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04.フォーサーズ

2011年5月15日 (日)

ZD 25mm/F2.8を使ってみる

2008年に発売になったフォーサーズ初の換算で50mm/F2.8になる軽量コンパクトなパンケーキレンズ。
発売当初は人気のあったレンズで、別売りフードとともに入手を待たされたレンズでもある。

20110515a1

重量はフォーサーズの本領発揮となる95g、サイズはこれまたコンパクトな64x23.5mm。
最短撮影距離はなんと20cm、最大撮影倍率は0.19倍。
フィルター径はマイナーな43mmである。

20110515a2

このレンズはキャップが特徴的である。
ペンタックスのDA15mm/4.0と同じように、ねじ込み式のキャップなのだ。
なので開くときに少し面倒くさいことと、閉めるときにレンズ表面を触れてしまいそうになることが欠点だ。
そんなに拘らなくても良いのにと思ったのだが、発売当時のオリンパスはフォーサーズに相当気合いが入っていたのか。

Pon1

それではポンちゃんでテスト撮影する。
被写体までの距離は2m。
ボディはE-5、ISOは200、WBは太陽光に設定した。

【テスト撮影】

25mm F2.8
20110515b1

25mm F4.0
20110515b2

25mm F8.0
20110515b3

思ったより写りがいいので驚いた。
開放から隅角部までしっかりと解像し、コントラストもよい。
コンパクトなのにやるな、という感じだ。

【最短距離撮影】

20cm 左からF2.8/F8.0
20110515b4 20110515b5

隅角部では点光源の口径食が見られるが、このサイズなのだ。十分頑張っている。
このレンズは20cmまで寄れるため、換算50mmのフォーサーズにもかかわらず、ここまでぼかすことが可能だ。

【実写と感想】

このレンズはポケットサイズのコンパクトでありながら20cmまで寄れると言うことが最大の特徴だと思う。
接写近くまで寄ることができれば十分にぼかすことが可能だ。

20110515c1
Olympus E-5+ZD25mm/2.8

F値はF2.8と明るいレンズではあるものの、フォーサーズというセンサーの小ささからポートレイト等で距離を取りつつ人物の背景を大きくぼかすことはちょいと苦手だ。
しかし、このレンズサイズは「プラスもう一本」を可能にする。いつも持ち出すズームセットにプラスこれを追加できるのだ。
または軽量一本で軽くスナップというスタイルもシブくていい。

20110515c2
Olympus E-5+ZD25mm/2.8

他レンズとの組合せが面白そうだ。
山に行ったときは広角ズームにコレ一本がいいかもしれない。
被写界深度を稼げるフォーサーズセンサーならば、手持ちの山の撮影には強いだろう。
一本で攻めるならE-620のような軽量ボディが合うだろう。

20110515c3
Olympus E-5+ZD25mm/2.8

いずれにしても性能に特化しているわけではないが、オールマイティにそつなくこなすレンズである。
標準ズームでZD14-42mm/3.5-5.6を持っている人には超おすすめだ。
F2.8による高速なシャッターが切れることと、20cm接写による便利さは標準ズームの使用頻度を大きく上回ること請け合いだ。
写りも良くて、小型軽量コンパクトなのが嬉しい。

20110515c4
Olympus E-5+ZD25mm/2.8

だが、今はフォーサーズを新規で買う人がどれほどいるのだろう。
E-5は優れているが実売価格がかなり高額だ。
E-620はお安いが、センサーが古く高感度が苦手である。

レンズ群はとってもいいのに....。
嗚呼、フォーサーズよ。おまえは何処へ行こうとしているのか。

2011年5月 8日 (日)

Voightlander APO-LANTHAR90mm/3.5SL2を(E-5で)使ってみる

フォーサーズには優れたレンズが多い。
望遠域で有名処だとコンパクトなZD ED50-200mm/2.8-3.5SWDというのがある。
しかしコンパクトとはいえ1kg近い重量にテレ端ズーミング時に伸びる鏡胴、若干クセのあるボケなど自分的なこだわりに対していくつかの不満があるレンズなのだ。

そこで、さらに軽量コンパクトな単焦点であるアポランター90mmにその代替がつとまるかどうか試してみようと思う。
メインマウントであるキヤノンの望遠域が充実しているために、フォーサーズは換算180mm域まででも大丈夫かなと考えてのことである。

20110508a1

APO-LANTHAR90mm/F3.5SL2(Ai-Sタイプ)。
重量320g、サイズは63x48.2mmと換算180mmレンズとして考えれば軽量コンパクト。
近接撮影に優れ、最短撮影距離は50cm、最大撮影倍率は0.28倍である。
フィルター径はコンパクトな52mm。
当然ながらAFは効かずにMFとなる。

20110508a6

レンズはニコンマウントなので、ボディのE-5に取り付けるためにはフォーサーズアダプターをかます必要がある。
以前マクロプラナーを付けるために使用していたニコン・フォーサーズマウントアダプターを探し出してくっつけた。

20110508a5_2

このレンズもZD ED50-200mm/2.8-3.5SWDと同様に鏡胴が伸びる。
ただし、単焦点なのでフォーカシング時に伸びるのだ。
無限遠時にはレンズ全長が最短になり、近接撮影時に最大となる。
ま、これだけコンパクトなのでこの程度の伸びならば仕方のないことであろう。

