから回す方法もあるが、ライカRレンズでコレをやると鏡胴が緩んでレンズユニットが抜けてしまった嫌な思い出があるので、恐ろしくてチャレンジ出来ない。
Zeissはこのあたりの事を考えてレンズを組み立てているのかなあ?
フードを外して回そうとしたが、ピントリングがレンズ先端まで包まれていることに驚愕した。(笑)
自分としては僅か5mm幅ほどの被写界深度指標が記載される僅かに残った【本当の鏡胴】を摘まむが如く掴んで回している。
だいぶガッチリ掴むことに慣れてきたが、エンボスの数字が擦れそうで怖い。
次に、F値の変更が絞りリングのみで、カメラダイヤルからの変更が一切関与出来ないことだ。
最初は冗談かと思って、最大F値22に合わせてみたりカメラ内部の設定を色々いじってみたが、どうやら冗談ではなくZeissは本気で絞りリングのみでのF値変更を推奨しているようだ。
まあ、"本来MFレンズは斯く在るべき"と言いたいことも分かるが、このお値段のレンズなのでもう少し融通を利かせてくれると嬉しかったですねえ。
レンズデータを送る意味もあるのでしょうが、電子接点は飾りかとぼやきたくなりそうです。
まあ、それでもコンパクトでZeiss Distagonの写りをする広角レンズということなので非常にテスト撮影も楽しみである。
これで星景写真も撮りたいですねえ。

Zeiss Loxia 2.8/21mm
スペック
テスト撮影
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