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不思議

2017年11月24日 (金)

赤むらさき

23日の勤労感謝の日は次男坊が受験の関係で母と出かけるために、午前中は娘とお留守番、午後は嫁さんPCの設定、夕方から娘と嫁さんで近所のお寺へ散歩に行ってきた。

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Sony a7SII+FiRIN 20mm F2 FE MF

最近は日が陰るのが早い。
何しろ後一ヶ月ほどで冬至である。

日の入らなくなった境内で、ストライダーに跨がって遊ぶ娘が急に我々の傍に駆け寄ってき、歯を見せつつ眉間にしわ寄せた顔をにしながら尋ねてきた。

おとーさん、あそこにいる赤むらさきの人は何でこんな顔をしているの?

ギョッとした。
境内は我々以外に人気はなく、シンとしている。

どこにいるの?
指さして教えてごらん。

娘は境内の裏口の方を指さして、あそこにいるよと教えてくれた。

どこ?どこにいる?と何度も聞いていると、娘は急にしまったという顔になり、「あっ、何でもないの。何でもない」とストライダーに跨がり、そのまま逆の方へ走って行ってしまった。

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Panasonic DC-GH5+Leica DG Vario-Elmarit12-60mm/2.8OIS.

これはあの時と一緒だ。
嫁さんは「怖い~怖い~」と恐怖に顔を引きつらせている。

今回の驚いたことは娘の行動だ。
本人には確認していないが、他人には見えないものを見ているという自覚があるのではないかという行動のように感じる。
今回のパターンは初めてなので、かなり意外だった。

こういうことはあまりしつこく聞かない方が本人にもいいと思うので、そのままスルーさせていく方向で嫁さんと話がまとまった。

いずれこのような事は何も言わなくなるであろう。
しかし、一体何なのだろう。・・・・

2017年11月 4日 (土)

夜の椅子

最近、風邪のせいか頭痛と眠気がひどい。
一服盛られたのではないかと思うほどに眠いのだ。

残業も残っているが、私の体調が悪いのでスタッフの足を引っ張って申し訳なく思う。
土曜日はスタッフリーダーを夜遅くまで職場に残らせてしまった。

リーダーの自宅は職場の近所なので、防犯も兼ねて家の近くまで送ることにした。
その時、帰宅途中にスタッフが通勤途中の路上に置いてある椅子について話し出した。

20171103a
Panasonic DMC-GF7+Leica DG Summilux15mm/1.7

夜の帰宅時に時々杖をついた老人がその椅子に座っていることがあるらしい。
最初は徘徊老人なのかと心配していたが身なりもしっかりしており、あまりそのようには見えなかったという。

帽子を被っており顔はハッキリ見えない。
彼はシーズンに関係なく同じ服装なのだという。
スタッフはある時期から気味が悪くなって、視線を向けない様に反対側の通路を歩く様になったのだとか。

そんな話を聞かされてから、スタッフ自宅近所で彼女と別れた。
一人の帰り道は妙に緊張する。

20171103b

いや~、ハロウィンがあったばかりであるが、ちょっと趣向が違う気がするなあ。
帰り道は迂回して帰ることにした。

2017年8月20日 (日)

赤いサンダル

今日で夏休みも終わりである。
なので最後は不思議シリーズで締めたいと思う。
このシリーズはアクセス数が落ちるので私としては怖いパターンである。

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Panasonic DC-GH5+Leica DG Vario-Elmarit12-60mm/2.8-4OIS.

以前の仕事場のことだ。
そこの私の仕事スペースは、比較的大きい部屋の中央を仕切りによって区切られている。
私のデスクはそのしきりに付けるよう配置されていた。
仕切りの両端は開いており、通路として活用している。

通路の片方側はカーテンが掛けられ基本的には出入り禁止となっており、もう一つの通路からスタッフが書類を持ってくるのだ。
つまり私に用事があるときは、カーテンの隙間にスタッフの歩くシューズが見えたのち反対側の通路から顔を出すというパターンになっている。

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Sony a7RII+Distagon T* FE35mm/1.4ZA

15年くらい前の春のとある日、あまり忙しくないので卓上で雑務をこなしていた時にカーテンの隙間から子供の履く赤いサンダルが走り抜けるのが見えた。
仕切りの通路側には暇を持て余しているスタッフが立っていたので、ここまで入り込んでしまった子供に声かけして室外に出してくれるだろうと思っていたのだが、一向に動く気配がしないため私からスタッフに声をかけた。
その時、そのスタッフも同時に私に声をかけてきた。