Pon4 ぽんちゃん

それではぽん太郎君にご登場願う。
被写体までの距離は2mに設定。
ボディはE-5、ISOは200、WBはAUTOであった。

【テスト撮影】

90mm(換算180mm) F3.5
20110508b1

90mm(換算180mm) F5.6
20110508b2

90mm(換算180mm) F8.0
20110508b3

90mm(換算180mm) F11(参考)
20110508b4

90mm(換算180mm) F22(参考)
20110508b5

換算すると180mmの望遠域になるので、開放からF22まで撮影して背景の変化を見てみた。
フォクトレンダーらしく開放ではコントラストが落ち、解像度も若干低いようだ。
しかし少し絞ればコントラストと解像度は改善してくる。
F22まで絞ると派手な色調になってちょっと焦る。

【最短距離撮影】

50cm F3.5F8.0
20110508c15 20110508c2_3

50cm F16/F22(参考)
20110508c3_2 20110508c4_2

近接撮影はキレイにぼけている。
素晴らしいボケというわけではないが、換算180mmという望遠域と近接50cmという条件が上手にボケを生み出している感じだ。
50cm域でも解像度は十分であろう。

【実写と感想】

このレンズとZD ED50-200mm/2.8-3.5SWDを比較する事が間違っていた。
開発コンセプトが根本的に異なっていたのだ。

20110508d1
Olympus E-5+Voightlander APO-LANTHAR90mm/3.5SL2

アポラン90は接写やポートレイトなど、気軽にボケを楽しむために作られたレンズであろう。
風景撮影などで景色のあの部分を切り取って....、とZDレンズの感覚で考えて開放撮影するとコントラストの問題でイメージした写真が撮りにくいかも知れない。

20110508d2
Olympus E-5+Voightlander APO-LANTHAR90mm/3.5SL2

もちろん三脚に据えて十分に絞り込めば、濃厚な色合いの風景撮影も可能である。
回折現象を気にせずにF22まで絞り込むと派手な写真が撮れて面白い。
しかしフォーサーズの利便性は開放から使えるZDレンズ群にあり、手軽に手持ち撮影ができることにあるだろう。

20110508d4
Olympus E-5+Voightlander APO-LANTHAR90mm/3.5SL2

これはアポラン90が使えないレンズというわけではない。
ボケを生かせる被写体を選ぶことができれば素晴らしいレンズである。
ただ、SHGやHGクラスのレンズの解像感を等倍でじっくり鑑賞される方は、このレンズはお勧めでない。
なんと言っても実売3万円台のレンズなのだ。

20110508d3
Olympus E-5+Voightlander APO-LANTHAR90mm/3.5SL2

ボケにくいフォーサーズでMFを楽しみながら気軽にボケを楽しみたい人にはうってつけのレンズだと思う。(要マウントアダプター)
高価なZD150mm/2.0など狙わずに、寄れて面白いほどにぼかすことができる。

20110508d5
Olympus E-5+Voightlander APO-LANTHAR90mm/3.5SL2

自分としては、代替レンズとしてしばらく使ってみようと思う。
私は風景写真で切り取って云々という使い方はあまりしない。
どちらかというと望遠レンズはぼかすために使うことが多いからだ。
もう少しZD ED50-200mm/2.8SWDは手放さないで所持しておこう。
少し様子を見ていこうと考えている。

でもこのレンズ、ニコンで使ってみたくなってきた。
今度D700でもチェックしてみよう。

2011年4月27日 (水)

E-5と藤の花

先日は久しぶりにE-5にZD ED14-35mm/2.0SWDを取り付けて外出した。
両方合わせて1.7kgもの重量になるので、レンズはこの14-35mm/2.0のみとした。
藤の花がきれいだというので、近所のお寺の境内に子供と出かけた。

20110427a
E-5+ZD ED14-35mm/2.0SWD

先日見たときにはまだ小さかったつぼみが、この日はかなりが開花している。
殆どないと思っていた藤の花の匂いが意外に強くて驚いた。
周囲には数匹のクマンバチが羽音をブンブン言わせて飛び回っている。
子供は怯えて逃げだそうとするが、彼らはイタズラさえしなければ大人しいハチ達だ。

20110427c
E-5+ZD ED14-35mm/2.0SWD

ベンチに腰掛けて軽食と飲み物を取り出す。
久しぶりのカメラを持っての散歩なので、ちょっと新鮮に感じる。

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E-5+ZD ED14-35mm/2.0SWD

ZDED14-35mm/2.0SWDを持ち出したからには、できれば開放で撮影したい。
そのためにND2フィルターを付けてきたが、晴天ではちょっと弱すぎた。
ND4にしておけば良かった。

20110427d
E-5+ZD ED14-35mm/2.0SWD

E-5はいいカメラだ。
キヤノンやニコンを使っていると若干AFの弱さを感じることもあるが、レンズの良さも相まって撮影していて楽しいカメラである。

20110427e_2
E-5+ZD ED14-35mm/2.0SWD

藤の花を写していると、他にも一眼をぶら下げた御仁が数名現れた。
軒並みキヤノンである。やはり完成度高いですもんね。
最近ではブログにレンズのことばかり書いているので、遠目でもボディの機種とレンズが分かってしまうようになってしまった。
一種のブログ病みたいなものだろうか。

2011年4月19日 (火)

ZD 35mm/F3.5 Macroを使ってみる

フォーサーズ専用の換算70mmのマクロレンズである。
このレンズは中古で手に入れたが、あまりの軽さに本当に性能は大丈夫であろうかと不安にさせられたブツでもあった。