そちらに子供が行かなかったか?というのが双方の言い分だ。

要は、私からは仕切りの向こう側を走り抜ける子供の履いた赤いサンダルが、スタッフからは反対のカーテン側を抜けていった黄色い服を着た女の子を見たと言うことだった。

もちろん、そんなモノはコチラに来ていない。
スタッフもそう言っていた。

まあオチのない話なのだが、個人的に不思議なことは聞く系が多かったが、この時初めてらしいモノを見た。
信じてはいないのだが、やっぱり体験すると気になる。
それが音系であってもだ。

因みに見えた場所は、解体時に現れた井戸の場所と一致している。
なんか怖いのう・・・・。

2017年7月 5日 (水)

笑っている顔

今日、風呂上がりに娘が階段の踊り場を見つめながら「お顔がある」とのたもうた。

20170705a
Panasonic DMC-GF7+Leica DG Summilux15mm/1.7

嫁さんも私も大騒ぎである。
階段に目をこらしても何も見えない。

娘はお顔は3つあるというので、そこへ行って場所を指さしてもらった。
一つは階段の踊り場の手すり部分、もう一つは上の照明の当たり、最後は上の壁面を指さした。
当然、我々両親は何も見えない。(笑)

嫁さんは非常に怖がっているが、私は興味津々だ。
娘にいくつかの質問をしてみた。

・お顔は何色に見える?→白と黒(モノトーンと言うことか?)

・表情は?→笑っている

年齢は?女の子

動いている?動いていない

質問を続けていると、嫁さんから「怖いからもう止めてちょうだい」と怒られてしまった。
娘は怖がることも無く、ニコニコと階段の方を見つめている。
嫁さんはもうダメだ。
ビビって今日は家中の電気を付けて寝ますと言い始めた。

これは興味深い。
息子達にも似た様な事があったが、娘も彼らも決して出鱈目を話している感じでは無い。
一体、何が見えているのだろう。

2017年4月 3日 (月)

後ろ

実は今、父が入院している。
まあ大したことではないが、いわゆる検査入院というヤツである。

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Olympus E-M1 MarkII+M.ZD ED300mm/4 IS PRO

数日前の夜更けに、父の付き添いで一緒にいる母から連絡が来た。
自分の着替えを実家に置いてきてしまったのだが、生憎家には誰もいないのでここまで持ってきて欲しいというモノだった。

外は冷たい雨が降っていたが、仕方なく実家へ赴き荷物を手に取りタクシーで病院に乗り付けた。
既に消灯時間を超えているので病院の中は薄暗い。
父のいる個室へそそくさと入ると、薄暗い中で母が待っていた。

荷物を手渡し、寝ている父の姿を見てから早々に帰ろうとすると、母から温かい飲み物を買ってくるからここで待っていなさいと言う。
それなら自分で買いに行く旨を伝えるが、わざわざ来てくれたのだからと病室から出て買いに行ってしまった。

暫く寝ている父と二人だけになった。
窓からカーテン越しにそっと外を覗くと雨に濡れた綺麗な夜の街並みが見える。
パイプ椅子に座ってカーテンを静かに元に戻したとき、突然父から声をかけられた。

○○、お前の後にいる人は誰だい?

ギョッとした。
父を見るとジッと私の方を見つめている。
後を振り返るが当然誰もいない。壁があるだけである。

ああ、起きたんだ。
母は今ドリンクを買いに言っているよ。

そう答えると、再び父は「お前の後にいる男の人は誰なんだい?」と尋ねてきた。

ちょっと止めてくれよ。
場所が場所だけに冗談じゃないよ。
苦笑いをしながら父に話しかけると、ちょうどそこにコーヒーを持った母が戻ってきた。

20170403b_2
Olympus E-M1 MarkII+M.ZD ED12-100mm/4 IS PRO

今起こった事を母に話すと、「ちょっと止めてちょうだい!」と𠮟られた。
父にも先ほどの件を再確認すると「そうかあ?」なんて寝ぼけている。

「まあ、寝ぼけたんでしょ」という話に落ち着いたが、あのときの布団から頭をもたげてコチラを見ていた父の目が何故かとても怖く感じたのだ。
薄暗い中、私から僅かにずれた視線のあのえも言われぬ眼差しが今でも忘れられない。

たまに冗談を言う人なので、今回も冗談であって欲しいと心底願っている。(笑)
因みに帰る間際まで、もう少しいなさいよと母に相当ごねられた。

2016年9月19日 (月)

おならの霊

怖い話かどうかはさておき、先日不思議な体験をした。

この日、家には私とネコ以外誰もいなかった。
嫁さんは子供たちを連れて昼から外に出かけている。
私は2Fの寝室ベッドの上で途中だった本の続きを一時間ほど読んでいるうちに眠くなったのでそのまま寝てしまった。