20110419a

自分の経験上、マクロレンズは比較的重く感じることが多かったので、このレンズにはいい意味で期待を裏切られた。
いや、本当に値段・重さの割にかなりよく写る。

全体的にプラスチッキーで、品番もエンボスされたプレートなどと気の利いたものはなく、ただのシールで済まされている。
しかしマウント部は金属製で、拘るべき所はちゃんと手を入れてある。
ピントリングはキヤノンのコンパクトマクロを彷彿させるほどにスカスカで、使う人を選ぶ可能性があるが、自分的には好きなリング感覚である。

重量は165g。サイズは71x53mmであるから、サイズの割にかなり軽量であることが分かる。
最短撮影距離は14.6cm。最大撮影倍率は1倍、つまりは等倍マクロである。

Pon1

それではいつものイヌの置物を使ってテスト撮影してみる。
被写体までの距離は2m。
ボディはE-30、ISOは160、WBは太陽光に設定した。

【テスト撮影】

35mm/F3.5
20110419b1

35mm/F5.6
20110419b2

35mm/F8.0
20110419b3

フォーサーズでは35mmは換算70mmレンズとなってしまう。
しかもボケはF7.0相当だ。
しかし、これだけ軽量であっても開放から結構使える解像度を持つ。
安くて軽くて写りが良いという三拍子揃った某牛丼店のキャッチフレーズのようなレンズである。

最短距離撮影は等倍撮影になってしまうため、実写で確認していただきたい。

【実写と感想】

このレンズは今も職場でE-620に取り付けて時折仕事で使っている。
換算70mmマクロは応用が利いて守備範囲はかなり広い。
なんと言っても、E-620と組み合わせた軽量なシステムというのがスバラシイ。

20110419c1
E-1+ZD35mm/3.5Macro

だが欠点もある。
このレンズはAFを前提として作られているためか、マニュアルフォーカスでの撮影がやりにくい。
伸びる鏡胴に撮影倍率が印字してあるが、倍率を固定しておきたくてもちょっとしたことでAFが働いてずれてしまう。
完全にMFでやればいいのだろうが、AFも結構使うので切換がメンドウなのだ。

20110419c3
E-1+ZD35mm/3.5Macro

さらにファインダーも小さく、MFでピントを合わせるのは至難の業であった。
その点、キヤノンやニコンはMFの切換が簡単で、ファインダーによるピント合わせも実用的なレベルであった。

20110419c2
E-1+ZD35mm/3.5Macro

結果的に、このレンズはAF専用で撮影することが多くなった。
E-620のAF精度に多少は言いたいこともあるが、ニコン・キヤノンにはない手振れ補正の効いた標準~中望遠のマクロレンズ。
この使いやすい画角に手振れというアドバンテージを持ったE-620+ZD35mm/3.5は未だに他社に変わることなく仕事上でも現役である。

20110419c4
E-30+ZD35mm/3.5Macro

さて、写りであるがSTDレンズとはいえ非常に良く写る。
AFの遅さは愛嬌であろう。
接写であればボケもキレイで、開放から使えるZDレンズの質の高さを良好なコスパで十分に堪能できる。

20110419c6
E-30+ZD35mm/3.5Macro

このレンズの上にはZD ED50mm/F2.0Macroがあるという。
数あるサイトでも100mm換算のこのマクロレンズは絶賛の嵐だ。
フォーサーズレンズを新規購入することのない自分にとっては、今後出会うことのないレンズではあるが、一度はその高品質な画像を見てみたかった。

20110419c8
E-1+ZD35mm/3.5Macro

フォーサーズでオリンパスは本当に面白いレンズをいくつも作った。
現時点でのオリンパスマイクロに於いて、私が興味を引くM.ZDレンズはまだ少ないが、いつの日にかきっとオリンパスらしい素晴らしいレンズを発表してくれることを期待している。

2011年4月10日 (日)

Leica D Summilux25mm/F1.4 Asph.を使ってみる

フォーサーズレンズの中で一、二位を争うほどのお気に入りのレンズ。
ズミルクス25mmである。

20110410a

このレンズは2007年にパナソニックから発売になった。
ライカ銘柄が付いてはいるが、実際にはパナソニックで開発生産されているパナライカと言われるレンズでもある。
しかし侮るなかれ、このレンズは驚くべき性能を誇るレンズでもあるのだ。

手に持つとひんやりと、そしてズシリと来る。
丁寧に作られており、パナソニックがフォーサーズに一時期本気であったことが伺えるレンズでもある。

重量は510g。サイズは77.7x75mmとフォーサーズレンズなのに重くて大きい。
最短撮影距離は38cm、最大撮影倍率は0.17倍である。
フィルター径は62mm。
手振れ補正は搭載されていない。

Pon1

それではいつものポンちゃんに登場願おう。
被写体までの距離は普段は2mなのに間違えて1mに設定。
ボディはE-30、ISOは200、WBは太陽光に固定した。

【テスト撮影】

25mm/F1.4
20110410b1

25mm/F2.0
20110410b2

25mm/F4.0
20110410b3

25mm/F8.0
20110410b4

開放から解像感、コントラストと問題なく使えるレベルである。
E-システムを持ち出すときは、必ずバッグに忍ばせていたレンズだ。
ちょっと重かったけど。

【最短距離撮影】

25mm/F1.4
20110410c1

25mm/F2.8
20110410c3

25mm/F8.0
20110410c4

38cmまで寄れるため、フォーサーズとはいえかなりぼかすことができる。
なんと言っても開放から問題なく使えるレベルであることだ。
ポートレイトなどボカして撮影するときなどは、フォーサーズユーサーにとってありがたいレンズになるだろう。

【実写と感想】

写りはごく自然で解像感は高い。
ほのかにアンバー気味に写るようだが、殆ど気になる事はない。
このレンズは後述するが、開放で撮影することに意味がある。(と思っている)
そのためにND2位のフィルターをいつも自分は付けていた。

20110410d1_2
E-1+Leica D Summilux25mm/1.4

このレンズの最大の強みは38cmまで寄れると言うことである。
50mmレンズは軒並み最短撮影距離が45cmほどある。
この7cmは大きい。

20110410d2
E-30+Leica D Summilux25mm/1.4

接写時は少しでも被写体を大きく、少しでもレンズに寄せたいと思うことが多いので、このレンズには気がつかないうちに色々世話になっているのだ。

20110410d3
E-30+Leica D Summilux25mm/1.4

しかし、nikonやキヤノンの同じ焦点距離である50mm/F1.4は重量が280~290gしかない。
なのにこのレンズは倍近い500g以上あるのだ。
しかもフォーサーズでセンサーが小さいにもかかわらずだ。

20110410d4
E-30+Leica D Summilux25mm/1.4

このレンズの後玉を見ると、ほぼセンサーがすっぽり収まるほどの大きさがある。
フォーサーズはフルサイズやAPS-C機に比べると、センサーサイズに比べたフランジバックの比が大きい。
光学的なテレセントリックをうたっているためだ。

20110410d5
E-3+Leica D Summilux25mm/1.4

実際に写りは中央部から周囲に渡るまで極めて解像感がいいと思う。
以前のブログに載せたように、他のサイトでもそれは言われているようだ。
まさに開放で撮影することがこのレンズの真骨頂であろう。
だが、テレセンとこの解像度を手に入れるためにセンサー比率に対してレンズは肥大化し、これは一体!?と思うような重量とサイズになってしまった。

20110410d6
E-5+Leica D Summilux25mm/1.4

でもフォーサーズはこれでいいと思う。
小型軽量にするにはマイクロフォーサーズがある。
フォーサーズには光学性能とテレセンを極めていただきたい。
今更軽量なレンズを作ったところでマイクロに喰われるのがオチだ。

20110410d7
E-5+Leica D Summilux25mm/1.4

理想を掲げて立ち上がったフォーサーズ。
万人の受けは今イチであったが、一部のコア(?)なユーザーに受け入れられ熟成されていったE-システム。
私は「ぼけない」「解像度・高感度が悪い」と言われながらも理想に向けて実際にボディを作り上げ、専用のレンズを組み上げたパナソニックとオリンパスには頭が下がる思いだ。

20110410d8
E-5+Leica D Summilux25mm/1.4

たまにフォーサーズの松レンズやパナレンズを手にとってしげしげと眺めると、本当によく作り込まれていると感心する。
既に時の止まってしまっているフォーサーズ。
パナソニックもオリンパスも企業である以上、売れない商品を作り続ける必要はないだろう。

理想を実際に製品化し、ユーザーに問うたその行動力を私は称えたい。

2011年3月29日 (火)

ZD ED 50-200mm/F2.8-3.5 SWDを使ってみる

欲しいな、でもどうしようか....と思っているうちにフォーサーズが休止状態に陥り、このまま買わずにフォーサーズがなくなってしまった場合、一生後悔すると考えてE-5とともに思い切って購入してしまった衝動買いのレンズ。

20110329a

ZD ED50-200mm/2.8-3.5SWDである。
換算して100-400mm/F2.8-3.5を誇る明るくて便利な軽量望遠ズーム。

重量は995gと1kgを切る。サイズはかなりコンパクトで86.5x157mm。
最短撮影距離は1.2m、最大撮影倍率は0.21倍。
フィルターは67mmである。

それではポンちゃんに来ていただいて、いつものテスト撮影をしてみましょう。

Pon3

カメラはE-5、ISOは200に設定、WBは太陽光に固定した。
被写体までの距離は2mとし、50mmから200mmまでの各焦点距離でそれぞれ撮影した。

【テスト撮影】

50mm(換算100mm) 左よりF2.8/F4.0/F8.0
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100mm(換算200mm) 左よりF3.2/F4.0/F8.0
20110329c1_2 20110329c2_2 20110329c3_2

150mm(換算300mm) 左よりF3.4/F4.0/F8.0
20110329d1 20110329d2 20110329d3

200mm(換算400mm) 左よりF3.5/F4.0/F8.0
20110329e1 20110329e2 20110329e3

噂通りかなり凄いレンズだと思う。
E-5と言うフォーサーズではかなり解像度の高いボディを使用しているとはいえ、10万円以下で手に入るこのレンズの解像感は見事である。

50mmの中央部と隅角部のトリミングを出してみる。

50mm(換算100mm) 中央/隅角
20110329f1 20110329f2

ボケ具合にクセがあると言われるが、自分的にはさほど気にならない。
これだけの軽量レンズでありながら上手くまとめて作り上げている。

【最短距離撮影】

200mm(換算400mm) F3.5
20110329g

フォーサーズのためボケはF7.0相当になるが、最短撮影距離1.2mだと簡易マクロ的に大きくぼかすことができる。
最大撮影倍率は0.21倍であるから、マクロ撮影としては厳しいが。

【実写と感想】

このズームを使う上で重要なことは、なるべく手振れ補正効果の大きいボディを使うことである。
できればE-5やE-3、E-30等が好ましいだろう。
テレ端で換算400mmの望遠になるのだ。補正が弱いと手振れがかなり目立つ。