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Canon EOS 5D MarkIV+EF70-300mm/4-5.6L IS USM

30分ほど経ったのだろうか、突然、直ぐそばからの巨大な放屁の音で目が覚めた。
意識がハッキリした状態でも音が聞こえていたので結構長めだったのかも知れない。
数秒と言ったところだろうか。

音はヘッドボードの方から聞こえてきた。
つまり頭頂部側である。
最初はよく私の横で寝ているチェリーが放屁したのではと考えて、あの体格であの音だとお尻の穴がどうにかなってしまったのではと心配になり慌てて振り向いた。

ところがそこには何もいなかったのだ。

20160919a
Nikon Df+Voightlander Ultron40mm/2 SL2

周囲のニオイを嗅いでみたが何も感じない。
音は何処からしたのかと、ブーブークッションの様なものをヘッドボードを中心に探してみたがまるで見つからない。

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Canon EOS 5D MarkIV+SP45mm/1.8Di

嫁さんが帰ってきてからこの話をしたところ、自分のおならだよとか、自身のイビキだよと、まるで信じてくれない。
経験上、自分の時にはハッキリとわかるのだ。
隣家の雑音ということも考えたが、ヘッドボード側は駐車場なので可能性は低い。

タイトルでは霊としているが、霊現象だったとか、怖かったという訳ではない。
ただ、音的にはスッキリ感があったのだが、気分的には何かスッキリしないので備忘録としてココに残しておく。

2016年8月12日 (金)

枯れ枝

昼頃に自宅で娘と留守番をしているときだった。
オママゴトにも飽きてきたのか、書斎に連れて行けとうるさい。

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書斎にはプラズマボールや衝撃球、犬猫のペーパークラフトなど子供が見ると興奮するたぐいのモノがいくつも置いてある。
仕方がないので私の監視下でそれらをいじくることを許可した。

書斎で娘が目新しいモノに興奮しているとき、開いた書斎ドアの向こう廊下で何かが動いているのに気づいた。
どうやら影がちらついているようだ。。
隣の寝室扉が開いているのか、そちら側から何本もの枝状のものが激しくユラユラと揺れている。

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Canon EOS 5D MarkIII+EF24-70mm/4L IS USM

今日は天気がいいからなあ。
隣の家には柿の木があるので、それがそれが風に揺れているのだろうと思っていた。

だが、すぐに違和感に気づいた。
今は真夏で柿の木には葉が覆い繁り、こんなスカスカな枝がゆらつくことはないはずである。

そうなるともう気になって仕方がない。
もし、娘から離れて正体を知りに向かった場合、状況によってはペーパークラフトなどあっという間に破壊されてしまうだろう。
行こうか行くまいかちょっと悩んだ。
結局、謎よりも現実的なリスクを回避することを選ぶことにした。

20160812a_2

10分ほど経過したろうか。娘は「もう満足だ」と、お気に入りになった乾電池式のプラズマボールだけを握ったまま書斎を出るという。
気になっていた先ほどの場所に目をやると、既にそこの廊下には何の影も見当たらない。

だが、やはりどうしても気になるので、娘と共にちょっと寝室に入ってみた。
柿の木の見えるスリガラス状の窓は、空調ためしっかりと閉められていた。
とてもではないが枝を床に映し出す程の解像感は得られない窓ガラスだ。

20160812d
Canon EOS 5D MarkIII+Milvus 2/50M

まあ、早い話が原因は分からず仕舞いである。
あの海中の昆布よろしく、枝全体が柔らかくユラユラと揺れる仕草は何であったのだろう。
窓から見えた廊下まで6~7m、途中にそのように映し出す障害物はない。
あれだけのハッキリした影を見せるモノは何だったのか。
気になって気になって仕方がないので記事にしてみた。
いつか原因が分かったら回答を書いておきたい。

2016年7月18日 (月)

起こすモノ

先日お祭りに出かける前の夕方に、私は寝室で一人昼寝をしていた。
午前中に家族と出かけたが、私の用事は先に終わったので一足先に帰宅していたのだ。

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Canon EOS 5D MarkIII+Carl Zeiss MakroPlanar T*50mm/2.0ZE.

午後4時くらいに嫁さんから電話が入り、家に子供たちと家に戻るのは7時過ぎになりそうだという連絡だった。
仕事の疲れもたまっていたので、少しだけ昼寝をさせてもらうことにした。
誰もいない静かな家だ。かなりゆっくり出来るだろう。
寝室のベッドの上に大の字になってタイルケットを乗せて目をつむった。

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Canon EOS 5D MarkIII+Carl Zeiss MakroPlanar T*50mm/2.0ZE.