20110329h4
E-5+ZD ED50-200mm/2.8-3.5SWD

しかし写りは秀逸だ。
ワイド端、テレ端ともに切れのいい画像を映し出す。
ボケに賛否両論があるようだが、10万を切る金額で100-400mmの高性能ズームが手にはいるならば安いものであろう。
より美しいボケを求めたければ、ZD ED35-100mm/2.0やZD ED150mm/2.0を選択すればよいのだ。

オリンパスZUIKO DIGITAL 50-200mm F2.8-3.5 SWDは極めて魅力的なレンズだがボケ味がウィークポイント
(デジカメInfo.より

20110329h2
E-5+ZD ED50-200mm/2.8-3.5SWD

このズームはZD ED12-60mm/2.8-4.0SWDと組み合わせることで、よりオリンパスの最新E-システムを堪能することができる。
これにSWDマクロが入れば完璧であったろうに、結局は夢のまた夢となってしまった。

20110329h3
E-5+ZD ED50-200mm/2.8-3.5SWD

巷の評価は極めて高いレンズであり、使ってみると確かになるほどと納得できる出来映えのレンズだ。
コンパクトで写りは抜群にいいが、フォーサーズのためボケ具合にやや不満を感じ、テレ端ズーミング時のデザインにため息をついてしまう。

いいとこ取りのレンズというのは、なかなかないものなのだ。

2011年3月 1日 (火)

Leica D VarioElmar14-150mm/F3.5-5.6 OIS Asph. を使ってみる

2007年にパナソニックから発売になったフォーサーズ用のちょっとすごい高画質な高倍率ズーム。
フォーサーズのトラベルセットと言ったら、これを中心にレンズを選んでいった。
非常に世話になったズームレンズである。

20110219a

35mm換算にして28-300mm域をカバーする超便利なズーム。
重量は530g、サイズはΦ78.5x90mm。
最短撮影距離は50cm、フィルターサイズは72mmである。

冒頭に述べたが、高画質以外にこのズームの何がすごいのかというと

1.高倍率なのに信じられないような歪曲の少なさ
2.高倍率なのに信じられないような周辺部減光の少なさ

この2点である。
私にとって特に重要で気になるのは1.のディストーションの問題だ。
高倍率ズームを使うならば多少は自分的に歪曲には諦めモードが入るが、パナソニックはそこを諦めず徹底的に作り込んでくれた。
Leica D14-50mm/2.8-3.5でパナに結構やるじゃない感が生まれて、Leica D25mm/1.4とこのレンズを手にしてパナ製レンズは信用できる感が完成した。

ではいつものポンちゃんでテスト撮影を。

Pon1

被写体までの距離は2m。
カメラはE-30、ISOは200に固定、WBは太陽光に設定した。

【テスト撮影】写真はクリックで拡大

14mm(換算28mm) 左からF3.5/F5.6/F8.0
20110219b1 20110219b2 20110219b3

17mm(換算35mm) 左からF3.7/F5.6/F8.0
20110219c1 20110219c2 20110219c3

25mm(換算50mm) 左からF4.0/F5.6/F8.0
20110219d1 20110219d2 20110219d3

35mm(換算70mm) 左からF4.4/F5.6/F8.0
20110219e1 20110219e2 20110219e3

50mm(換算100mm) 左からF4.8/F5.6/F8.0
20110219f1 20110219f2 20110219f3

100mm(換算200mm) 左からF5.4/F5.6/F8.0
20110219g3_2 20110219g1 20110219g2

150mm(換算300mm) 左からF5.6/F8.0
Back4x3_5 20110219h1 20110219h2

フォーサーズ故にボケは大したことないが、開放からコントラストも十分で隅角部までしっかり解像している。
爆速ではないが、Extra Silent(XS)技術による超音波モーターは通常使用でも全く問題になることはない。

【最短距離撮影】写真はクリックで拡大

150mm(換算) 左からF5.6/F8.0
20110219i1jpg 20110219i2jpg

最短撮影距離の50cmで、最大焦点の150mm(換算300mm)域で撮影した。
かなりの倍率で撮影できる。
大きい花ならばマクロ的な撮影も可能であろう。

【実写と感想】

500g強で28-300mm域をカバーする高画質で歪曲の少ないスーパーレンズ。
疑似マクロもできるためフォーサーズではこれ一本でも十分なレンズだ。
一言で言えば万能レンズ。
値段的にはやや高額であるが、ライカブランド銘柄に恥じぬ高品質な高倍率ズームを堪能することができる。

20110219l
E-30+D VarioElmar14-150mm/3.5-5.6OIS.

そのため旅行などに持ち出す際はこのレンズを中心に選択することになる。
広角域はZD ED7-14mm/4.0で決まりだろう。
標準から望遠域はこのレンズでカバーできる。
後はハイスピードレンズだ。Leica D25mm/1.4を選べば完璧だろう。
マクロはD14-150mm/3.5-5.6を疑似マクロ的に使えばよい。
遠距離旅行には上記セットにLeica MacroElmaritR60mm/2.8にマウントアダプターを付けて持ち出すことが多かった。

20110219j E-1との組合せは色が良かった
E-1+D VarioElmar14-150mm/3.5-5.6OIS.

思えばこの頃が一番カメラ撮影でも充実してきた気がする。
ボケが少ない分、斯様にボケをこのレンズで増やそうか考えたり、山に登れば被写界深度が多いのでフォーサーズの良さを再認識できたりと非常に楽しかったのだ。

20110219p ワイド端でも歪曲は目立たない
E-30+D VarioElmar14-150mm/3.5-5.6OIS.

逆光にも強く、滅多なことではフレアやゴーストも出にくい。
欠点と言えばAPS-C高倍率ズームほどに重く、下に向ければ自重で鏡胴が伸びてしまうくらいだろうか。

20110219k E-1には手振れ補正がないので助かる
E-1+D VarioElmar14-150mm/3.5-5.6OIS.

D14-50mm/2.8-3.5よりもボケを出すのは簡単で、いつの日か稼働率はそれよりも高くなっていたレンズである。
だが実はこのレンズはすでに手元にない。
フォーサーズを大リストラしたときに手放してしまったのだ。
これだけ絶賛しているレンズを何故に手放してしまったのか。

20110219o イルカ程度ならばAF速度は問題ない
E-30+D VarioElmar14-150mm/3.5-5.6OIS.

このレンズはフォーサーズをメインで使うならば汎用という意味では最強だと思う。
しかし、今やフォーサーズは私のマウント群の中ではマイノリティーな存在になってしまった。
サブとしてフォーサーズを使うには特色のある独自なレンズを数本持つか、この汎用レンズを一本持つかという選択になるであろう。

20110219m
E-30+D VarioElmar14-150mm/3.5-5.6OIS.

私は前者を選んだ。
残したフォーサーズレンズは独自色の高い特徴のあるレンズのみを選択したのだ。
もし、フォーサーズが未だメインマウントならばこのレンズは決して手放さなかったであろう。

20110219q
E-30+D VarioElmar14-150mm/3.5-5.6OIS.

デザインも美しく使い勝手にも文句はなかったフォーサーズの才色兼備なズームレンズ。
すでに時間の止まってしまったフォーサーズには、このレンズと新パートナーを組めるレンズが現れないことを残念に感じてしまうのだ。

【おまけ】クリックで拡大

20110219n1 20110219n2 20110219n3
E-30+D VarioElmar14-150mm/3.5-5.6OIS.

ちなみにこのレンズは連射にもいい。
E-30の5コマ/秒と組み合わせてよく使っていた。
本当に有能で万能なレンズであった。

2011年2月14日 (月)

Leica D VarioElmarit 14-50mm/F2.8-3.5Asph.を使ってみる

私が初めて手に入れたフォーサーズの標準ズーム。
当時ZD14-54mm/2.8-3.5という優れたオリンパス製標準ズームがあった。
ZD14-54mmの方が22cmと7cmも寄れるし、VarioElmarit14-50mmはある某フォトグラファーの辛辣な意見もあって相当悩みに悩んだのだが、ライカというワードに惹かれてこちらを購入した。

20110213a

サイズを見てから手に持つと意外と軽く感じる。
重量は490g、サイズはφ78.1×97.4mm。
最短撮影距離は29cm。
フィルター径は72mm、OISというレンズ内手振れ補正を搭載してある。

デジタル化されている最先端レンズのはずなのに何故か絞り環がついている。
ま、この辺りは某企業による大人の事情というヤツだろう。
嫌いではないですよ、こういう遊び心は。

それではポンちゃんに被写体になっていただきましょう。

Pon2

被写体までの距離は2mに固定。
ボディはE-30、ISOは200、WBは太陽光に設定した。

【テスト撮影】

14mm(換算28mm) 左からF2.8/F5.6/F8.0
20110213b1 20110213b2 20110213b3

17mm(換算35mm) 左からF3.1/F5.6/F8.0
20110213c1 20110213c2 20110213c3

25mm(換算50mm) 左からF3.3/F5.6/F8.0
20110213d1 20110213d2 20110213d3

35mm(換算70mm) 左からF3.4/F5.6/F8.0
20110213e1_2 20110213e2 20110213e3

50mm(換算100mm) 左からF3.5/F5.6/F8.0
20110213f1 20110213f2 20110213f3

オリンパスのズイコーデジタルレンズに比べると、僅かではあるがアンバーに写る気がする。
ほんのり暖色系と言ったところか。

次にボケ具合を見るために最大焦点距離で開放から撮影する。

【最短距離撮影】

50mm(換算100mm) 左からF3.5/F5.6/F8.0
20110213g1 20110213g2 20110213g3

29cmまで寄れるので、それなりにはボケてくれる。
だがフォーサーズというセンサーサイズから35mm換算で100mm/F7.0で大きくぼかすのはきついであろう。
正直F値2.8-3.5の標準ズームで少しでもぼかすなら、より7cm寄れるZD14-54mmをおすすめする。

【実写と感想】

ZD14-54mmと比較すると、このLeica D VarioElmarit14-50mm/2.8-3.5のアドバンテージは

1.手振れ補正が搭載されていると言うこと。
2.ライカ銘柄であると言うこと。

この二点ぐらいであろうか。
私はボディはオリンパス製のEシリーズを使っていたので、このレンズを使っていた目的は2.のライカ銘柄という事になる。
実際そうだったと思う。

20110213h
E-3+Leica D VarioElmarit14-50mm/2.8-3.5

もちろん、100%ライカが開発生産したことでないことは知っている。
俗に言うパナライカというヤツだ。
それでもかまわない。
実際にライカが製造生産してたら値段も跳ね上がるし、手に入れるまで相当待たされた再M9の悪夢が再びよみがえる。

20110213i
E-3+Leica D VarioElmarit14-50mm/2.8-3.5

このレンズは前玉の横にLeicaのロゴが入っている。
それだけで持ち出すモチベーションが上がるのだ。
そのようなレンズはなかなかない。
ライカ銘柄の魔力というものなのだろうか。
まあブランド好きと言うだけかも知れないが。