突然、誰かに足を結構強めに数回叩かれて目が覚めた。
小さな手だ。娘の力強さではない。息子のものだろう。
目を開けると寝室も既に暗く、外は日が暮れているようだ。
ずいぶんとグッスリ眠ってしまったらしい。
下では嫁さんの子供に向かって「外から帰ってきたら手を洗いなさい」というガヤガヤした声が聞こえてくる。

足を何度も叩き続ける息子に「もう起きたから」と言葉をかけようと目を向けると、子供の影が寝室から素早く飛び出していくのが見えた。

ずいぶん強く叩くなあ。あれは人を起こす力加減ではないだろう。
それに無言で立ち去るのも良くない。ちょっと注意する必要があるなと寝室を出て足をさすりながら階下へ降りた。
階段の途中で私を呼ぶために上がってきた嫁さんと出くわして、雑談をしながら居間へ入った。

そこでくつろいでいる次男坊に「人を起こすときにはもっと丁寧に起こしなさい」と注意をしたところ、目を丸くしながら僕は起こしていないよと意外な返答が戻ってきた。
嫁さんも、一緒にここへ帰ってきたので、私が降りてくるまで誰も二階に上がっていないはずだと非常に怖がっていた。

20160718c
Canon EOS 5D MarkIII+Carl Zeiss MakroPlanar T*50mm/2.0ZE.

さて、アレは誰でしょう。
嫁さんは先ほどまで寝室ではもう寝られないと大騒ぎしていたが、忘れてしまったのか今はグーグー寝ている。

うーん、確かに叩いていた手のサイズは娘以上次男坊未満なので、我が家にはいない手の大きさだなあ。
お盆は終わったのになあ・・・・。

2016年6月 8日 (水)

先日、仕事が終わった後に実家にお邪魔した。
テールランプの長時間露光撮影のためであるが、その時に母から怖い夢を見たという話を聞かされた。

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Canon EOS 5D MarkIII+EF35mm/1.4L II USM

夢の中で、深夜に自宅電話の呼び出し音で目が覚めたそうだ。
夜更けにただならぬ雰囲気で電話が鳴り続けている。

母は不安な気持ち一杯になりながらも居間の灯りをつけ、電話に近づき受話器を取った。
そこからは7年前に亡くなった自分の母からの声があった。

「○○(母の名前)!直ぐにそこから逃げ出しなさい!!」

そう言って電話は切れた。
そこで母は目が覚めたという。

嫌な夢を見た。
母はそう思いながら不安な気持ちのままもう一度目を瞑った。

夢の中で再び電話が鳴り続ける情景が現れたという。
もう一度受話器を取ると、切羽詰まった自分の母の大声が聞こえてきた。

「何をしているの○○!早くそこから表に出なさい!」

二回目の夢の時は飛び起きたという。

それから母は、急に恐ろしくなって眠れなくなった。
時間はまだ午前二時過ぎだ。
何か奇怪な現象が起こるのか、はたまた強盗が忍び込んで来るのか、母は落ち着こうとお茶を飲むために居間に出向いて灯りをつけた。

その時に同居している私の弟が自室から降りてきた。
「母さん、今自分はとても恐ろしい夢を見て飛び起きたんだ。とても怖かった」

母はドキリとしながらどんな夢を見たのか息子に聞いてみた。
もしも自分と同じような夢だとしたら、あれはただ事ではないことになると感じたからだ。

弟は映画「犬神家の一族」の様な夢を見たらしい。
家族が何者かによって次々と襲われて姿を消していく。
弟は命からがら家から脱出するが、家にはまだ父と母が残っているはずである。
どうしようかと途方に暮れているところで目が覚めたようだ。

そこで母は息子に自分の見た夢も話してみた。
夢の内容に関連項目が多かったため互いに驚いたという。

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Canon EOS 5D MarkIII+EF35mm/1.4L II USM

夢の話を私に語った母はこうまとめてきた。

祖母は弟を非常に可愛がっていた。
きっとあの世から弟の事を見守っていたのであろう。

だが以前から慌て者の祖母は、孫の見ている夢をリアルなものと勘違いしてしまったのだ。
そのため私の夢にあんな忠告をしたのではないだろうかと。

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Canon EOS 5D MarkIII+EF35mm/1.4L II USM