20110213j
E-3+Leica D VarioElmarit14-50mm/2.8-3.5

このレンズは発売が2006年だ。
パナソニックが初めて出した交換レンズ型レンズ内手振れ補正。
そのためかもしないが、手振れ補正の効きがちょっと微妙である。
ひいき目に見て2段分くらいではないだろうか。
だからE-3やE-30ではより効果の高いボディ内手振れ補正の方にご厄介になる。

20110213m
E-1+Leica D VarioElmarit14-50mm/2.8-3.5

このレンズが真の能力を発揮するのはE-1を使ったときだ。
ボディ内手振れ補正のついていない初期のフォーサーズ機であるE-1は、独特の色を出すコダックセンサー(500万画素)を搭載しているため未だに根強い人気を誇る。
そのE-1にレンズ内手振れ補正の、しかもライカ銘柄のレンズがついてしまったら鬼に金棒、ヤマトに波動砲だ。

20110213n
E-1+Leica D VarioElmarit14-50mm/2.8-3.5

なのでE-1使用時はよくというか殆どこのレンズを装着していた。
はっきりと解像するこのレンズに心底惚れ込んでE-1の相棒としてずっと使っていこうと思っていた。
しかしE-5の発表とともにE-1の出番は激減し、このD VarioElmaritの使用頻度も殆どなくなってしまった。

20110213o
E-1+Leica D VarioElmarit14-50mm/2.8-3.5

未だに手放したカメラ屋さんの棚に鎮座しているVarioElmaritを見るとやや悲しい気持ちになる。
いっそ買い戻してやろうかと考えるが、フォーサーズの使用頻度から考えると再びこのレンズが日の目を見ることは難しいだろう。

20110213q
E-1+Leica D VarioElmarit14-50mm/2.8-3.5

ライカブランドという強力なお札を貼り付けたパナソニック製の気合いの入っている初フォーサーズレンズ。
難産の末に生み出されたが、使ってみれば某フォトグラファーは何故に?と思うほど出来はよい。
ディスコンされたときに再評価されるレンズではないかと自分は思っている。

私はこのレンズを使ったことで、パナソニック製交換レンズに対しては信頼と安心感をもてる事に気づいたのだ。

2011年2月10日 (木)

ZD ED 14-35mm/F2.0 SWDを使ってみる

優秀なレンズが揃っているにもかかわらず、フォーサーズの将来性に疑問を感じてかなりのレンズを手放してきた。

その中で、これは残しておこうと感じたレンズが2本あった。
そのうちの1本がこのレンズである。

20110209a

ZD ED14-35mm/2.0SWD。
35mm換算で28-70mm/F2.0の性能を持つハイスピードでゴージャスな標準ズームだ。

重量はフォーサーズの標準ズームとは思えぬ915g。最短撮影距離は35cm、最大撮影倍率は0.12(35mm換算で0.24)倍である。
フィルター枠は意外にも77mmで済んでいる。

このレンズの気に入っている点は、光学性能やしっかりとした作り込みだけではない。
実は私のツボである、ズーミング時の鏡胴の伸び率が少ないのだ。
通常に使用していても、まず気になることはない。
気持ちよく使えるズームレンズの筆頭である。

Pon3

それではポンちゃんのテスト撮影を。
ボディはE-30、ISOは200で固定、WBは太陽光に設定した。

【テスト撮影】

14mm(換算28mm) 左からF2.0/F4.0/F8.0
20110209b 20110209b2 20110209b3

17mm(換算35mm) 左からF2.0/F4.0/F8.0
20110209c 20110209c2 20110209c3

25mm(換算50mm) 左からF2.0/F4.0/F8.0
20110209d 20110209d2 20110209d3

35mm(換算70mm) 左からF2.0/F4.0/F8.0
20110209e 20110209e2 20110209e3

ディストーションは殆ど気にならない。
周辺部までしっかりと解像されており、さすがSHGの標準ズームであると驚かされる。
まあSHGの広角・標準・望遠の3ズームの中では一番の後発であるが故に十分開発に時間をかけたのであろう。
お値段は高いけど。

【最短距離撮影】

次にボケ具合を見るために最短撮影距離の35cmで最大焦点距離70mmにて開放から撮影した。

35mm(換算70mm) 左からF2.0/F4.0/F8.0
20110209f3 20110209f2 20110209f4

さすがF2.0である。きれいにぼける。
35mm換算してしまうと70mm/F4.0相当のボケになってしまうのだが、フォーサーズ使いは僅かなボケでも純粋に喜びたいものだ。
ボケのありがたみがよく分かる。

【実写と感想】

こいつは普通の標準ズームレンズではない。
フォーサーズなのに巨大で915gもの重量があって、しかもトレンドの24mm始まりでなく時代遅れの28mm始まりで....、とネガティブな意見は枚挙にいとまがない。

20110209h
E-1+ZD ED14-35mm/2.0SWD

なのに何でこのレンズに惹かれるのだろう。
デザインか?鏡胴があまり伸びないからか?SWDが搭載されているからか?
否、やはりこのレンズが作り出す画像だと思う。

20110209i
E-30+ZD ED14-35mm/2.0SWD

実際、このズームレンズは売却せずに残そうと考えた後に、デジカメinfoさんから納得のいく記事が載せられた。

オリンパスZUIKO DIGITAL ED 14-35mm F2 SWDは完璧な解像力

この14-35mmはフォーサーズを使っていた人ならば必ずはまり込むレンズだ。
150mm/F2.0のような派手なボケは生み出せないが、上品で周辺まで解像された画像は撮影すること自体に快感すら与えてくれるようだ。

20110209o
E-30+ZD ED14-35mm/2.0SWD

フォーサーズセンサー故にボケは苦手であるが、開放から使えるその画質は見るものを飽きさせることはない。
それがF4.0相当のボケであってもだ。

20110209n
E-30+ZD ED14-35mm/2.0SWD

フルサイズデジタルカメラを使っていると大きいボケや高感度の強みは当たり前であるが、フォーサーズ使いにとってそれらは鬼門だ。
だが14-35mm/2.0を使うことによって周辺までの高画質を維持しつつ、これら欠点を小さくすることができる。
フルサイズに比べれば効果は小さいが、フォーサーズという小さいセンサーからくる束縛をこのレンズにより克服したにも似た充実感を感じ取れるのだ。

20110209p
E-30+ZD ED14-35mm/2.0SWD

ZD ED14-35mm/2.0SWDはフォーサーズにおけるはくちょう座の恒星デネブのようなものだ。
パッと見は単なる一等星なのだが、その実は信じられないほどの超高輝度恒星であり、1800光年もある超遠距離のために普通の一等星にしか見えないという。

実際に手にして撮影してみるとその価値が分かるスーパーハイグレードな標準ズーム。
デネブのように見ているだけではその真の実力は分かりにくい。
是非、フォーサーズユーサーはこのレンズに触れていただきたい。
私はこのレンズを使えただけでフォーサーズに出会えて良かったと感じてしまうのだ。

2011年2月 8日 (火)

ZD ED 7-14mm/F4.0を使ってみる

フォーサーズと言えばテレセントリックな光学系を前提としてレンズが開発されるため、望遠などにアドバンテージが高いと言われていた。
なのにこのレンズが出てきた。

20110208a

ZD ED7-14mm/4.0。
このレンズのせいで私はフォーサーズに傾倒するハメになってしまった。

この製品の特徴は発売当時、驚愕の7-14mm(35mm換算14-28mm)という画角を誇っていたことだ。
しかもディストーションが極めて少ないときた。
周辺減光もかなり少なく、逆光性能は強いとは言えないが一般的なレベルには達しているスーパーレンズである。

重量は驚きの780g。もちろん悪い意味でだ。
フォーサーズなのに何でと悪夢のような重さを誇る。
最短撮影距離は25cm、最大撮影倍率は0.11倍。

このレンズの売りはEDガラスモールド非球面レンズを使っていることだ。
当時量産が難しかったこのEDレンズを非球面化できるようになり、超広角で問題になる色収差やコマフレアを減少できたという。

Pon2

それではポンちゃんによるテスト撮影を。
被写体までの距離は2m。
ボディはE-30でISOは200に固定、WBは太陽光に設定する。

【テスト撮影】

7mm 左からF4.0(開放)/F5.6/F8.0
20110208b_2 20110208b2 20110208b3

9mm 左からF4.0(開放)/F5.6/F8.0
20110208c 20110208c2 20110208c3

14mm 左からF4.0(開放)/F5.6/F8.0
20110208d 20110208d2 20110208d3

さすがEDガラスモールド非球面レンズ。
周辺まで十分解像されている。
逆にこの重さでへっぽこな光学性能だったら悪夢だ。

【最短距離撮影】

14mm 左からF4.0(開放)/F5.6/F8.0
20110208e 20110208e2 20110208e3

ボケ具合を見るため、最大焦点距離の14mm(換算28mm)域で撮影する。
意外ときれいにぼける。

【実写と感想】

とにかく大柄で重いこのレンズを持ち出すには、それなりの気合いが必要である。
このレンズを持ち出すなら、標準レンズもSHGの14-35mmにしよう....。
ならば、望遠レンズは....と重量の悪循環に陥る。

20110208f_2
E-30+ZD ED7-14mm/4.0

そこで、フォーサーズを持ち出すにはテーマを決めて、SHGなレンズはいつも1本までとマイルールを作っていた。
多かったパターンがこのSHGな超広角レンズにパナライカの14-150mm、そして25mmのズミルクスだ。

20110208g
E-30+ZD ED7-14mm/4.0

後で知ったのだが、ZD11-22mm/2.8-3.5も結構使えるレンズである。
だが広角域が換算22mmと、7-14mmの焦点域を知っているものとしてはかなり辛いものがあった。

20110208h
E-30+ZD ED7-14mm/4.0

写りは満足、嫌いなディストーションも殆ど気にならない。
でも重い。
しかし当時の私のフォーサーズには広角レンズはこれしかなかった。

20110208i
E-30+ZD ED7-14mm/4.0

軽量化できるフォーサーズなのに重い。
いつしかフォーサーズ=重いという図式が成り立ってきてしまった。
そんな中、マイクロフォーサーズが発表され、パナソニックから驚きの軽量化された7-14mm/4.0が発売された。
これを機に、SHGな7-14mmの出番は激減した。

20110208k_2 隅角に強い光源を入れると弱い
E-30+ZD ED7-14mm/4.0

なので今は所持していない。
しかしオリンパスが光学性能のみで、あの焦点距離を維持し、ディストーションを目立たなくさせ、周辺まで開放から解像させるにはフォーサーズセンサーであのサイズになるのだと言うことを分からせてくれた。

20110210l_2
E-1+ZD ED7-14mm/4.0

以来、SLRの超広角レンズはある程度の妥協をして購入している。

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