うーむ、ただの偶然だと思うが、念のために戸締まりはしっかりしておくように伝えておいた。
弟の夢の中で私の境遇はどうなっていたのか知りたかったが、嫌な気分になるのも何なのでその件に関しては聞かないことにしておこう。

2015年11月10日 (火)

箪笥の怪

今日は外気温が生ぬるい妙な日であった。こんな日は不思議系の話でも書いてみたい。
以前、奇妙な天井のシミの話を書いた。

前回はまだ私が独り身だった頃、母から妙なヒト型のシミがある子供箪笥の話を聞いた私がその現物を久しぶりに見るために、古い家具が大量にため込んである離れに向かったところで話を止めた。
今回は3年ぶりにその後日談を書こうと思う。

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Canon EOS 5D MarkIII+EF Macro100mm/2.8L IS USM

離れに向かった私は、物置と化した薄暗い和室の一室で例の箪笥を探していた。
大物がぎっしりとため込んであるので一つ一つ確認するのも大作業だ。

記憶の糸をたどりながら、ホコリを被ったサイズのそれらしき家具を調べていく。
いつの間にか手はホコリで真っ黒になっていた。
軍手が必要であろうと一度母屋に戻り、母からだいたいの場所を聞き出した。

時はすでに夕方だ。
すでに電球の切れている離れでは、外が暗くなるとただでさえ暗い室内が、より闇が濃く感じる場所が徐々に増えてくる。
母から聞いたその場所は、すでに調べ上げていた場所だった。
だが、どうしても見つからない。
大きな戸棚があるので、その後ろかも知れないと思い、戸棚を移動させるためのスペースを作っていた。

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Canon EOS 5D MarkIII+EF Macro100mm/2.8L IS USM

すでに室内は相当暗くなっている。
汗を滲ませながら手早く作業をしていると急に気分が悪くなってきた。
そういえば先ほどから倦怠感がハンパない感じだったのだ。

明日以降に探そうと重い体を引きずって離れを出た。
部屋に戻ってから激しい疲れを癒やそうと、そのまま風呂にも入らず早くに布団に入った。
が、その夜から40℃近い高熱が出てきたのだ。

高熱に伴う激しい咽頭痛。
たまらず仕事を休むことにした。
手元にあった抗生剤を飲んで様子を見ていたが一向に収まる気配はない。
だが、数日後に強烈な足関節・膝関節痛と両下肢に多数の紫斑が出てきた。
痛みと倦怠感で階段の上り下りなどとてもじゃないが不可能になった。
慌てて、弟に近くの市中病院に車で連れて行ってもらった。

即時入院である。
結局、肺炎も併発したのでかなりの日数を休まねばならなくなってしまったのだ。

自分が病気で死を意識したのは、幼児期にかかったおたふくと、この激しい重度のAPだけである。
未だに胸写を撮ると、当時の肺炎の名残である線維化が肺野に写り込む。
たまにであるが、APの後遺症である血尿も引っかかる。
私はこれに懲りて、おもしろ半分に変なモノを追いかけ回すのは止めたのだ。

20151110c
Canon EOS 5D MarkIII+EF Macro100mm/2.8L IS USM

例の箪笥はあの後すぐに母が処分した。
あれだけ探して見つからなかった箪笥を、母はすぐに見つけたと言っていた。
母はその箪笥をバラバラに分解して粗大ゴミとしてバラして出したらしい。
ヒト型のシミは?と聞いたが、見ないように処分したからわからないと言っていた。

実は、以前にも母は「この箪笥」を2回手放している。
一度目は元の持ち主に。
その時は別人を経由して再び母の元にやってきた。
二度目は母が直接粗大ゴミとして捨てたとき。
このときは祖父が使える箪笥があると拾い戻してきた。

手放そうと破棄した箪笥が何事もなかったかのように二度も戻ってきた。
この話に病気と箪笥の関連性やオチなどはない。
ただの偶然が重なっただけだと思う。

ただ中途半端に首を突っ込むと、後で何かあったときに「ひょっとしたら」とか「もしかして」などと凄く嫌な思いをすることになるのだ。

しかし実際にハッキリとお化けと思えるモノは何も見た事はない。
だから幽霊はいない。私はそう考えている。
私は目で実際に見ないと信じない達だからだ。

だが、理由の付かない不思議な体験はいくつもしている。
見てはいないが、体験をしている。
これが、非常に悩ましいところなのだ。

昔から奉られたり、畏怖されているものは、それなりの誠意を持って接するべきだろう。
決して自分の個人的な価値観や、お遊びなどのその場の気分などで接するモノではない。
後で何かあったとき、それが無関係であろうと分かっていても苦労するのは自分なのだ。

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